13・笑顔がこえぇえええ!!
「桜木さーん?」
って・・・・・・あれ?なんか・・・・・・怒って・・・・・・?
「何かしら?」
「え・・・・・・あの、何怒って・・・・・・。」
「当然じゃない?いきなり逃げ出して何の報告もなく今日で三日?私は完全に忘れ去られて?そんなに菊谷さん?ともう一人の女子との間が忙しいのかしら?」
笑顔が・・・・・・こぇぇぇえええ!?
「あ・・・・・・いえ、すんません!マジすんません!」
「・・・・・・まったく、これでも心配したのよ・・・・・・あなたの事・・・・・・。」
何か桜木さんがつぶやいたような気がして下げていた頭をあげた。
「え?」
「ああ、なんでもない。気にしないで。それより・・・・・・昨日は素晴らしい体型の女子とあなた、楽しそうに歩いてたわね、あの子?あなたを好きなのは。」
桜木さんはそういいながら顔を剃らした。
梅原のことだろうが素晴らしい体型・・・・・・って、桜木さんもやーん?
とはあえて言わずに昨日起こったこと、一昨日起こったことをセットにして話した。
「・・・・・・ふーん?彼女はそれで満足しているの?」
「多分。」
「そう・・・・・・。」
「俺、ダメだなー。何か、泣かれちゃって、そーゆー姿とか見たくなくて・・・・・・俺、悪役になれずにいるんだ。」
曇りかけている空を見上げた。
「いいんじゃない?淡々と決断をくだせる人もいるでしょうし、あなたみたいな人もいる。彼女も下手に傷つかなくてすんだのなら、あなたにとっても相手にとってもそれが最善だったってことでしょ。」
「そうかなぁ?」
「最終的にいつも周りも自分も誰よりも傷つけるのはあなたのその優しさなのだろうけど・・・・・・。」
「え?」
「あなたは優しすぎるわ。人を傷つけたくないから人を寄せ付けるのだけど、でもそれが優柔不断に周りからは見えてしまって気持ちを打ち明けられた時、傷つけたくなくて傷つくのはあなた。巡り巡ってやっぱりあなたの優しさが周りも自分も傷つけてしまう。」
「はは・・・・・・桜木さんは痛いこと言うなぁ・・・・・・でも、適格だ。そうなのかもしれない。どうしてそこまで的確に物事を見れんの?」
思わず頭をかきながら苦笑して桜木さんを見たら桜木さんがすごく寂しそうに笑った。
「私は傍観することしかできないから。見るだけだった。それだけ。私の周りは進んでくのに私は進まないから。やっぱり、滝野君、もうここには来ないで。」
桜木さんは首を振った。