表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

捩レ飴細工

作者: 瀬川潮

 洋館の地下室には、さらに地下への階段があった。雑誌記者の俺は、「やり方に口出し無用」の条件で案内を引き受けてもらった国籍不明の男と、彼が連れている少女とともに進んだ。少女は黒髪だが、男は「日本人ではないので安心しろ」という。意味が分からない。「カナリアさ」とも。彼女のふびんな雰囲気に情が移る。妹に似ているからか。

「なんだ、こりゃ」

 やがて広間に出たとき、俺はカンテラに照らされた光景に目をむいた。

 薄暗い中、柱や壁が光沢を帯びたガラス質の物体に変化しひどく捩れていたのだ。横方向はともかく部分的な縦方向の捩れは、なんだ? いずれも形が違いずらりと並ぶ。

「ネェイジル・アムジィルク・フェノメノン」

 男の言葉はそう聞こえた。

「これがメイヤーズ・ハウスやスレイド・ホールなどとは違うところさ」

 そう説明した時、少女が悲鳴を上げた。半透明になりぐにゃりと横に縦にと捩れはじめた。

「来た! 逃げろ」

 叫び遁走する男を慌てて追う。

 振り返ると少女は無気味にひとり踊っていた。


 後で知ったが、やや霊感の強い者は避雷針の代わりになるそうだ。妹がこうなった理由は分かった。あの少女もあのままで、生きているのだろう。



   おしまい

 ふらっと、瀨川です。


 他サイトのタイトル競作に瀨川潮♭名義で出展した旧作品です。やや改稿しています。

 なかなかしんどいタイトルだったような記憶があります。

 特に「レ」をどうするか。

 あまり気にする必要ないかな、とか思いつつも翻訳という形で処理しました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ