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24・うるせぇなぁ!!

重たくなった解けない氷の心を引きずって、俺は教室へと向かった。

教室の窓を開けた瞬間に笑い声や音楽などの音と共に生暖かい暖房の風が俺の頬を(かす)めて言った。

でも、冷え切った俺の顔には暖房の風は少し強すぎて顔がヒリヒリと痛んだ。

「お!滝田じゃん!どうだった?あの後は!」

崎田が楽しそうに近づいてきたのに俺は上の空で返事をした。

「ああ・・・・・・うん。」

「その様子だとダメだった見たいだな。まぁ世界にいろんな女がいるから一人に振られたくらいでそう落ち込むなよ!」

「ああ・・・・・・うん。」

俺の心は引きずって歩くのもめんどくさいから教室の片隅にでも転がしておこう。

「ぬぁにぃ!!?滝田ぁ!!お前!あたしら差し置いて告っただとぉ!?」

ゆっくりと後ろを振り向くとそこには急いで駆けつけてきたのか梅原がいた。

どうやら菊谷はまだ部活中らしい。

そして梅原の大声でクラスは静まり返り、大きな驚きの声の渦になった。

「えぇぇぇええええええええ!?」

特に多かったのは女子の声。

甲高くて、ギャーとかイヤーとか聞こえた。

男子はひそかに『次梅原さんに100円かける』『よりを戻すの菊谷さんに100円』『その他に200円』とか言ってた。

・・・・・・気がする。

なんか、何もかもがどうでもいい。

気が付けば梅原に馬乗りにされて激しく頭をゆすられていた。

すげぇ怒ってんな・・・・・・でもその声は俺に聞こえないし、届かない。

「・・・・・・何とか言え!!滝野!てめぇそれでも男か!!」

ピクリと来て梅原を見た。

でも、なんだか・・・・・・。

「別に・・・・・・どうでもいいだろ。」

「よくねぇよ!!あたしは!?菊谷さんは!?どうなるってんだよ!!」

ああ、もうほんとに。

「うるせぇなぁ!!」


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