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14・なんだろう、おちつかねーな。

「どうして!?」

「やっぱり考えてみたらダメ。だって、ここから抜け出す方法を考えるのなんて危険だし、もしあなたもこの空間に巻き込まれてしまったら?どうするの?」

「かまわないよ。」

反射的にかまわないという言葉が口をついて驚いた。

桜木さんも驚いている。

どうしてかは全然わかんない。

でも、桜木さんとなら別にかまわないと思った。

「え?」

「俺はかまわない。」

すると桜木さんはほのかに頬を赤く染めて俺から目をそらした。

「どうして?危険なのに。私が消えるのならまだ良いけど、あなたが消える可能性だってゼロじゃない。両方消える場合もありえるし、両方切り取られる可能性もある。それに・・・・・・もし私がここから出られても、私はいっきに老け込んでしまうかもしれない。そんな姿、見られたくない。」

「なんか、桜木さん、可愛いね。」

すると桜木さんはさらに顔を真っ赤にして俺を見た。

「ちょっと!!からかってるの!?私は本当にあなたのこと心配してるのに!いきなり何を言うの!?」

「ああ、いやいや、ごめん。からかったわけじゃ・・・・・・。」

「やっぱり一緒なんていや!・・・・・・いくら仲間がいるからとはいえ、思わせぶりが激しすぎよ・・・・・・これじゃ私がもたないじゃない・・・・・・せっかくこーゆータイプは嫌いだって言い聞かせてるのに・・・・・・。」

真っ赤になってぼそぼそと何かつぶやいているけど、何を言ってるのか聞き取れない。

「やっぱり一緒なんてイヤのあと、なんか言った?」

「何も!!ただ、あなたみたいな軽いタイプはどっちかっていうと嫌いなの!だいっ嫌い!!」

顔を真っ赤にしたまんまそう叫ばれても・・・・・・。

「え~・・・・・・俺は桜木さんのこと、好きだけどなぁ・・・・・・。」

すると桜木さんはこれ以上ないってほど顔を真っ赤にして俺に背を向けた。

「ばっ・・・・・・ばっかじゃないの!?」

まだ耳が赤い。

でも、自分の言ったことにすごく後悔した。

俺、なんかすっごい恥ずかしいこと言った!?

友達は基本好きだ、桜木さんもそれと同じ・・・・・・同じなはずなのに・・・・・・。

なんで恥ずかしいんだろう?

分からない。

「桜木さん。」

「な、何よ。」

「俺、最近おかしいんだ。急に恥ずかしくなったり苦しくなったり、いじめたくなったりするんだけど・・・・・・素直に言いたいこともいえねー時あるんだ、それってやっぱ・・・・・・なんかの病気なのかなぁ。」

「いきなり・・・・・・何言い出すの?」

まだかすかに赤い顔でこっちを振り向く桜木さん。

「なんか、自分の体が自分のものじゃないような感覚に陥ったりするんだ。」

「・・・・・・私もあるわ。どうしてこんなことにって。でもそれは・・・・・・知識上“恋”って呼ばれるものだったの。私は恋が良くわからないから・・・・・・あなたと同じかどうかは分からないけど。」

いきなり自分の中につめたい風が吹いていった気がした。

俺、なんだか動揺してる。

でもなんで?どうして?

「へ、へぇ、桜木さん恋したことあるんだ?」

するとやっぱり顔を赤くして慌てだす桜木さんを見て苦しくなる。

何故?

「べ、別に!?そういうあなたこそ誰に恋してるの!?」

「・・・・・・恋なのかな・・・・・・。」

もし本当に恋だとしたら、俺が好きなのは・・・・・・桜木さんってことになる。

そう思ったら顔が真っ赤になった。

「どうしたの?顔、真っ赤よ?」

「あ、いや、なんでもない。なんでもないんだ。」

慌てふためいて立ち去ろうとしたら頭に本が当たった。

そのまま打ち所が悪く気絶。

最後に慌ててる桜木さんの声を遠くで聞いた気がした。


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