四話 自己紹介
最上シュウイチ
僕は今、ランドン島の中心にある学校に入り、一階の職員室でここの学校の教師らしき人の前にいる。
「お前が今日来る転校生か?」
「あ、はい。」
僕がASTI団の一員であることは生徒はもちろん、教師も知らない。
「詳しい話は聞いてないけど今日からここに住む。で、話を進めていいんだよね。」
「はい。」
教師の見た目が気になりすぎてあまり話に集中できない。てか、本当にこの学校の教師だよな。
「ニートみたい。」
とっさに口を閉じる。でも、しょうがないだろう。上下灰色長袖長ズボンに少しあるひげ、どっからどう見てもニートだ。
「よく言われるから大丈夫だ。」
「そうですか。」
一通り話終わった後、教師についていき教室の前まで来た。
「合図送るからテキトーに入ってきてくれ。あと、俺の名前は神谷メグルだ。」
教師が教室に入るとと同時に考え込む。
「僕は今から偽りの友情でみんなを騙し、殺さないといけないのか。」
小さく呟いた程度なので流石に教室までは聞こえてないと思う。
それからというもの、合図がなかなか来ない。
扉に耳をあてると少し会話が聞こえる。タイミングを見計らって教室に僕は入った。
まず、目に飛び込んだのはいかにも合図を出すの忘れてたと、言わんばかりの先生、次に目に入ったのはこちらを見ているクラスメイト。中にはすごく笑顔の人がいる。そして僕は喋りだす。
無事に自己紹介は終わった。拍手がした後、沈黙が続きそれを見た教室が喋りだす。
「とりあえず、十五分だけ休憩を入れる。一時間目は九時から始める。」
それを聞くなり生徒たちは教室に残るものもいれば、廊下にいるものもいた。
どうやら、この学校は休憩時間の間は教室か、少し広い廊下?以外は行っては行けないらしい。
すると、ガタッと大きなおとをたてて走りながら僕の目の前に現れたのは、寝癖だらけで髪は乱れたウルフカットのような長身の男だった。
「よぉ。お前、シュウイチって言うのか、いい名前だな。おっと、俺様の名前は超絶にイケメン&かっこいい本田ヤネラ様だ。」
めんどくさいタイプだな。バカなのかナルシストなのか。まぁ、単純て扱いやすいだろう。
「本田君は趣味とかあるのかな?」
今は名前を覚えてもらうぐらいでいいけど、どうせなら仲良く(偽りの)なっとくか。
「基本は筋トレかな。俺様には夢があるから体を鍛えないといけねーんだ。」
「夢?」
「警察官だよ。警察。」
てことは、こいつは将来的に警察官になる希望があるのか。
「じゃあ、今度でも一緒に筋トレやってみる。」
「おー、いいじゃねーかシュウイチ。流石は俺様の相棒たぜ。」
フン。……バカが。
「ハハッ、最上君だよね。ちょっといいかな。」
その声を聞き振り返ると、そこには白髪でアシュメの髪型をした僕とそんなに身長が変わらない男だった。
「ごめんね。彼、少しバカだから。
「誰がバカだ。」
「そんなんことより、君は最上君であっているよね。」
彼は、本田君の言葉な無視して話を続ける。
「そうだけど。君は?」
「僕は、小苗ユウだよ。よろしく。」
ずっと、笑顔を欠かさない彼を見て少し寒気を覚えた。
「なにか趣味とかある?」
「僕なんかより他の人に時間をかけたほうがいいよ。休憩時間は十五分しかないんだから。僕も一緒についていてあげるし。」
別に今すぐ仲良くってわけにもいかないし。でも、なんか変な気分だ。
「じゃあ、この俺様も。」
「あっ、本田くんはいいよ。最上君も人多いのもいやだろうし、あと
聞きたいことがあるんだ。二人っきりでね。」
「わかっよ。」
残念そうな顔をした本田くんは自分の席について寝始めた。小苗は、自己中心的というか、悪いやつではないのだろうけど。
「そうだ。僕と話したいことって?」
「?なんのこと。」
「なんのことって、さっき言ってたじゃないか。」
「うーん忘れちゃった。それより早く行こ。」
「う、うん。」
何故か小苗の笑顔を不快に感じた。
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