表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

彼と彼女の短編シリーズ

意識の果てに~彼女の思考~

作者: 紅月

 一人でぼーっとしているとむくむくと膨れ上がってくる思考がある。

 それは毎度同じことなのだけれど、結論が出ないから何度も何度も何度も何度も、考えてしまう。


 私はどこまで「私」でいられるのだろうかと。


 いつ死んでもおかしくないと言われている(私自信はそんなつもりは微塵もないが)私の体。そんな体だったせいか、年齢にして小学校の高学年の頃には馬鹿のようにそんなことを考えていた。

 私は輪廻転生というものを信じている。否、夢を見ているといった方が正しいのだと思う。

 とにかく、死ねば魂は輪廻を巡り、新しい肉体を持って生まれ変わるという。肉体は朽ちるから新しいものが必要になるだろう。

 では、その意識は?

 魂によって生まれるのか、肉体が形成するのかわからないからこそ気になる。

 もしも、魂によって生まれるものならば意識も輪廻を巡るのだろうか。はたまた、肉体と共に朽ちてしまうのか。


 そんなことを考えながら私の意識は深いところへ潜っていく。


 どうなるのか、と考えながら私の中では一つの考えが確固たる形で存在している。

 死は眠りだという。

 死を隣にして死なない私にとっては死は冗談でしかないのだけれど、意識についてはそう考えることができた。

 意識は眠るのだと。

 眠りは意識の上では一瞬。


 つまり死んだら(眠った)「私」はまた「別の誰か()」として目覚めることができるのだと。

 その光景を想像する。しばらくすると「私」の意識が、意識の境界があやふやになったような感じがしてくる。

 そこまでくるといつも強制的に戻されてしまう。

 何がそうさせるのかは分からない。ひょっとしたら私の意識が溶けて消えることを拒んだ本能的なものだろうか。

 ふと窓の外を見れば、日がかなり傾いてきていた。時計を見れば四時半を過ぎていた。

 今日は彼が来るはず。

 昨日の夜にパソコンの方に連絡が来ていたから、それは間違いないだろう。

 しかも兎の夜(うのや)のロールケーキを持ってきてくれるのだ。今から楽しみで仕方がない。

 今日は彼とこの事について話そう。

 こんな話を真面目に聞いてくれて、きちんと返事をしてくれる私の貴重な、友人かはよくわからない知り合い。

 さあ、彼を迎える準備をしよう。使い捨ての紙皿と紙コップはある。冷蔵庫にはお茶もある。

 特にやることがなかった。

どうでもいいあとがき。


この短編を読んでくださってありがとうございます。

自分にとっての考えです。

死んだら、と考える分には若すぎるのかもしれませんが、実際にこんなことを考えています。

どうしても『死=意識の停止』にはならないんですね。

彼女とは死の概念は違いますが、意識の考え方は被らせました。

なんか、つい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ