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平凡な学校生活で吐いた独り言

作者: 暮葉畏啓
掲載日:2026/05/29

朝はやることが特になくさらに私は早寝早起きの申し子なので、登校も自ずと早くなる。朝学活が始まる15分前には既に教室に到着し、そんな静謐な教室で私は決まって何かをする。


端の席なので隣には大きな窓がある。窓からグラウンドと池が見えるそんな場所で私は物理の授業を受けていた。

もう少しちゃんとした本文を書きたい。私は今タブレットに顔を合わせていた。けれど真に向き合ってるのは過去の自分。中学の頃の自分だった。

始まりはどうしようか。なんとも言えない。だから昔かいた下書きの冒頭をそのまま利用した。意味不明な文章になっているかもしれない。でも、別にこれはちゃんとした物語でも冒険活劇でもない。ただの独白で、ただの小話だ。閑話休題。誰かの暇つぶし。そして私の暇つぶし。


だから無機的で良い。そう言い訳を書く。本文に書く。気づけば物理の授業は終わって、私はトイレに行き、そして教室へ戻り休憩の時間は終わり、別の先生がやってくる。そうして予鈴がなり地理の授業が始まる。


私は一番後ろの窓側の席に座っている。だから顔を横に向ければ授業の喧騒から外れてどこか遠くの変わらない景色を見ることができる。私は生まれてから一度も引っ越しをせず西宮という準都会で暮らしてきた。別にお金持ちでもなんでもない。でも親は勉強にだけは熱心で問題集を買い与えてくれた。小さい頃から勉強は嫌いではなかった。だから高校受験はまぁまぁ良いところに合格できた。


それで高校になって少しは自由になった。

色んなことを知った。主に流行りのものじゃないけれど。親がもともと流行りを気にしていなかったから。きていた服はニトリで買える服だったし、私も気にならなかった。

だから簡単に、好きで動けた。アニメや漫画を知った。色んな世界があることを知った。色んな思いを抱えて、感動した。

でも高校は偏差値が高いから、私には合わなかった。秀才が多かった。半分の生徒の親が研究者だった。資金があって、豊かであった。それに気づいたのは高一の夏明けだった。私が高一の夏に家と部活を往復していただけの間、留学していた子がいたのだ。そのビデオを見せられた。


少しの嫌悪が走った。

見せつけて何が良いのか分からない。


金持ちの子供は金持ちになる?当たり前だ。

将棋盤のない子と、天童将棋駒と専属の顧問がいる子とでは上手くなる差が決まっている。情報量の差は致命的だ。

だから私は失望した。


つまらなかった。

でも、それでも独学で高校には合格した。親は文系で学歴を必要とせず生きてこれた。だからプレッシャーはない。けれどその高校に入っていればその高校の先生に期待される。同じ中学の仲間にどう見られていたか。


だから高三の私は勉強をする。勉強を今も今朝も明日もしている。それは不幸だ。でも、いるべきはずの場所にいないから不幸になるのか?それなら本当に金持ちは金持ちになり、そうでないものはそうでないものになる。

夢も希望もないじゃないか。


そんなに人は変わるものだろうか。生まれは同じで、人はよく忘れる。結局その人の根本が変わることはない。みんな同じ人間だ。

それほどまでに変わるだろうか。


分からない。答えは不明だ。だって今の私が特別その高校で活躍しているわけでもないからだ。どちらかというと孤独だ。それならばやはり私と周りの豊かな同い年は別の存在なのだろうか。


それを決めつけるのはいささか問題がありそうに直感で感じる。

今私は地理の授業を受けている。黒板には正しい世界の情報が書かれている。それを見る同級生の目は慧眼だ。

けれど私は黒板を見ていない。視力が悪いから。だから隣の景色を見る。


新池が見える。ハルヒの聖地だ。

空には雲が流れている。そこに私は翼人を見る。大きな翼をはためかせて自由に空を泳ぐ彼女の後ろ姿を。


それは嘘ではない。見えるものは見える。感じるものは感じる。


私は静かに頬杖を突く。

この教室の誰にも想像し得ない世界で生きる私。

私には想像できない毎日を送っている彼ら。

その違いは破滅的だ。

けれどそれがどうというのだろう。

外に広がる世界は皆が一様だ。私が生まれてから特に何も変わっていない。

そこに私がいても彼らがいてもなんら違いはない。

私が何を見て生きても、何を基準に生きても良い。


私は外の世界を見続ける。これがあと半年でできなくなることをうっすら覚悟して。

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