5-2
5-2です。
さくらのピアノ1度は聞いてみたいです。
【さくら視点】
右、左手と分けて練習していく。
片手ずつ練習しても難しい。
…ん?よく見て聞いてみればこの曲…
『弾くのが最も困難な曲』の1つとして有名なやつじゃない?
通りで今まで弾けたことがなかったの?確かに楽譜見るだけで弾く気失せて、まともに練習してこなかったってのが1番あるけど……
今までこの曲を弾いていた精霊は正直母しか知らない。
…なんちゅー曲弾こうとしてたんだ私…。
でも、これを明日皆の前で弾いたら盛り上がるのでは?
ワァァ!ってなるかな?
…よし、やろう。頑張ろう。
右、左がようやく形になってきても、両手になるとすぐ崩れる。両手でようやく形になってきても、いつも同じところで崩れる。そこを練習してようやくスムーズに弾けるようになってきても、今度は違うところで崩れる。そしていつもの所も崩れていく。
そんなことをしていたら、すっかり夜になっていた。夕飯を食べて、お風呂に入って、直ぐにまたここに戻ってきた。
夜は迷惑になるので、防音の魔法をかけてずっと練習した。
深夜にはようやく弾けるようになってきた。強弱も表現の工夫にも意識しながら…。
夜明け前にとうとうマスターする事が出来た。
既に指は炎症を起こしていた。赤い…熱い…上手く力が入らない…。
特に手首の関節は最悪だった。
こういうのは継続的に何日もやるもんなんだろうけど…
私は性格上やると決めたら直ぐにでもマスターしたくなってしまう。
はあ…明日ぶっ倒れ無いように、魔法かけとくか…日の出を見ながら部屋に戻り布団に潜った_。
蘭夜「おっ、おはよー。昨日は1日何してたんだ?」
さく「おはよ……ピアノー」
蘭夜「なんだー俺も呼べよー。聞きたかった」
さく「練習してただけだから」
蘭夜「そうなのか?まあ、また聞かせてくれよ」
さく「うん」
上手く会話が続かないまま私はピアノの部屋に向かった。
最終確認…
…うん。…完璧!
私は満足気に出かける用意をした。
…のは良いものの、ピアノ以外では指がヘロヘロであった。力が入らないしなんか感覚おかしいし…。昔はあんなの日常だったはずなんだけど……もしかして歳?
私はブランの家へ向かった。
ブ「よ!さくら。もうみんな揃ってんぜ」
さく「ごめん…支度遅くなった」
ブ「あのお前が珍しーな。…てか、さくらさ、お前俺ん家来んの何回目だっけ?」
さく「さあ…でも、2、3回くらいしか来たことないかも…」
ブ「だよな?俺も全然さくらんこと呼んだことねーなーって思って」
そんな話をしながら、部屋に案内してもらった。
弾きすぎると本当に腱鞘炎になるので気をつけましょうね。
ブランの家はおっきいです。王宮ほどではありませんが。
ここまでご覧頂きありがとうございました。