第3話ここは何処?
(*'へ'*) ンー見てくれている人がいるか心配だ
side咲夜
目を覚ますと森でだった。どうやらまだ昼のようだが薄暗く。どこか不気味な森だ。余り長居したくはないと思った。そんなことを考えている間に少しずつ、自分の身に起こったことを思い出し始めた。
(私は確か…温泉宿に行ってその後先輩の車で帰っている途中に…!)
そこまで思い出して周りを見渡す。けれど周りには事故の形跡も車も先輩も何も無い。
(そういえば、私は車の中に居たはずなのにどうして外に?)
もしかしたら先輩が出してくれたのかもという考えも浮かんだが、わざわざ道沿いから離れたところに運ぶとは思えない。それに先輩がそんな非効率なことをするはずがない。じゃあ何故私はこんなところに?色々と思考するが答えは出なかった。
ついには考えることに疲れてしまい、気分転換ついでに周囲の確認をしようと思い立ち上がった。 けれどふらついて倒れてしまう。
どうやら自分では気づいていないだけで体は疲労しているようで、上手く動くことが出来なかった。結局今の自分には何もすることは出来なかった。
どうしたらいいかも分からなかった。自分でどうすることも出来ないのを頭が理解すると体が脱力し、横になった。
一瞬、地面が湿ってたらと思ったがその考えは杞憂だった。
自分はこれからどうなってしまうのだろうか、自力で人がいるところまで行けるのだろうか、もしか、熊に襲われたりして死ぬのだろうか。結局ただまた深く考えるだけで。進展することは無かった。
ただ無駄に時間が過ぎ、少しずつ薄暗かった周りが暗くなっていった。多分もう少しで夜なのだろう。夏だから空の暗さの感覚的に、7時ぐらいだろうか。夏は夜が遅いがさすがに暗くなってきた。
そろそろ動けると思い、立とうとすると立ち上がることが出来た。しかし、立ち上がれたはいいものの、上手く動けずよろけてしまう。けれど、先輩が心配だし、このままここに居ても何も進展しないと思うので、とりあえず、進むことにした。
そうして周りにある気を使いながら少し進むと、後ろから物音がし、何かの気配がした。
「先輩?」
無意識に自分の希望を口にし、振り返ろうとした。けれどそうしようにも体が言うことを聞かなかった。
(振り返っちゃダメだ!)
自分の意思ではなく、本能が後ろにいるのは先輩どころか、人間でも無い何かだと知らして来る。全身は冷や汗をかき、震えている。後ろにいる何かを見たら何もかも終わってしまう。そんな気がしていた。
そんな私の心配にもお構い無しに、後ろの何かは足音を立てながら近づいてくる。
(いやだ!来ないでよ!)
私は泣きながら、姿も知らない、何かに怯えてしまっていた。どうすればいいのか、自分でも分からない。
そしてついに私は何かに肩を掴まれ、後ろに無理やり向かされた。
その時、私の目に映った姿は………
side out
side???
朝に感じた、嫌な予感を確かめるための準備を終えた俺は今、見回りをしている。本当は拠点でくつろぎたいものだが、そうはいかないのが現実というものだ。最近はぐっすり眠れないから疲れが溜まっている。多分ストレスだろう。
そんな現実逃避を考えながら見回りをするが、仕方がないのだ。なんせ見回るところが広すぎるからだ。しかも街並みが統一されていないから面倒だ。
統一されてないとはどういうことかと言うと、たっている建物がバラバラなのだ。そんなこと当たり前だと思うかもしれないがそうじゃない。
確かに一軒家やビルなどが並んで建っていたら統一されてないと言えるが違うのだ。この世界は建っている建物の自体が違うのだ。例えば竪穴式住居や高床式住居、寺
神社、城、一軒家、洋風屋敷、寝殿造りなど色々が一貫性もなく道沿いに並んでいる。ちなみに俺は此処をその建築街と呼んでいる。他にもあるが今は良いだろう。
まだ初めて2時間、半分も終わっていない。このままでは時間がかかりすぎるので急がないくては行けない。しかし焦りは禁物なので、銃を持ちながら警戒しながら進んだ。
いつもよりも少し急ぎ、頑張って見回りをし、合計5時間で終わらすことが出来た。時間がかかったが、いつもよりは早く終わることが出来た。
そして俺は次の目的地である、霊の森に向かうのだった。
1時間後
俺は見回りを開始した。少しして俺は異変に気づいた。
(静かすぎる…)
そう静かすぎるのだ。いつもなら動物型の霊が襲いかかってきてもいいはずなのだ。建築街ですら、1時間に5体は襲ってきたのにだ。動物型は人型の奴らよりも、単純な人間に対する恨みが強く、人間を見るとすぐ襲ってくるはずだ。なのに襲ってくるどころか気配すらもない。これは明らかに以上だ。
そう思った俺はいっそう警戒し、銃を構えながら森の奥に進んだ。
すると地面に黒い液体が見えた。俺はその黒い液体に見覚えがあった。冷や汗が流れた。そしてひとつの可能性も思い浮かんだ。
(こいつがいるということはまさか!)
俺は思い浮かんだ可能性を否定して、帰りたかった。
正直な話、俺は新入りなどどうでもよかった。この世界にいる生きた人間は自分だけで、他にはいない。だから暇つぶしに助けれたら拾うそう思っただけだ、けれどそれが危険なら他人のために動けるほど自分もお人好しじゃない。昔は違ったが今の俺は心が腐ってる。昔みたいに人の幸せのためならという精神はない。
だがそんな俺にこのまま見て見ぬふりをすればこの先絶対に後悔するという予感がある。
理性に従うか、本能に従うかそんなの決まっている。迷った時は本能に従う。それは俺がこの世界で学んだことだからだ。
そして決意を固めた俺は急いで黒い液体の後をおうのだった。