第一章:日常に溶け込む共犯関係
夫の修が長い出張から戻った時、家の空気はどこか変わっていた。
しかし、部長へと昇進した修は多忙を極めており、その変化を「家族の絆が深まった」と好意的に解釈した。
「康夫さん、本当にありがとうございます。僕がいない間、瑠美や小春を支えてくれて。お義父さんがいなければ、この生活は成り立ちません」
修の真っ直ぐな感謝の言葉は、康夫にとって最高のスパイスだった。
その傍らで、瑠美は康夫が用意した「良妻」という仮面を被り、甲斐甲斐しく修の世話を焼く。
しかし、その肌の下では、康夫に刻まれた屈辱の痕跡が疼いていた。
康夫の支配は、肉体的なものから精神的な「調教」へと進化していた。
康夫は、修が在宅している時でさえ、瑠美に密かな試練を与えた。
「瑠美さん、修くんにビールを持って行ってあげなさい。…その前に、少し手伝ってくれないか」
台所で修の夕食を準備している最中、背後から忍び寄った康夫の手が、瑠美のスカートの中に滑り込む。リビングからは、小春と遊ぶ修の笑い声が聞こえてくる。
瑠美は声を殺し、肩を震わせながら包丁を握りしめた。
康夫の指先が、昨日教え込まれたばかりの熱い場所を正確に突き上げる。
「…っ、ん…康夫さん、修が…すぐそこに…」
「いいじゃないか。修くんへの愛情を、私への奉仕で証明するんだ。声を出せば、あの動画がどうなるか…分かっているね?」
康夫は瑠美の耳たぶを甘噛みし、修に聞こえないほどの低い声で命じる。
瑠美の体は、恐怖と裏腹に、康夫の指先が与える刺激を待ちわびるように反応してしまう。
媚薬なしでも、彼女の肉体はすでに康夫の指の動きを記憶し、自ら蜜を滴らせるようになっていた。
その夜、修と並んで眠るベッドの中で、瑠美は暗闇を見つめていた。
隣で規則正しい寝息を立てる夫。
その夫を守るために、自分は義父の所有物へと成り下がっていく。
しかし、心のどこかで、自分を極限まで追い詰める康夫の強引な愛に、歪んだ安らぎを感じ始めている自分に気づき、瑠美は激しい自己嫌悪に陥った。




