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もしも犯人がいなかったら  作者: ユメツキ
6/21

五話 自己紹介2

 「君の名前は?軽く自己紹介してけれないかな。」


 「………。」


 今、僕は小苗が連れてきた綺麗に黒と白で分かれた黒いマスクをつけ、

顔を隠し膝まであるジャンバーを着ている男の前にいるが、全く僕の質問に答えてくれない。


 どうする。少し会話をするだけでもだいぶは人間図を理解できるのだが。


 「最上君、最上君。」


 小さい声で話しかけてきた小苗の方を向き、話を聞く。


 「ごめん、彼は名前が少し変わっていて言いたくないのかも。」


 なるほど、自分の名前がコンプレックスなのか。小苗め、最初に面倒なの連れてきやがって。


 「君さ、名前なんてどうでもいいよ。別に言いたくないなら言わなくていいし、でも、仲良くしたいから君の名前を教えてくれないかな。友達として。」


 彼は少しの間考え、やっと喋りだす。


 「た、田中奏夢です。」


 「変わった名前って、キラキラネームのこと!」


 すると、田中君は頭に両手を当て叫びだす。


 「ど、どうせ、お前もこの、この名前のことで、いじ、いじめるんだろ。」


 チッ、地雷を踏んだか。


 「流石に考えすきじやないかな。」


 「どうせ、どうせ、お前も、お前も、」


 いくらフォローしても聞く耳を持たない。どうしようか考えていると、田中君の後ろから声がした。


 「た~な~か~く~ん」


 大きな声を出して田中くんの背中に飛びついたなは、カラフルな色をしたテンパの髪型に身長はすごく小さい少年?みたいな人だった。


 「えっと、君の名前は?」


 「ハハッ、田中君変な顔。」


 「き、君の名前は。」


 「さっきからうるさいな、今田中リ、ズ、厶君と遊んでいのに。」


 急の怒鳴りに驚く。


 「ごめん、気に触ったなら謝るよ。でも、君とも仲良くなりたいから。」


 なるべく地雷を踏まないようにスマイル、スマイル。


 「…………」


 無視か。面倒だと思い、僕は小苗の方を見る。


 「ハハッ、彼の名前はウユナ・エコだけど生粋の日本人だよ。名前のことは子供の頃の記憶がないからニックネームらしいよ。」


 じゃあ、髪も染めているのか。確かによく見たら日本人の顔をしている。


 「もう、さっきから邪魔だな。」


 ムカついてきた。


 すると、ウユナが急に泣き始めた。


 「うー、ひぐっ、うえーん。最上君がいじめてくるよ。うえーーん。」


 すぐに、教室に居る人たちが僕たちを見る。


 「ご、誤解、誤解だから。」


 「そうそう、最上君は悪人顔だけどそんなことしないよ。」


 全く、フォローしているのか?


 それから、なんとか誤解を解き野次馬もいなくなった。


 「ごめん、ごめん。こう言えばいなくなると思ったけど。」


 やっぱり演技だったか


 「最上?だっけ、これからクラスメイトなんだし、一応よろしく。」


 そのまま、ウユナは去っていった。


 「僕は保健室に行くよ。」


 少し落ち着いていた田中君は廊下をでて、保健室に向かった。


 それにしても、少し出だしが悪いな。 


 「じゃあ、最上君次は彼にしよう。」


 考える時間も与えず、近くにいる人のとこまで案内する小苗。顔を上げるとそこには、緑のメッシュを入れた髪に僕たちを見下ろすぐらいの身長をした男だった。てか、ここにいるひとたちの身長の振り幅すごいな。


 「甘海君。最上君に自己紹介してくれるかな。」


 「全然いいですよ。」


 無表情のまま答える彼。


 「名前は甘海ランです。好きな食べ物は焼き芋で、よく小苗さんが焼いている所を見るとつい僕も混ざっちゃいます。嫌いなことは特にないです。よろしくお願いいたします。」


 「うん。あと、敬語じやなくてもいいよ。」


 「いえ、僕は誰に対しても敬語なので。」


 「そうなんだ。ごめんね。」


 気まずいな。でも、殺れるチャンスはありそうだがまだ様子見かな。


 「ありがとう、甘海君。じゃあ、次の人いこっか。」


 小苗が喋り終わった後、僕の後ろから声が聞こえた。


 「えっと、最上君?だよね。」


 振り返ると僕より小さい身体つきでロングヘヤーの黒髪少女?がいた。


 「わぁ、間近で見ると超イケメン。」


 「えっ?」


 「す、すみません、すみません。失礼ですよね、急にイケメンとか。」


 やっぱりイケメンと、言っていたのか。そして、僕は喋ろうとした口を閉じて考える。


 もしかしたら、使えるかもな。


 「ごめん。可愛い子にイケメンとか言われると恥ずかしくて。」


 「えっ!えっ!かわっ!えっ!」


 チョロいな。このまま恋でもしてくれたら都合がいいけど。


 「ヒュー、ヒュー、熱々ですねー。」


 小苗の冷やかしを聞き、少女が喋りだす。


 「自己紹介、自己紹介をしよう。最上君はもう知っているから私だね。」


 顔を赤らめながら胸に手を当てて話し出す少女を僕は見る。


 「えーと、名前は高月アヤメで、十六歳で身長は153センチで体重は内緒。

好きなことは歌うことで、嫌いなことは勉強です。よろしく。」


僕のほうが年上か。


 「もっ、最上君は歌うの好き?」


 「あー、もちろん。」


 本当は自分が音痴なのかどうかも知らないぐらいだけど、大丈夫だろ。


 「じゃあ、また今度ね。」


 「うん。」


 笑顔で自分の席についた高月さんを見送って小苗を見る。


 「次、行こっか。それにしても、最上君はグイグイ攻めるタイプかー、以外。」


 小苗もいるからな、なるべく変な印象を与えないようにしないと。


 「次、誰にしようか。」


 周りを見渡す小苗。


 「もう、教室にはいないから廊下に行こ。」


 言葉に従って僕は小苗についていき、廊下に出た。すると、そこはやっぱりすごく広い廊下?だった。


 「なぁ、小苗。ここって本当に廊下か?」


 「廊下っていうよりは、集会場みたいなものかな。」

 

やっぱりそうなのか。

 

「あっ!おーい、心魂くーん。」

 

 小苗は大きな声で廊下にいる一人の男性を呼んだ。


 それに気づいた男はこっちに近寄ってくる。見れば見るほど身長は大きく、前髪で片目(左目)を隠してうしろがみをゴムでまとめている暗い緑色のコートをきた人だ。


 「ハハッ、ちょっと最上君に自己紹介をしてくれないかな。」


 「そんなことなら全然いいよ。まだ、話してないしね。」


 とりあえず、まともな人っぽいな。すると、男は喋りだした。


 「よろしく。僕は心魂キミヅカ。君は名前なんて言うっけ?」


 「最上シュウイチです。」


 ちょっとした会話を交わした後、そのまま心魂君は教室に戻った。


 「ちなみに彼は絵を描くのが好きだけどすごく運動神経がいいんだ。」


 「て言うことは、将来は陸上選手とか?」


 「うん。でも、絵を描きたいってずっと言ってるんだ。」


 なるほど。絵を描くのが好きな将来は運動系だと言われている記憶力が悪い人か。分からないことだらけだな。


 それから、あたりを見渡すと窓から外を覗いている身長は小さめのユニット帽子を被った男の人だった。


 あと残りこの人だけだな。手っ取り早く済ませよう。


 「知っていると思うけど、僕は最上シュウイチ。君の名前は?」


 「か、か、影リュウセイ。」


 とりあえず、何個か質問をしよう。まともな人であってくれ。


 「何か好きな、」


 「俺に話しかけるな!」


 せっかく人が歩み寄ろうとしているのに、大声で怒鳴られた。

 

 「俺は殺人犯なんだ。だから、話しかけるな。」


 「え?でも。」


 「黙れ!!」


 思っきし睨まれ、走りながら教室に入っていった。


 「小苗、彼が殺人犯ってどういうこと。」


 小苗は少し悩み、喋り始める。


 「僕も詳しくは知らないけど、ここに来る前に人を殺したらしいよ。」


 それが本当なら、影君はどうしてここにいるんだ?


 考えようとしたところ、廊下に誰もいないことに気づき小苗と僕は教室に戻った。

 

 「遅い。何秒遅れたと思っている。この、ハゲクソ野郎口にパイプ突っ込むぞ。ドブにいるネズミの糞が。」

 

 教室に入った途端、怒鳴り声と悪口が聞こえた。


 そこには、僕の知らないクラスメイトと先生がいつの間にかいた。


 黒髪短髪の筋肉質の彼を見た後、僕は小苗に質問をした。


 「彼は?」


 「彼は、十夜センジュって言って、ここの学級委員だよ。」


 「おい、転校生。お前はもう自分の個室に戻れ。」


 どうやら、僕らに怒っていたらしい。


 ここの学校には、一人一つの個室があるらしい。


 僕は言われるがまま教室を出ようとすると、ドンッと何かにぶつかった。


 「痛。」


 「ご、ごめん、大丈夫。」


 そこには小柄なサイドテールの目つきが悪い女の子だった。


 「なに。」


 話しかける前に彼女から睨まれた。


 「あっ、いや、なんでもないです。」


 「あっそ。」


 すごくそっけない。名前も今聞くわけにはいかないし、てか、これで全員だな。これから仲良くしていけばいいか。


 僕は、そう思い自分の個室へと向かった。


読んでいただきありがとうございます

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