17・これが天使の正体!?
う(梅原以下略)「って、ことらしいので、次からはあたしたち」
き(菊谷以下略)「菊谷と」
う「梅原が主人公だよ!」
ピースピース♪
さ(桜木以下略)「ええっ!?ちょ、大丈夫なの!?滝野君!」
き「そんなん知らないわよ。」
さ「ええええ!?だって約束は!?滝野君!?」
って、そんな悪ふざけは終わりにして、一方宙を舞った滝野君・・・・・・。
あれ?なんか、痛いな。
なんかちくちくするし、耳元でバサバサ聞こえるよ?
しかもクルックークルックーって聞こえるよ?
「って、うわぁぁぁぁぁああああああ!?」
なんだよ!?ここどこだよ!?
空だよ!そんなこと分かってるよ!いや、ホントは分かりたくねーけど!!
「って、いってぇなぁ!!ハト!!空飛びながら俺のことつつくなよ!!」
それは見てみれば、大量に存在する白とかグレーとかのハト集団が飛んでる中に俺はいる・・・・・・らしい。
これが天使の正体ぃぃいいい!?
そんななか、俺だけ角度が変化。
「って、ここで急落下ぁぁあああ!?」
本当にもうだめなんだと思った。
目をつぶり、体が床に叩きつけられて悲鳴を上げるのを感じた。
でも、すぐ麻痺した。
「滝野君?大丈夫?」
あれ?聞き覚えのある声がする。
もしかして俺、そんなに遠くに飛ばされてない?
そっと目を開けると下にはあきれた桜木さん。
どうやら俺は切り取られてしまった木の上になんとか生存するらしい。
「え!?桜木さん!?って、おわぁぁぁぁああ!!」
木から滑り落ちてそのまま芝生に尻餅をつくようにしてうえを見上げると白い羽がいくつか落ちてきた。
・・・・・・ああ、あれ、ハトの羽だったんだなぁ・・・・・・。
確かに白いことだけは間違いないわ。少しグレーだけど。
「ちょっと、滝野君。さっきっからなに一人で騒いでるの?大体何してあんな高いところに落ちてくるわけ?」
「ああうん、ちょっと・・・・・・。」
なんか、かっこ悪かったし、梅原にキスされたことや菊谷のパンツを見たことなどいろいろあってただ笑っていた。
「・・・・・・ずいぶんとボロボロね。」
桜木さんはあきれてそれ以上は特に何もいわなかった。
・・・・・・俺、確か校舎内に駆け込もうとしてあそこで右に曲がったら押さえつけられたんだよな。
でも中庭にいるってことは、あの学校の建物の高さを超えてここに落ちたってことか?
学校は結構な高さで、それを超える強烈なパンチを二人の女に食らわされたのだと思うとかなりぞっとした。
もう、考えるのはよそう。
うん。そうしよう。
いなかったさ。あそこに梅原も菊谷も。うん。
そうだ、きっとそうだ。
「あれ?滝田君、こんなところに羽が・・・・・・。」
ぱっと見上げると顔の位置に桜木さんの胸があって、驚いてその場を離れた。
「のわっ!?」
「どうしたの?」
桜木さんは不思議そうに顔をかしげ、手にはハトの羽をもっていた。
「い、いやなんでも。」
「ふーん?そう、あ・・・・・・。」
ぱっと俺が桜木さんを見たとき一瞬だけだけど桜木さんが透けていなくなってしまったようだった。
「桜木さん!!」