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11話投稿です。徐々にお気に入りの数も増えてきていて嬉しいです。

あと、やっぱり話ごとのサブタイトルも考えた方がいいですかね?

次の日の朝、またしても美味しい朝食を頂いた後、クエストを受注するためにギルドへ向かった。

アサイのギルドはオオルリのギルドと比べると、少し大きかった。

たぶん近くの森には魔物が大きいため、冒険者の人数が多いからだろう。


「なにがいいですかねー?」


ミーアが掲示板を見ながら話しかけてくる。

栄養のある食事をとったからか、いつもの5割増しでアホ毛が元気に見えた。


「なかなかの弾力だ……。」


思わず手の平でポヨンポヨンしてしまった。


「あ、いきなりなにするんですかぁ?」


「ああ、すまん。」


文章だけを見ているとかなり怪しい状況である。


「そうだな……。」


改めて真面目に掲示板を見る。

このギルドのクエストは多くが近くにある森での討伐であった。

しかし、それを考慮してもクエストの数が多すぎる気がした。


「なあ?ここはいつもこんなにクエストが多いのか?」


疑問に思い受付の女性に話しかける。


「いえ、普段はこの半分もありません。しかし、最近コーザの森にバッシュボアが大量発生してしまい、Cランク以下の冒険者から死傷者が出てしまったのでクエストに行かせられないのです。なので今はBランク以上の方に優先的にこのクエストを受けて貰って数を減らしてもらっているところです。しかし、Bランク以上の冒険者は少ないのが現状です。」


バッシュボアはCランクの魔物である。

基本的に単体で行動するが、同時に2匹以上に出会ってしまったら、Cランク冒険者のパーティーでは荷が重いだろう。


「数はどのくらいだと予想されているんだ?」


「え?えっと、200から300匹以上はいると思われます。」


200から300匹と言われても大したことのない数だと思うが、普段バッシュボアはもっと森の奥の方に生息する魔物なので、町近辺の森に出現する数としたらかなり多かった。


「わかった。じゃあバッシュボアの討伐を受注しよう。」


「あの現在バッシュボアはBランク以上の方のみとなっておりますので……。」


受付さんは困ったようにこちらを見てきた。


「ああ、これで問題ないだろ?」


そう言って俺とミーアのギルドカードを提示した。


「AとBランク……?し、失礼しましたぁ。すぐに手続きさせてもらいます。」


受付さんは慌てて奥の方へと消えて行った。

俺とミーアが低ランクだと思われることは多々ある。

しかしそれは仕方のないことなのかもしれない。

14歳になると冒険者になることが出来るのだが、基本的にそんなに早く冒険者になろうとする人はいない。

だいたい18歳、つまり今の俺の年齢と同じ位の人が冒険者となるのだ。

よって俺と同じの年周りの人はほとんど初心者の冒険者だと思われている。

そう考えると、16歳にしてBランクであるミーアや、18歳でSランクのユイナなどの異常性がわかるだろう。



手続きが終了し、ギルドの外へ出ようとすると、いきなり目の前に大男が立ちふさがった。


「おいおい、こんなガキがギルドに何の用だぁ?ここはガキの子守をするところじゃないんだぜ?」


目の前の男はにやにやしながら話しかけてきた。大きな身振り手振りでそんなことを言われ、イラっとした。


「お前には関係ないだろう。それに俺達は冒険者だ。」


「そんなちっこい御嬢さんと、けつの青さも抜けてないようなガキが冒険者だと?おいおい、笑わせるなよ。」


「ちっこいいうな!!」


ミーアが怒っている。口調もいつもと違った。


「別にお前が気にすることでもないだろうが。邪魔だそこをどけ。」


俺の口調も荒くなってしまった。


「んだと、生意気な小僧だな。通りたければ勝手に通ればいいじゃねーか。ほれ、通ってみ?」


大男は扉の前でわざと大きく手を広げたまま、笑みを浮かげている。


「わかったよ。」


それはそれだけ言うと、男に向かって拳を振るった。


――バチーン


皮膚が弾ける大きな音が鳴った。

俺の前では拳を片手で受け止める大男がいた。


「……っ、なかなかやるじゃねえか。名前とランクを言ってみな。」


「……Aランクのウォルスだ。」


言わないという手もあったが、面倒くさいので素直に言う。


「ほう、そういうことか、ガキ扱いして悪かったな。俺はAランクのガジカだ。よろしく頼むぜ小僧。」


「小僧じゃない、ウォルスだ。」


俺がそう返した時には、ガジカは手をこちらに向かって右手をひらひらと振りながら、扉を開けて出ていくところだった。

「なんだったんだ。」


去っていく大男を見ながらそんな言葉が漏れた。


「大丈夫でしたか?」


ガジカがいなくなるとさっきの受付さんがこちらへ走り寄ってくる。


「大丈夫だ、問題はない。だがあのおっさんはなんだ?」


「この町の冒険者で一番ランクの高い人です。さっきみたいにああやって初心者に見える若者にちょっかいをかけるんですよ。そのせいで若者いびりのガジカとか言われていますけど、本当は初心者の人が怪我をしない様に実力を見ているんです。実力が足りていない人にはクエストを受けさせないでしごいてみたりとか、皆が怪我をしない様にいろいろしてる人です。今、森のバッシュボアを討伐しているのもほとんど彼ですよ。」


受付の人はそう言って少し顔を赤らめた。


「そうか、でお姉さんはそのガジカが好きなのか。」


「そうなんです……、って違いますよぉっ!!」


今度は真っ赤になって大声を出す受付さんを横目で見ながら、俺とミーアはギルドを出て行った。





その後の俺とミーアの会話。


「ウォルスさんて人の好きな人に気付くのは早いですよね。」


「まあな、皆からお前は鋭いなって、よく言われる。」


「この鈍感野郎!!」


「え、なんで?」


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