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第4話 知らされた過去

リーリエは村にもうそろそろで着く時に、大事なことを忘れていたことに気づいた。今まではどうやってサペンを召喚するかに悩んでいたが、召喚した後に隠す方法を考えていなかった。


(どうしようかな…)


サペンは不思議そうにリーリエを見上げている。


「ねぇサペン。体の大きさって小さく出来たりしないよね、、、」


無理な注文をしてみる。


「それはさすがに、、」


サペンは苦笑いをしながら出来ないと身振りをする。


「だよね、、。私サペンが居ること親にも村の人達にもバレたら一緒に入れなくなっちゃうんだよね。」


リーリエが困った素振りをする。


「そしたら僕、1回自分の世界に戻ろうか?」


リーリエは寂しそうな顔をサペンに向ける。


「わかったわかった。そしたら、家には僕が居てもバレない場所はあるの?」


サペンが尋ねる。

リーリエは少し考える。


「100%じゃないけど、私の部屋ならバレにくいかも、、、」

「そしたら僕に1つ提案があるんだけど、リーリエの魔力を貸してくれたら直接家に行くよ!」


どういうことかわからなかったがサペンに何かを貼られた。貼られたものはすぐに消えた。そして、自分の部屋に行くように言われたので、言われたままに動いた。


家に戻るとすぐに自分の部屋に向かった。部屋に入って薄いベットに座っていると、壁に不思議な穴ができた。そこを凝視ししていると、ぴょこっとサペンが顔を出てきた。


「やぁー!」


そう言うと、穴から出てリーリエの方に近ずいてきた。リーリエは何が起こっているのか分からずぼーっとサペンのことを見ていた。目の前にサペンが来てやっと正気に戻り尋ねた。


「あれは、どういうことなの?空間移動魔法?」

「そうだよ。リーリエにさっき貼ったものは対象者の場所を分かるようにするものなんだ。それを頼りにリーリエの魔力を使って移動してきたんだよ」

「なるほど。そういう魔法もあるのね。」


リーリエは関心した。今まで召喚獣を召喚するためだけに魔力を鍛えてきたので、細かい魔法は知らなかった。


(私ももっと色々な魔法を使えるように特訓しようかな。)


リーリエはいつしか魔法というものの虜になっていた。その姿をサペンは首を傾けながら見ていた。


「あっ!」


リーリエは急に声を出した。


「サペンと色々なお話したいな!どこから来たとか、好きな食べ物とか!お友達ってお互いのこととか色々な事をお話するらしいよ!私もやってみたかったの!」


サペンは不思議そうな顔をしたが質問に答え始めた。


「僕は天界のピンギー族が住んでいるフリーレンという街から来たんだ。そこはピンギー族の中でも1番大きい街で雪や氷で覆われていてとても綺麗なんだ。」


リーリエは話しを食い入るように聞く。


「リーリエは僕達ピンギーを召喚しようとしたよね?」


コクリッと頷く。


「僕達召喚獣はこの世界に勝手に降りれるわけじゃないんだ。術者に選ばれて召喚されるんだ。術者の魔力に1番近い召喚獣が召喚されるんだ。だから、リーリエの今の魔力に1番近いピンギー族っていうのが僕って訳。」


なるほどーっというようにリーリエは笑顔で大きく頷く。


(ただ、この僕を召喚するなんて。。君は一体。。)


サペンは嬉しいそうにしているリーリエを見てそんなことを思っていた。


「ちなみに好きな食べ物は、天界にいる魚を焼いた料理だよ」

「さかな、、。さかなってどんな味がするの?」


リーリエはワクワクした顔をしたが、サペンは顔を曇らせた。


「リーリエ。会った時から気になってたんだけど、君は何も知らなすぎる。人間の友達もいないみたいだし。魚の味を答えるより先に君のことを教えてくれないか?」


魚の味をすぐ知れなかったからか、はたまた嫌な過去を思い出してか、悲しそうな顔をして下を向いてしまった。


「私はこの村で18年間育ったわ。いや、この村で生まれて、育ったと思っていたの。私が10歳の時に私を今も育ててくれているアベクさんから聞いたんだけど、生まれてすぐに私は森に捨てられれていたらしいの。」


サペンは聞いてはいけないものを聞いてしまったかもしれないと思った。

リーリエは続けた。


「それをこの村の村長さんが拾ってくれて、そこそこ裕福だったアベクさん達が引き取ることになったの。まぁ、ジェラさんは猛反対だったらしいんだけどね、、。今も私に暴力を奮ってくるし。でもね、こんな私を育ててくれてるから文句は無いよ!」


サペンは黙って聞く。リーリエは今にも泣き出しそうになる。


「村の人たちも私に酷いことを毎日言ってくるの。魔物の子って。わけがわからないよ。私何も悪いことしてないのに。見た目もみんなと同じで、魔物の子なんかじゃないのに。ただ、友達が欲しかっただけ。みんなと仲良くしたかっただけなのに。な、なんで、み、みんなは、、」


ついに我慢できず泣き出してしまった。サペンはリーリエの足をポンポンと軽く叩いた。


「大丈夫だよ。これからは僕が君の友達だよ」


満面の笑みをリーリエに見せて言葉をかけた。リーリエは今まで我慢してたのが一気に溢れ出して、涙が止まらなかった。サペンはそんなリーリエの背中を優しく叩き続けた。

しばらくするとリーリエは泣き止んだ。


「ごめんねサペン。急に泣き出して。思いっきり泣いたらお腹空いちゃった!お昼ご飯にしようか!」


そう言うとリーリエはキッチンに行き、いつも通り、パンを半切れ持ってきた。その量にサペンは驚いた。


「えっ、いつもそれだけしか食べてないの?」

「そうだよ!でもたまにアベクさんたちが料理を残すからそれを食べる時もあるよ!ここ数年は残ってることが多いんだ!ほら、サペンもお腹空いたでしょ?半分あげるよ」


そう言うと半切れのパンを半分にしてサペンに渡した。


「い、いや、ぼ、僕は大丈夫だよ!召喚される前にフリーレンで食べてきたから!」

「そっか〜。残念。」


リーリエはいただきますをして、パンをすごく幸せそうに食べ始めた。ただ、量が量なだけにすぐに食べ終わってしまった。


「ごちそうさまでした」


合掌をしながら食べたパンに感謝をした。


「足りたの?」


心配そうにサペンが尋ねた。


「大丈夫だよ!おなかいっぱい!」


リーリエは笑って答えるが年齢を考えたら足りないのは明白だ。サペンはなにか悩んでいるかのように右手で自分の頭を軽くポンポンした。少しするとなにか閃いたようで、リーリエに質問をした。


「近くに森はあったよね。川はあるの?」

「森の少し奥に行った所にあったはずだよ。どうしてそんなこと聞くの?」


サペンはそれを聞いてよしっ!と拳を握った。


「魔法の練習と魚の味を知りに行こう!!」


読んでいただきありがとうございます!

なんだかんだ毎日あげてますが奇跡です。

私は書いていて感情移入しちゃうタイプなので、リーリエの過去や仕打ちを考えるとすごく悲しくなります。

サペンと出会ってこれからは幸せになって欲しいな。


コメント、☆の評価お待ちしてます!


第5話でまた会いましょう!

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