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第1話 魔物の子リーリエ

ここはある村のある家。そこで2人の若い男女が話しをしているのを赤ん坊は見ていた。


「、、しか、、」

「でも、、、よ」


女性は涙を流し、男性は優しく背中をさすっていた。

赤ん坊は生まれてからあまり時間が経っていないので何を話しているのか分からない。


「さい、、だ、」


男女は赤ん坊に近づきおでこにキスをした。赤ん坊はニッコリと笑う。


「し、、、てね」


それが女性から赤ん坊に向けての最後の言葉だった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

チャーロ村

朝日が昇り始め、鳥のさえずりでリーリエ(4歳)は目が覚め、大きく伸びをした。


「うーーーん。よし!」


ベッドからゆっくり起きて、静かに階段を降りて行った。一緒に住んでいる人達を起こさないためだ。

洗顔などをすぐに済ませ、台所に向かい、リーリエは朝食の準備を始めた。


朝食の準備ができそうになった時、大柄の女性と小柄な男性が入ってきた。


「朝食はできているかしら?」


女性が聞くと


「はい。すぐに食べられます」


2人は席に着き食事を始めた。

この2人はリーリエを育てている夫婦だ。女性の名前がジェラ、男性がアベクという。

とある事情からリーリエを育てないといけなくなってしまったのだ。


2人が食事をしている間にリーリエは他にやらないといけないことがあるのでそっちに取り掛かった。

しばらくすると、洗濯物を干しているリーリエのところにジェラが来た。


「食べ終わったから片付けておいて」

「はい。ジェラさん」


ジェラはリーリエの返事を聞かずに仕事の準備をするために部屋に戻った。

リーリエはそれを確認すると洗濯物を急いで干し、台所に向かった。

そこで鍋の中を見ると、目を輝かせた。


「今日はスープが残ってる!!!」


部屋から自分の食器を持ってきてスープを入れ、部屋に戻った。

リーリエは、毎食おばさんからパンを半切れずつ食べて良いと言われいる。おかずやスープは2人の残ったものをバレないように食べていた。


「美味しい〜」


自分で作ったスープを味わいたい気持ちを抑え、急いで食べ、洗い物をするために台所に戻った。


洗い物が終わり、休む暇もなくお店のために山菜を取りに近くの森に向かった。


それは一緒に住んでいる夫婦が酒屋を営んでいるため、お店で使う用に取りに行かないといけなかった。夫婦はリーリエを家に置く代わりに家の家事とお店の手伝いをすることが4歳になった去年決まった。

リーリエにとって山菜の採取とお店の手伝いをしている時が1番の苦痛だった。

なぜなら、リーリエは村で嫌われていたからだ。その理由はリーリエには分からなかった。


山に向かうためぼーっと村を歩いていると、子供たちの楽しそうな声が聞こえてきた。

リーリエは物陰からこっそり、その方向を見てみると、同い年くらいの子達が遊んでいた。


(お友達か、、私もいつかできるかな、、)


少し諦めるようにため息を吐き、後ろを向くと

背中に何か小さい物が当てられた。振り返ると子供たちは面白そうにリーリエを見ていた。


「魔物は出てけ!」

「魔物臭いんだよ!」

「魔物をやっつけろ!!」


子供たちは笑いながら小石を投げようとしてきた。リーリエは目に涙をうかべ逃げるように山の中に駆け込んだ。


(なんで、私ばっかり、、なにも悪いことしてないのに)


暗くなる前に、頼まれた山菜を取り、村人にバレないように家に戻った。


家に帰る頃には日が傾き、言われたところにカゴを置き、半切れのパンを食べた。時間を確認するとお店の開店時間が迫っていることに気づいた。


(イヤだな、、)


そう思ったが行かない訳にはいかないので、お店に向かった。

開店の時間になり、お客さんが少しづつ入って来た。リーリエは隠れるように洗い物場の前にいた。


少し時間が経つと、女性から


「食器を片付けてきて」


と言われた。

リーリエは下を向きながらテーブルに向かった。


ヒソヒソ

(魔物の子が来たよ)

(早くいなくなればいいのに)


聞こえてる素振りを見せずに足早に洗い物場に戻った、、、



閉店時間になり、洗い物とお店の床掃除を済ませて家に戻ると夫婦は寝ていた。鍋を覗くと空っぽだった。


「ない、、」


リーリエは悲しそうに笑った。確認が終わるとすぐに洗い物に取り掛かった。終わると静かに部屋に戻り、パンを食べた。夜のパンは昼間のパンよりしょっぱかった。


(お友達が出来れば、こんなに辛い毎日も楽しくなるのかな、、)


そんなことを思いながら、昼間の子供たちの楽しそうに遊んでいる姿を思い浮かべていた。

マイペースで投稿していきますのでよろしくお願いします!

あと、評価もコメントもお待ちしてます!


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