ベランダを魔改造してみたら・Ⅲ 苦労するのはいつもトナカイ
ガーデニングに憧れた私はベランダを魔改造して、理想の空間を手に入れた。百均やリサイクルショップやホームセンターが私を助けてくれる。
お洗濯を済ませた後、白いテーブルセットで、好みの紅茶を淹れてゆったりくつろぐ。ベランダは私の聖域。そんなベランダのお気に入りの椅子を狙って、次から次へと来訪するもの達がいたのよ。
ハニトラ国の女王蜂ハトラちゃんと『すずめばち』のはっちん。お気に入りのテーブルセットにいたこの子達のおかげで私は屋上庭園養蜂場を手に入れ、忙しい日々を送る。
クリスマス、お正月と家族イベントも忙しく、増々魔改造されたベランダの癒しが必要だった。
こういう時に窓に貼りつく旅ガラスや厄付きドバトはいらんのよ。フラグは折るのが基本。残念ね。
そう思っていた私はまだまだ甘かった。洗濯物を干し紅茶を淹れに室内へ戻る間に、不審者が現れたからだ。
「チュンチュン!」
はっちんが警告しながら飛び込んで来る。明らかな人影‥‥それに角?
こんな事もあろうかと、次元の愛銃レプリカを魔改造しておいたの。シャンパーニュの瓶に詰めた炭酸ガスとチューブでつなぎ、背中に背負う。
「はっちん、仕損じたらプスッとやってね」
「チュン♪」
ハトラちゃんを狙いに来たのかもしれない。殺るしかないわね。
「私のマグナムが火を吹くぜ!」
言ってみたかったセリフと共に、高圧熱湯噴射のトリガーを引く。火を吹いたら火事になるからね。唐辛子入りの熱湯でヒリヒリになるがいいわ!
ぎゅわわーーー⋯⋯と鳴いたかわからないがトナカイらしき中の人が纏わりつく衣装に熱湯が染みて悶えていた。
「ま、待ってくれ。儂はサンタなんじゃ!」
「サタンでしょ。もしくは泥棒ね」
「違うんじゃ。仕事前にこの地域の拠点に良い場所を探しに来たら、良い蜂蜜酒があって‥‥つい」
あわてん坊じゃなく、ただの呑兵衛だったよ。とりあえず駆けつけ三杯の冷水バケツをぶっかけた。サンタかサタンでなくても超人なら死なないでしょ。
どうやら呆れたトナカイさん達は、サンタスーツを強奪し、サンタ爺にトナカイスーツを着せて置いて行ったそうだ。
「どうして私のベランダなのよ。捨てるならゴミ捨て場があるじゃない」
生ゴミの年内回収日は昨日までか。賢いねトナカイ達。
「不法投棄と、家宅侵入の罪に問われたくないならプレゼントを寄越しなさいな」
ブルブル震えるサンタ爺に旦那の服をあげ、念書を書かせて玄関から解放してあげたわ。
お読みいただきありがとうございます。この作品はベランダを魔改造したらの続編になりますが、短編としてお楽しみいただけます。
※ 作中のイラスト『ハニトラ女王蜂様』 のハトラはコロン様提供、『すずめばち』 のはっちんは幻邏さま提供のFAとなります。千文字に収める為に、ご紹介を後書きにて行っております。
再びの登場と、素敵なイラストをありがとうございました。
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