表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

僕の事を好きな彼女と彼女への気持ちを知られたくない僕。

作者: 七瀬







彼女とは? 1年前から付き合いだした。

僕がバイトで働いている仕事場に彼女が新しく入って来る。

初めは、可愛らしい女の子だと思っていた。

でも? 一緒に働くうちに芯のしっかりした女性ひとだと

僕は思うようになる。

可愛いだけじゃなく、真面目で仕事熱心な女の子だった。

僕は、そんな彼女が少し気になるようになった。

彼女に、話しかけたいけど、、、?

僕は、口下手だし彼女に何を話したらいいのか?

よく分からない。

その間、他のバイト仲間の男子が彼女に告白した。



『実は? 明ちゃんの事、俺好きになって、だから俺と付き合って

くれないかな?』

『ごめんなさい、他に好きな男性ひとがいるから、付き合えない。』

『・・・えぇ!? そう、分かった。』





バイト仲間の間でも、その話は直ぐに広がった。



『お前さ~! 何、抜け駆けしてんだよ!』

『普通、好きになったら? 告白するだろう!』

『でも、フラれたんだろう!』

『・・・まあな、』

『なんて、断られたんだよ!』

『他に気になる男がいるんだと、、、!』

『相手が誰だか聞いたのか?』

『そんなの知るかよ! 聞きたくもない!』

『なんだよ! 聞いてないのか?』

『あぁ!』

『次は、オレが明ちゃんに告白しようと思ってたのに...。』

『告白しないの?』

『他に好きな男がいるなら? 告白しても無理だろう。』

『まだ、分かんないじゃん!』

『普通、分かるだろう!』

『一か八か? 明ちゃんに告白してみれば?』

『・・・・・・』

『ダメでも、気持ちはスッキリするぞ。』

『・・・うーん、まあな!』






・・・バイト先で、そんな会話をしていた。

僕もその輪の中にいたのだけど、会話には入れなかった。

次は、もう一人のバイト仲間が、明ちゃんに告白する。

僕のドキドキは止まらなかった。

もし? 明ちゃんの好きな奴が、そいつなら。

僕は、告白せずに僕の恋は終わってしまうからだ。

それでも、アイツより先に明ちゃんに告白する勇気もない。

僕は、その日一睡もできなかった。

僕が、眠れない夜を過ごしている間に、アイツは明ちゃんに

告白をしていた。




『ごめんね、呼び出したりなんかして。』

『・・・ううん、別にいいけど? 私に話って何?』

『オレさ~前から明ちゃんの事が好きだったんだ! オレでよければ

付き合ってほしいんだけど、、、。』

『ごめんね、私! 他に好きな男性ひとがいるの、ごめんなさい!』

『その、明ちゃんの好きな相手って? 誰?』

『それは、言えないの! ごめんね、でもありがとう。』

『・・・ううん。』






・・・また、バイト先で明ちゃんに告白した話をしている。

僕は、ゆっくりと近づいて聞いていた。



『はぁ~明ちゃんの好きな奴って? 一体、誰んだよー!』

『えぇ!? 聞いてないの?』

『フラれて、誰だか聞ける勇気ねえーよ!』

『・・・・・・』

『オレ、もう無理! 他の女の子の事なんか好きになれないよ。』

『まあまあ、そういうなって! 今日は付き合ってやるから~』

『マジで! 今日は付き合ってやるから飲むか!』

『よし! 飲もうー!』





二人も、明ちゃんに告白して撃沈。

一体、誰が明ちゃんは好きなのか、、、?

そんな時、明ちゃんの方から僕に話しかけてくれた。



『・・・白田さん!』

『・・・・・・』

『今日は、一人ですか?』

『・・・ううん。』

『一緒に帰りませんか?』

『・・・えぇ!? あぁ、僕でいいの?』

『はい!』

『明ちゃんって? 好きな奴がいるんでしょ!』

『伊東君に聞いたんですか?』

『・・・まあ、ううん、』

『私が好きなのは、“白田さんですよ。”』

『・・・えぇ!?』

『知らなかったんですか?』

『・・・あぁ、ううん、』

『やっぱり、鈍感な人ですよね、白田さんって!』

『・・・別に、鈍感じゃないよ。』

『じゃあ、私が白田さんの事! “一目惚れ”だった事も

知ってました?』

『・・・・・・』

『やっぱり、鈍感じゃないですか!』

『・・・ごめん、』

『それは、どっちの“ごめん”ですか? 私の事が好きじゃない

ごめねんか? 鈍感だから気づいてなかったのごめんか?』

『・・・鈍感だからの方だよ。』

『良かった、好きじゃない方じゃないんですね。』

『・・・・・・あぁ、』





明ちゃんは、キラキラした顔で僕に笑いかけた。

僕も実は、ホッとしていた。

僕の事を、好きになってくれて。

鈍感だったから、気づかなくて。

僕も、明ちゃんの事が好きだから!

でも今は、明ちゃんに僕の気持ちを言わないでおこう。

彼女が、僕の事を好きだという真実を楽しみたいから。

僕の気持ちも明ちゃんに、ずっと前から向いているよ。

それは! “今は内緒”だけどね。





最後までお読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ