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20話を投稿します。

そんなこんなで話をしていくと、俺の持っているステータスがどのようなものなのかが分かってきた。

名前や年齢は置いておいて、まずは魔力については三つに分けられるらしい。

一つ目は最大魔力量。

これは体内にある最大の魔力の量を表しているらしい。

二つ目は内魔力。

これは身体強化など、自己魔法を使うときに一度に使用できる魔力のことらしい。

値が大きければそれだけ魔法の効果も上がるらしい。

三つ目は外魔力。

これは相手に向けて使う攻撃魔法や、補助などに使う共通魔法を使うときに一度に使用できる魔力のことらしい。

これも内魔力と同じく、値が大きいほど魔法の上がる。


大体内魔力が高い人は直接剣などで戦う戦闘職の人が多く、外魔力が高い人は魔法使いなどの魔法職の人が多いらしい。

この魔力の値は大雑把に表されているらしく、しかも使っていても回復していくため、今実際に自分の中にどのくらいの魔力が残っているかは経験で判断するしかないらしい。

この内魔力や外魔力に似たような概念は俺たち冒険者の中にもあった。


今度はスキルについての説明を受けた。

まず、剣術や体術はだいたい剣を使っている冒険者なら持っているスキルだそうだ。

横にある()の中の数字は習得度で、1~9で、9の次に(*)があり、9になるとどこの国に行っても右に出るものはほとんどいないであろう達人級の使い手で、(*)は強さという指標では表せないというレベルらしい。

俺は半分にも届いてないらしかった……。

しかし、この数字はだいたいの指標であるため、小さい数字の人が大きい数字の人を倒すということもあるそうだ。

ただ、2つ以上離れている場合、他のスキルがなければそんなことはまず起こらないらしいが。


自動翻訳は人間の言葉であろうが、魔族の言葉であろうがすべての言葉が聞き取れるし、話すことが出来るらしい。

非常に便利なスキルだった。

魔王曰くこのスキルは糞神に貰ったものらしい。

ちなみになんでウルメスとミーアの会話が成立しているかであるが、単にウルメスが人族の言葉を話しているからであった。

凄い奴なのか、駄目な奴なのかはっきりして欲しいところだ。


最後に、適正は努力をすれば、どのようなスキルも魔法も習得可能になるスキルらしい。

これも糞神のプレゼントの可能性が高いが、俺が強くなるために一番必要なスキルだと思った。


ステータスも糞神から貰ったものだとすれば、俺は3つもスキルを貰ったことになる。


「なあ、その糞神って奴は誰にでもスキルを与えるのか?」


俺が気になったことを聞いてみた。


「いや、俺のような転移者は別だろうが、この世界の人間にスキルを与えることはほとんどないんじゃないか。もし与えていたらこの世界にスキルってものがもっと浸透していてもいいはずだからな。」


確かにそうだな。

このことを人間が知っていれば、優れたスキルを持つ者を優遇するだろう。


「ちなみに魔族はスキルを知っているぞ。」


「は?なんでだ?」


「まあ、俺が教えたからだな。魔族の奴らのスキルを片っ端から見て、それを教えて行ったんだ。途中ステータスのスキルを持った奴がいたから、今はそいつに任せているけどな。」


「そんなことして大丈夫だったのか?優れた奴と優れていない奴で差が出来てしまうだろう?」


「まあ、それも危惧したさ。けど自分の優れた能力を知り、その能力が活かせる仕事をすれば、仕事の効率は大きく上がる。それによって生活はより良くなっていくんだ。しかも、基本魔族は力比べは大好きだが差別なんてほとんどしない。元々姿形が違う者たちが手を取り合って生きてきた国だから、階級こそあれど、優れてるとか優れてないとか、そんな差は小さいものなんだろうよ。あと、もし優れた能力を持っていなくても、努力することによってスキルは手に入るから問題はないはずだ。一応法律も作ったし……。」


そうなのか?

魔王の話を聞く限り、魔族という者たちは俺のイメージとは全く違っていた。

人族には階級によって大きな差が存在する。

弱きものは虐げられ、強きものが得をする。

もし魔族が魔王の言った通りなのだとしたら、人族は魔族よりもよっぽど野蛮なのかもしれない。


「ちなみにウォルス、俺に向かってステータスを使ってみろ。」


「ステータス。……何だこれは?」


********************

??? ? ?


最大魔力量?

内魔力? 外魔力?


スキル

???

********************


「見えないだろ。ステータスっていうスキルは相当な格上の奴のものを見ることは出来ないんだ。」


本当に何も見えない。

だが、こいつはそれを自慢したいのか?


「別に自慢したいわけじゃない。俺の力は所詮糞神から貰ったものばかりだからな。もともとこれは自分の力じゃないし。だからそんな目で俺を見ないでくれ。」


俺の目付きで察したのか、魔王は悲しそうな目で弁解した。


「ちなみにこのウルメスは何ももらってないですけど、あなたより強いです。」


「うおっ?」


いつの間にか玉座で寝ていたウルメスは俺の後ろに回り込んでいた。

ふっふん、と無表情で胸を張りこっちを見てくる。

全く気付かなかった。


「ステータス。」


せっかくなのでスキルを見させてもらう。


********************

ウ???  ? ?


最大魔力量?

内魔力? 外魔力?


スキル

???

********************


……名前の最初しかわからなかった。


「いやん、エッチ。」


全くの無表情でそんなことを言うウルメス。


「むぅぅ~。」


いや、ミーア、俺を睨まないでくれ。





大体の話が終わったところで解散することとなった。

何故かというとミーアが眠そうだったからだ。

あと再びウルメスは玉座で寝ていた。


「なあ、ちょっと飲まないか。」


ミーアを部屋まで送り、俺も自分の部屋に帰ろうとすると、魔王が声をかけてきた。


「いいぞ。」


俺はそう答え、魔王に促されるまま着いて行った。


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