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君の掃除機




あなたがひどいことを言った。


私に向けて、遠慮なしに。


よし! 私はちゃんと受け止めるよ!


君は意味もなく、人を傷つけないって知ってるから。



君だけ傷ついて、私は無傷なんてフェアじゃないでしょ?

良いことも、悪いことも。なるべく、一緒に。



言うだけ言って、スッキリしたのかな?


君はいつも通り、申し訳なさそうな顔をして。


私をギュッと、抱き締めてくれる。


それだけで、私は幸せなんだよ。何度も耳元でごめんと言われても、逆に困るんです。


君のギュッ、はですね。どうやら私にとって必要不可欠なものになってるようなので。



・・・強がることは出来てもさ。本当に強い人は、きっと少ないから。でもさ、弱くてもいいよね?


私は弱いおかげで、君のそばがこんなにも愛おしいと思えてるから。


私は、君の掃除機だ。嫌なこと、なんでも吸い込んであげる。だから代わりに、大事にしてください。

君が大事にしてくれるなら。私はいつまでも、君が綺麗なままでいれるようにしてあげる。






『今日、大切な話がある』


一瞬、ドキッとしたんだ。悪い意味で。


『悪いことじゃないから! とっても大切な話だから!』


別の意味で、ドキッとした。良い意味で。




・・・・ 今日は、奮発してみよっかなって。


きっと、そういう話だよね? だから、美味しい料理をふるまおうかなって。

お祝いってことで・・・ いいんだよね? 顔がにやつくのは、仕方ないよ。



 ・・・子供がね。引かれそうだったの。


ごめんね、せっかく美味しい料理作ろうとしたんだけど。ぐちゃぐちゃになったかなぁ?

でもね、その子は大丈夫だと思うから安心して?

君みたいに、ギュッ!ってしてあげたから。きっと、大丈夫だよね。







ごめんね? ・・・声が、出ないんだよね。


いっぱい、いっぱい。話したいのに・・・



あ・・・ 泣かないで。大丈夫、大丈夫だよ。


ちょっとだけ、ちょっとだけ休んだら。







いつもみたいに。君の嫌なこと、全部受け止めるから。


だから、ね?



いつもみたいに、優しく抱き締めてね。











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