表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/9

悪徳領主子息と両親(クズ)2

まさか逃げ出すわけにもいかず、僕は本邸の扉の前に立っていた。


趣味の悪い装飾が卑しい輝きを放っている。こりゃ相当民から搾り取ってやがる…。


僕は生き延びる。絶対に。その時お前たちは民に滅ぼされているだろう。


まずはこの勝負に勝ってからだ。

僕は勇んで本邸の扉を叩いた。





中に入ると、ザ・シゴデキ執事(イケメン)が僕を迎えてくれた。


「ニコル様、お久しゅうございます。お加減はいかがですか?」

少なくとも敵意は感じない。むしろ少し僕に対して好意的な気さえする。


「ああ、世話をかけたな。つい昨日、人形ではなくなったところだ。」

(心配かけてすみません。やっと話せるようになりました。)


少し驚いた様子を見せ、すぐに気を取り直したあたり、本当に優秀な人なんだろう。


僕たちが歩いていると、何人かのメイドや使用人が僕を見て不躾な視線を送り、何やら呟いている。


その視線は決して良い気がするものではない。僕はつい執事に対して、


「目も口も押さえてられない愚者の集まりか…。全く度し難い。貴様はどう思う?」

(めっちゃ見られてるんですけどなんでぇ?)


と聞いた。執事は僕の言葉を聞いて、突然目を怒りに輝かせ、

「愚者…。ええ、その通りです。あの者どもは、私の主、フランセット様を貶め、それに飽き足らずご子息のニコル様までも…。」


このイケメン、味方だ!と思ってじっと顔を見たときに、強烈な既視感を覚えた。


「私がこの本邸で働いているのは―――」


うーん、見たことあるんだけどなー。


「フランセット様を貶めたこの家に復讐するためなのです。」


あ、こいつあれだ。チュートリアルの時主人公のサポートしてくれる執事だ。


……æ!?ててててて敵じゃん!!!!


俺の領地の序盤で、もともとザルツブルグ家に勤めてたけど、この執事は主人公側と通じていて、主人公の下剋上を成功させる重要な役割担ってるやつじゃん!!!!


名前は確か……!


「ヒース。」


「はっ、ニコ様。」

恭しく執事が礼の姿勢を取る。


「僕は貴様を高く買っている。貴様の働きで幾度となく僕は救われた。」

(ゲームで使ってたわー、序盤マジでヒースいなかったら詰んでるもんね。)


どうせ変換されるならゲームのことを喋ってもバレないかと思って、適当に文を繋げたけど、案外なんとかなるもんだな。


とか思っていると、ヒースくんは礼の姿勢を取ったまま肩を震わせていた。


「ニコ様…気づいておられたのですか…。」


いや?全然?

なんの話かわからないんだが?


「このヒース、フランセット様、もとい、ニコ様の為に全力を尽くす所存です。」

吹っ切った顔をして、ヒースくんが僕を見つめた。


ティローン!

(ヒースの好感度が限界突破しました!)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ