2-1
2-1です。
とある日の兄妹の話です。
【蘭夜視点】
俺の仕事は王としての政務をする事だ。
小さい頃からやっているが、正直面倒臭い。
だからよく仕事の休息時に抜け出して、人間界に遊びに行く。
今日もてふのうるせぇ声で起き…いや、起きてはいるんだ。ただ、布団から出れないだけ。
午前の休息時にお茶を啜っていたらさくらが勢いよく部屋の扉を開き、入ってきた。
さく「今日は意外と少ないのね。昨日は近衛隊の入隊試験の結果が出たというのに…。まだ資料作成が追いついていないのかしら?
はいこれ、終わったやつ。」
らん「おう、サンキュー。あとお前、もうちょっと静かに入ってこれねーのか?」
さく「アンタに言われたくないね」
さくらはそう言って資料等諸々を俺の机に置いた。
俺はさくらが置いた書類に一応目を通した。
…相変わらず、さくらは難しい仕事をばかり引き受けてくれている。俺の仕事を4割、たった午前中だけで仕上げてしまう。
(俺の手際が悪いだけか…)
俺はさくらの方をちらっと見た。
さくらは毎度「ついでだからね?」とか言いながら、俺の書類にざっと目を通し、効率が良くなるように書類を並びえて指示してくれる。
書類は途中で内容がバラバラになってしまっていることも少なくないので非常に助かる。
因みに、てふもざっと書類に目を通してくれるらしく、不審なもの、不備等、俺に届く書類が本当にこれであっているのかの確認をしてくれているのだとか。
一応総務の方でも確認は取らせてはいるが、どのルートからいつどこで何があるか分からないから、2度チェックすることになっている。
さく「…いてる?おい、聞いてる?」
さくらはそう言って俺の顔を覗きこんできた。
さく「さっきかから『いってきます』っていってるのに、返事無しなわけ?」
(こいつ、『いってらっしゃい』と言って欲しいがために頬膨らませてんか…?てか、顔近ぇ…)
いくらさくらが超絶賢く器用なやつであっても、たまに子供らしい姿を見せる。
俺はそれにめっぽう弱かった。
それに俺はもう…
さく「ねえ!聞いてる?!
い・っ・て・き・ま ・す !!」
らん「あぁ、ごめんごめん。ボーとしてたw
いってらっしゃい!!書類もありがとな」
さく「うん!!」
俺がそう言うとさくらはご機嫌で部屋を出ていった。
俺はさくらが部屋から出ていく姿を見ながら、頬ずえをついた。
(熱い…)
指を耳にスライドするとこれもまた熱くなっていた。
俺はどうやらアイツと話す時は頬がやや熱くなるらしい。
ちょ「…蘭夜様?どうされました?そんな呆けた顔されて…」
らん「呆けたって失礼な!!嫌味かw」
ちょ「ふふ…いつも通りですね。さて、仕事に戻りましょう。まずは…」
俺はてふと今日のスケジュールの再確認をし、仕事に戻った。
超絶純粋な恋愛(片思い)が楽しめるのはこの2人のみなので存分に楽しんでください。
過去の漁って少し編集しただけなので、ちょっと見にくいですけど別にいいですよね?うん、まあいいや。