ヒロインパズル第六章【今、手が届く所にあるものを救ってあげたい】
最近意味のわからんタイトルばっかですみません。今回の投稿は結構朝早くに起きて、書き上げた小説です。そのおかげで眠気が飛びました!そんなのどうでもいいですよね。前の第五章で三万文字がやっこ超えました。これでも40×34では50ページぐらいでした。結構つらい。【あらすじ】隼がだんだんとひどくなる中、春は電車に乗って隼の父の実家(隼が居る場所)に向かっていた。実家は春と入れ替わりで、隼の父のご両親が隼の妹の面倒を見に行った。春は実家に到着し、隼が部屋から出てくるのを待った。それから、隼との再開を春は隼を助けられるか!?
【今、手が届く所にあるものを救ってあげたい】第六章
今、私は電車の中に居る。
私は電車に乗っている時、ずっと何を言おうか考えていた。
「こんな私でも、説得できるかな?」
私は今、昔に会っていたことを隼君は知らない、彼にとって私は彼女(仮)だから、彼を説
得で出来るかわからない。
けど、やれるところまでやって見せる!
私が色々な事を考えていると、電車が駅に着いた。
一応、隼君の父親の実家には隼君のお母さんに連絡は取っておいてもらった。
それに、隼君はこの事知らないし、隼君の父親のご両親は今、雪ちゃんの面倒を見るため
に家を出てるところ、それに合わせて私が隼君の所に行く。
こんな感じかな、って駅のホームにとどまってなに考えているんだろう、さっさと行くか。
私は駅のホームを出て、隼君の居る場所に向かった。
「待っていてね、隼君」
私は歩いて、隼君の居る実家に行った。
そして、到着。
私はここに来る前、お母さんからこの家の鍵を貸してもらっていた。
場所は隼君のお母さんからメールで送ってくれた。
そして、鍵を開けて家に入った。
私は小声で、
「お邪魔しまーす」
玄関に入り、隼君の靴があることを確認した。
今がチャンスか、部屋から出てくるのを待つかな、
「うん、そうしよう」
私は隼君が部屋から出てくるのを待つことにした。
そして、リビングに入り、机に座った。
窓を見ると、空は黒に染まっていた。
「夜かぁ・・・・」
私はそうつぶやいた。
今日はここに泊まらせてもらおう。
私がそう思った刹那、
「な、なんで居るの?」
隼が、ドアの前に居た。
その姿は凄く酷かった。
「どうしたの?」
目の下にクマが出来ていて、体は猫背になっていたり、とにかく酷くなっていた。
「いや、なんでもない」
隼はそう言って、部屋に帰ろうとした瞬間。
「部屋に帰ろうとしないでよ!私は隼君を連れ戻しに来たの」
僕はその言葉を聴いたが、何も思わなかった。
「そんなの、僕には関係ない。今日はここに居ていいけど、明日にはもう帰ってくれ」
僕はそういい残して、階段まで行った。
「そうやって、何度も逃げようとするのやめたら、かっこ悪いよ」
僕はその言葉を聴いた瞬間、体が動かなくなった。
だって、言っている通りだし。何も言い返せない。
「いいじゃねーか、それも人の勝手なんだから」
そう行った刹那、春の様子がおかしかった。
下を向いて、ぐっと手を握り締めていた。そして、
「そんなに逃げて恥ずかしいと思わないの?そうやって啖呵切って逃げてばっかりで周り
に迷惑をかけていると思わないの?思わないならそんな人は―」
僕はこの時、川の流れのように過去の事が流れ込んで来た。
だって、この続きに予想される台詞は、僕があの時に言った台詞だ。それは・・・。
「男子のセンスナッシングだよ!」
(男子のセンスナッシングだよ!)
自分が言っていたことを、次は春から言われてしまった。
「誰からその言葉を聞いたの?」
「小学6年の頃、私とあなたは出会っていた。あの言葉は、私を助けるために言ってくれ
たんだよね」
春は涙を零した。
僕はその姿を見ると苦しく、僕まで泣きそうになった。
この子はあの時の、
「改めて私の名前は音咲春、よろしくね」
僕は昔の事を全て思い出した。
あの本を持っていたことも全てつながった。
僕は思わず涙を零した。
「ごめんね、あの時にお礼をいえなくてごめんね」
「本当に、早すぎるよ、僕の物語の速度がぁ・・・・」
僕は階段に座り、手を組んで顔を隠した。
僕はあの頃の女の子の名前を覚えてるとかみんなに言っていたが、それは少し違う。本当
は一つの漢字しか覚えていなかった。
春。これだけ覚えていた。入学式の時、春兎名乗った彼女の事を僕は偶然に同じだと思っ
ていた。
「どうしたの?」
春は顔を傾げる。
「だっ大丈夫」
僕は本当に軽い人間だ。少し言われてこんなに変わってしまうなんて。
そして、春がゆっくりと僕の隣に座り、やさしく抱いてくれた。
「あっありがとう」
僕は、新人賞に落選して何度も現実から逃げようとしていた。逃げられるものなら逃げた
いとも思った。
だけど僕は逃げようにも逃げ場所を失っていた。後戻りも出来ない部屋に閉じ込められた
ような気分だった。
だけど、その部屋に一つのドアを作って、この場から出そうとしてくれる人がいた。
「ありがとう、僕を救ってくれて」
隼は涙を零しながら言った。
僕は情けない、女の子に助けてもらうなんて。けど、助けてもらわないと僕はずっとこの
ままだったのだろう。
「こんな私を変えてくれたのはあなた。隼君だよ」
「僕は何もしていないよ。ただ、君を苦しめただけだよ」
隼は涙を次々と零す。
「いいえ、苦しめられてなんかいない。逆にいままでの苦しみの鎖をどこかにやってくれ
たのは隼君だよ」
僕が何を・・・。
「あの小説を交換した日。私は友達がいたけど、つまらなかった。他人の悪口を言って楽
しんでいる人達ばっかりだった。その話の中にあなたが出てきた。色々と酷く言われてい
たから、私大否定してしまったよ」
そして、僕は・・・。
「どうして」
そして、春は。
「今も変わらない答えだよ。あなたが好きだったから。だから、これからは私から離れな
いでください。もう遠くに行かないでください!」
春はそう言い涙を零し、握った手の力を強めた。
「本当に・・・どれだけ僕を困らせたあなたは・・・」
隼は泣きながらそう言う。
「困らせているのはあなたでしょ」
春も同じ様な状況で言う。
「そうだね・・・。本当にありがとう」
僕も春の握られた手を握り返す。
「こちらこそ」
僕少しの間泣いた。
そのおかげか、体がすっとしたような気分だった。体に乗っていた重荷も取れたような気
がする。そして、僕と春は父親の実家を出た。
そして、帰る電車に乗るため、今駅のホームに居る。
「隼くん、一つ言い忘れていた事があったの」
春が下を向いていた。
「なに?」
「実は隼君のお母さんがこないだ倒れて救急車で病院に運ばれたの」
僕はこの時、頭が真っ白になった。まるで、雪のように。
「え、それはどういうこと?」
僕の呼吸が荒くなってきた。
「私にもよくわからないの、帰るついでに寄っていく?」
僕は下を向きながらうなずいた。
この時、僕の耳には、春の声と通り過ぎていく電車の音だけだった。
その後僕は、病院に行った。
けど、それが僕の心をまた傷つけてしまった。
母親の余命宣告が出された。余命一年。
僕は家に帰ってから、妹に抱きつきながら泣いた。
「ごめん、ごめん、僕がしっかりしていたらこんな事に」
妹が僕の胸に顔をうずめながら、
「お兄ちゃんのせいじゃない!これは病気のせいだよ、だから・・・お兄ちゃんのせいじ
ゃない!」
妹は大粒の涙を流しながら、そう言い張った。
そして、春が僕の背中に身を寄せた。
「自分を責めないで」
結局僕はこの日、二回も泣いた。そして、余命宣告の事は言えなかった。
それから、妹と泣きあった今日の日、僕は心に誓った。
この誓いは絶対果たそうと思う。
妹を自立するまで、僕が見る。それに僕は新人賞を取って見せる。そして・・・・・
僕はヒロインパズルを完成させる。
それから数日、僕と妹は母親のお見舞いに行った。
母親には今まで合った事を話したり、小学6年のあの少女との再開のこととかも話した。
母はニコッと笑いながら、聞いてくれていた。
それから最後、母は涙を零した。そんな、母親が泣いたらこっちまで。
僕は、母が寝ているベットの横にある椅子に座りながら、泣いた。
そして、僕はこう言った。
「妹の事は任せて」
僕はこれしか言えなかった。
けど、母親との思い出作りはまだ終ってない、この病室でいろんな思い出を作っていけば
いい。病院の先生も手伝ってくれるらしい。
できる限り、僕はやりたいと思う。
この、365日という、短くて、長いような期間で。
後は、学校かな。
部活動にも迷惑をかけてしまったから、謝りに行かないと。
それから隼君は学校に来るようになり、部活にも顔を出し、みんなに謝った。
それから、活動が開始し、いつもどうりの制作始まった。
長い休みの分、取り戻さないと。
これで僕の作品、ヒロインパズルの制作が開始した。僕の物語の第七章も一緒に。
「これから、作っていけばいいか」
僕は雲ひとつ無い空を見上げ、そうつぶやいた。
「一人で何言っているの?」
春がそう言った。
「いや、なんでもない」
「何恥ずかしがっているのぉ~」
「いや別に。けど、これからが楽しみだなと思って」
春も僕と同じ方向を見た。
「そうだね、これからだよね」
僕は春の手を取り、空を見上げた。
「これから、これから楽しまないとな」
「うん、そうだよ!これからだよ!」
これから、これから作っていけばいいか、僕のラブコメと青春を。
「そろそろ戻るか、部室に」
「そうだね」
こうして、止まっていた僕の物語はゆっくりと再スタートを切った。
もう、あらすじからものすごくだめですね、隼も軽いですね。まぁ、こんな主人公も悪くないですね。
お知らせ この作品の見直しをいつかしますので、見直しの期間は投稿が出来ません、ご慮称ください。
見直しをする時はツイッターでお知らせします。見直しは七章を出してからになります。
今回もご視聴ありがとうございました。次話は七章ですね、ラッキーセブン!これを投稿した時(第六章)は七章のタイトルを考えている途中です。少し時間がかかりますが、これからもよろしくお願いします。