表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
③完壁な地獄~欺瞞で築かれた理想の家庭、血の絆が繋ぐ終身刑~  作者: MCdragon


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/7

第三章:血の契りと、永遠の沈黙

夜が明ける頃、康夫は疲れ果てて眠る瑠美の横顔を眺めながら、手元にあるタブレットを操作していた。画面には、先ほどまでの行為が余すところなく記録されている。


「これで、もう逃げられないよ。瑠美さん。君はもう、修くんの妻でも、小春の母親でもない。私の、生きた人形だ」


康夫は、以前の盗撮動画をその場で消去した。

今や、それ以上の「証拠」と「絆」を彼は手に入れたのだ。

瑠美が目を覚ました時、彼女の瞳には以前のような知性の輝きはなかった。

ただ、康夫の顔色を伺い、彼の望む振る舞いを探る、従順な雌の光だけが宿っていた。

数日後、自宅に戻った彼らを待っていたのは、修のさらなる栄転の知らせだった。


「瑠美!今度は海外事業部の統括に選ばれたよ。康夫さんの助言通り、新しい環境に移ってから本当に運が向いてきた!」


大喜びで瑠美を抱きしめる修。

その腕の中で、瑠美は背後に立つ康夫と視線を合わせた。

康夫は、満足げに頷き、口角を上げた。

修の出世は、康夫が裏で根回しした結果でもあった。

修を忙しくさせ、海外への長期出張を増やせば増やすほど、瑠美と過ごす時間は康夫のものになる。


「おめでとう、修くん。これも瑠美さんの内助の功だね」


康夫は優しく修の肩を叩き、その手でさりげなく、瑠美の腰の曲線に触れた。

修は気づかない。

自分の愛する妻が、尊敬する義父の種を宿している可能性にさえ。

瑠美は、修の背中に手を回しながら、心の中で静かに呟いた。


(ごめんなさい、修。でも、これが私たちの『家族』の形なの……)


康夫の心理的包囲網は、もはや鉄壁だった。

脅迫から始まった関係は、いつしか共依存という名の地獄へと昇華し、秋山家は表面上の幸福を装いながら、義父という名の独裁者によって支配される「歪んだ楽園」へと完成していった。

窓の外では、新しい生活を祝うような晴天が広がっている。

しかし、その光が届かない家の中では、康夫の影が、二人の獲物を永久に離さないように、深く、重く、根を張っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ