八話 本田ヤネラ2
俺、本田ヤネラは今、必死に学校中を走り回っている。
「シュウイチ、どこだー。居るなら返事をしてくれー!」
いくらシュウイチを呼んでも返事は返ってこない。早くしないと、シュウイチが殺されてしまう。
遡ること約20分前。
「たくっ、なんか爆発したり、わけ分かんねー。」
独り言を言いながら俺は自分の個室に戻った。
自分好みに飾付けしてある部屋を見渡して奥にあるベッドへ飛び乗る。少し目をつぶったのだが、疲れているのかそのままぐっすり眠ってしまった。
[ピーンポーン!ピーンポーン!ピーンポーン!]
誰かがインターホンを連打する音で目が覚めた。動こうとしても体が重いし、動きたくないしで、居留守を使おうと思ったのだが、一向にインターホンが鳴り止まないので、渋々重い身体を動かし扉を開けた。
「本田、ちょっと入れて。」
インターホンを連打していた正体は影リュウセイだった。心なしか焦っているようにも見えた。
無理やりにでも俺の部屋に入り込み、隅々まで荒らしだした。
「て、てめぇ。この俺様の部屋に何しやがる!」
「流石に無いか。」
俺の話はそっちのけで、何か焦りながら俺の部屋を調べている。
それから、少し疲れだしたのか影がやっと喋りだした。
「ごめん。実は………。」
「シュウイチ、どこだー。居るなら返事をしてくれー。」
学校中を走り回り、様々な教室に向かうがシュウイチは見つからない。
物置き部屋を覗いた時、ある物を見つけ、手に取り呆然と立っていた。安心のような、いらだちのような、とにかく複雑な気持ちになっていた。
すると、慌てて走っていた小苗が俺を見てけて呼びかける。
「大変だよ、コンピュータールームまで今すぐ来て、全員居るから。」
言い終わるよりも早く小苗は俺の手を掴んで小走りでコンピュータールームへと向かったので、俺も少し速歩きでコンピュータールームに向かった。
今日が俺の日常の終わりだと知らずに。
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