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③完壁な地獄~欺瞞で築かれた理想の家庭、血の絆が繋ぐ終身刑~  作者: MCdragon


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最終章:沈黙の牢獄

修は、静かに玄関のドアを閉め、外に出た。

夜の街を彷徨いながら、彼は悟った。

自分にできることは、この「幸福な家庭」という名の地獄を、最後まで演じ続けることだけなのだと。

数ヶ月後、元気な男の子が生まれた。

名前は康夫が付けた。

「一真」。

修は、その子が自分に全く似ていないことを知りながら、誰よりも大きな声で喜び、誰よりも熱心にその子を抱き上げた。

病院の特別室。

赤ん坊を抱く修。

その横で満足げに微笑む康夫。

そして、虚ろな瞳で二人を見つめる瑠美。

一見、どこにでもある幸せな家族の風景。

しかし、その実態は、一人の支配者と、魂を売った女、そして全てを知りながら沈黙を選んだ男による、完成された共犯関係の檻だった。

康夫は、修の肩を親しげに抱き、耳元で囁いた。


「よかったな、修くん。これで秋山家は安泰だ。これからも、私がずっと君たちを守ってあげるよ」


修は、震える唇を噛み締め、精一杯の笑顔で答えた。


「はい…お義父さん。よろしくお願いします」


窓の外には、抜けるような青空が広がっていた。

しかし、この家の中に降り積もる闇が晴れることは、二度とない。

赤ん坊の産声が、地獄の完成を祝うファンファーレのように、静かな病室に響き渡っていた。

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