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ケネスたちの日常

7月20日。僕たちは目覚めた。有紗たちを仮投降させて以来、特に進展はなかった。時にはお姫さまたちからの誘惑もあるにはあったが、旨味がない。というのも女王たちは夫が手綱を握っているからだ。そのため僕たちが彼女たちを付き従えても大王の配下に過ぎない。だが有紗たちなら話は別。彼女たちを支配下に置いて可愛がるのは自由にできる。2年前みたいにすんなりとはいかないだろうが、夏場の参戦がないのはこちらも好都合。スタミナがないからしんどいし、むしろ助かる。秋服はまだ見ていないから楽しみだ。幸いにも有紗たちはまだ戦意を失っておらず夏場に参戦してくる見込み。本業のリサイクル業は極めて順調だが、やはりそろそろ身を固めたい。42歳独身ともなれば何かと肩身が狭いものだ。僕たちは喫茶店[水面]で腹ごなしした。オムライスと野菜サラダがうまいお店。女給さんのコスチュームは紺のセーラーにレモンのミニ。生足が綺麗。くるぶしまでのソックスしか履いていない。しかもセーラーは半袖でオヘソがチラ見えする。僕たちは食後のコーヒーを飲みながら雑談に花を咲かせた。「有紗たちが9月頃に立ち上がりそうだ」「伽耶の成長が楽しみだな」「悠花はきっといいオンナになってるぞ」「真麻はクールだが、まだ12歳だからな」奥田母娘はおっとりした感じ。森崎母娘は冷静沈着。だがいざ参戦すればズブズブのめり込むのはむしろ後者であり、実質あんまり変わらなくなる。訓練や対戦は魔法戦士を自分好みにカスタマイズする場でもあるからだ。30歳と12歳はまだ参戦の適齢期に満たず、勢いとノリで異世界に足を踏み入れる傾向が強い。名古屋は残暑が厳しそうだし、秋の戦いが楽とは言えない。有紗たちはきっと周到に準備してきたに違いないが、基本的に僕たちとの力の差はない。今年はこちらも猛暑だが、夏バテはしていない。本業がある以上、体調管理は必須だからだ。唯一の懸念は情事だが、ヘレン相手に磨くしかない。だが近年のバロンは小技に磨きをかけることにシフトしており、僕たちも準じる予定。つまり情事と小技の合わせ技で魔法戦士を攻略していく。僕たちは有紗たちの繰り出す技を返したり破ったりしながらながらジワジワリードを広げたい。真綿で首を絞めるかのような連動した責めが後半に決まれば彼女たちはひとたまりもないだろう。だがソレが決まるにはある程度の実戦の積み重ねが不可欠。対戦は25分ハーフだから前半に有紗たちを油断させ、後半に勝負を賭ける。だが前半にチャンスがあれば臨機応変に対応する。決着は少しでも早い方がいいからだ。彼女たちの繰り出す技はせいぜい両手で数えるほどしかなく、バリエーションが豊富にあるわけではない。しかも新技の習得には時間を要する。なのでいくら通用しなくても有紗たちは新技を使わざるを得ない。だが僕たちは必ずしも新技を編み出す必要はなく、流れの中で情事と小技を連動させていくだけで充分。あとは彼女たちとの情事を満喫しながら地道に腕を磨くが、やはり最後は小技で有紗たちを仕留めたい。「情事はあくまでも伏線さ」「いわば小道具だな」「いや舞台装置でもあるぞ」「小技とのバリエーションを増やしたいな」あんまりマンネリ化すれば彼女たちが萎えてしまう。僕たちは情事と小技のバリエーションを増やしたい。両者に明確な違いはないが、小技は有紗たちのリズムを狂わせる役割も担う。ただの繋ぎにとどまらない。残念ながら丸2年も実戦を離れれば具体的なイメージが湧かない。だがそれは彼女たちも同じはず。プライベートビデオを見るのも楽しみ。有紗たちは必ず僕たちを悩殺すべくビデオ撮影に力を入れてくる。もちろんお盆だけでなく秋にも続編を撮るに違いない。だがたぶん長尺に及ぶから何度も見る必要はなく、気に入ったシーンだけ繰り返し見ることになるだろう。皮肉にもビデオに力を入れるほど彼女たちはメス化されていく。いわば[見られる快感]に囚われてしまうからだ。魔法戦士は週末に性慾のピークが来るようカスタマイズされていく。魔法戦士の日常はストイックだが、非日常は違った。母親たちが髪を振り乱してよがり狂えば娘たちも安心して僕たちに身を委ねるに違いない。たっぷり時間をかけて有紗たちを攻略していくが、もちろん負ける時もある。お互いに主導権を分かち合うのが理想的だし、僕たちは封建社会を志向しない。息が詰まるようなタテ社会では彼女たちが浮かばれないし萎えさせられる。つまりどちらが尻に敷いても固定ではダメなのだ。僕たちは目先の勝ちにこだわらず有紗たちをカスタマイズしていくが、近年のバロンはそんな傾向が強い仕組み。つまり勝っても負けても彼女たちが不幸にはならない。主導権は固定ではないからだ。たとえ有紗たちが勝っても息が詰まるようなタテ社会にはしないはず。僕たちは地道に対戦を重ねながら理想的な関係を構築していく。

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