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25・なんだよ

教室中が静まり返った。

「うるせぇ・・・・・・だと?」

梅原はかすかに震えている。

「てめぇにとやかく言われるいわれはねぇだろ!!」

その瞬間梅原の泣き顔が俺を睨みつけビンタをされた。

「ああそうかよ!あしたしの気持ちも菊谷さんの気持ちも知っててそれでその言い草かよっ!!わかったよ!もうしらねぇよ!死ね!!はげ!タコっ!!」

そのまま梅原が走り去った。

イッ・・・・・・クソ。

思いっきりぶったたかれたせいで血が出た。

俺なんかじゃなくて他の奴見ろよ。

スタイルのいいお前は結構男子に人気あるんだぜ。

菊谷も、以外にもてるんだ。

だから、俺なんかいつまでもかまってんじゃねーよ。

「あ、あの。大丈夫?」

話しかけられたことないような女子が俺に近づいてきた。

ああ、保険委員の子だ。

大人しくて、頭のいい。

どっちかって言うとクラス委員むきの。

「ああ、うん。別に。」

そういってのっそり立ち上がると水場までいき、蛇口をひねって口をすすいだ。

おえぇ・・・・・・水がかすかに本当にかすかにだけど赤・・・・・・そして痛・・・・・・。

「た、滝野!!」

今度は息を切らした菊谷が登場。

みんな息をのんで俺たちを見ている。

「・・・・・・何?」

「さ、さっき梅原さんにあったのよ。彼女、泣いてて・・・・・・それで。」

「俺のことでも聞いた?」

「き、聞いたわよ。まさか、梅原さんを怒鳴るなんてあんた、本当に・・・・・・」

うざいな、どいつもこいつも!!

「したけど?したら何?お前も梅原みたいに怒るわけ?」

半分顔が笑っていた。

俺を見た菊谷の表情は凍りついていた。

「何、その言い方!あんた、いつそんなにろくでなしになったのよ!?」

「ろくでなし?」

「アンタのことよ!あたしから顔をそらしてるあんた!ねぇ聞いてるの!?」

菊谷も俺の胸倉をつかんできて、つい反射的に菊谷を思いっきり突き放した。

「キャッ!!」

菊谷はそのままバランスを崩して廊下に肩から倒れた。

「いった・・・・・・。あんた、いつから女の子に手を上げるようになったわけ・・・・・・?」

菊谷の声がワナワナと震えている。

「別に・・・・・・。」

「別にじゃないわよ!あたしが好きになったのも、梅原さんが好きになったのも今のあんたじゃないわよ!この最低野郎!ろくでなし!!」

そのまま菊谷は自力で立ち上がって少しひねったらしい足を引きずりながら自分のクラスへとかえっていった。

廊下は相変わらず。

それどころか全教室中が静まりかえっていた。

俺がくるりと教室を見るとみんな俺から目をそらした。

しばらくすると梅原は教室に戻ってきてまだ鼻をすすっていた。

なんだよ。

なんだってんだよ。

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