3-1
3-1です。
メリークリスマスです
今回の話は、特別なこと一切ない、日々の中の1つの話ですけどもね
【コウ視点】
空を見上げると、雪が降ってきた。
僕は、まだ点灯していない大きなイルミネーションの側に立っている。
辺りを見回すといつも足早に通り過ぎていく精霊たちも、今日はどこか賑やかに楽しそうだ。
それもそのはず、今日は、12月24日。
クリスマスイブだ。
クリスマスは人間界のイベントだけど、人間界で亡くなった幽霊たちのお陰で「クリスマス」というイベントを霊界でもするようになった。
今では精霊たち皆が盛り上がる一大イベントである。
…それにしても、遅いな。
待ち合わせは16:30なのだが…
もう16:25となった…。何か彼女の身にあってはいないか心配で、僕は電話をかける。
コウ「もしもし、さくらちゃん?大丈夫?」
さく『大丈夫だけど、どうして?』
コウ「だ、だってもうすぐ30分!」
さく『え、ちょっと前にも連絡してるはずだけど…』
コウ「そうだけど!見たけど!でも心配で…」
さく『ごめんごめん、もう着くから』
コウ「今どこ?迎えに行く」
さく『いーよ、ほんともう着くから』
コウ「じゃあずっと電話繋げてて」
さく『う、うん。分かった』
そのまま電話を繋げていると、
さく「コウ、心配し過ぎ」
本当にすぐやってきた。
コウ「だってぇ!心配するじゃん!」
さく「いやいや5分前にも電話したよね?」
コウ「でも5分で何があるか分からんもん!」
さく「ん~」
さくらちゃんはそう言って唸ってしまった。
強く言いすぎてしまったかと心配したが、さくらちゃんは直ぐにニカリと笑った。
さく「ま、ありがとね。心配してくれて」
コウ「もちろん!」
さく「……さ、そろそろ暗くなり始めたね」
コウ「イルミネーションは5時に点灯だよ」
さく「うん」
コウ「イルミネーションがさ、綺麗に見えるってので有名な広場あるじゃん?」
さく「あるね~、あーもう早めに行っとく感じ?」
コウ「うん!場所取り。混むと思うからさ」
そう言って公園に向かった。
既に広場には精霊たちがいて、ベンチは全て埋まっていた。
毎年大勢の精霊がここに集まるので、スイーツなどのキッチンカーなんかもやってくる。
さく「ねえ、なんか買わない?」
コウ「レストラン、予約してるんだよ?入るの?」
さく「…………」
めっちゃ迷われていらっしゃる……。
レストランは結構いい所なんだけど…
ここはうん、仕方ないな。
コウ「まあいっか。僕も少しなんか食べよっかな。何欲しいの?買うよ」
さく「あのいちごクレープ」
……結構ガッツリいくな。
思わずクスリと笑う。
コウ「クレープ、大っきいからさ、分けない?」
さく「半分こ?」
コウ「そそ」
さく「おーけー。そーしよ!」
コウ 「買ってきま~す」
作者、○への『名前』というクリスマスプレゼントが間に合いませんでした。
まだ○で申し訳ないです。
半年遅れのクリスマスプレゼント、コウさんに捧げます……
ご覧頂きありがとうございました!