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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

「世界一気持ちの良い風を探す旅」

作者: 麻色 道楽

こちら、「世界一気持ちの良い風を探す旅」の

1章分142p公開しております。


多少アンダーグラウンドで過激な内容になりますので

苦手な方は、申し訳ありませんが他をお探しください。

世界一気持ちのよい風を探す旅



麻色道楽









一章目 

死にたがりと雑草







































pi pi pi pi pi pi…………

乱暴な機械音が、部屋に鳴り響き

スマホのアラームを止めて、天井を見つめる

この瞬間が、唯一なにも考えずに

現実から逃れられる

だが、少しすれば

様々な思考が勝手にわいてくる

仕事やお金や将来のこと

勝手に悩みがわいてきて

それを、整理し終えるころには

また、1日が始まることが憂鬱になってくる。

なんとか、布団から抜け出して

テレビをつけて

椅子に座り

スマホを眺める

イン○タを見て、朝からキラキラとした

他人の日常をみて

勝手に自分と比較してしまう

散らかったテーブルの上の

昨日の、残りの水だけを飲み

準備をして部屋の扉を開ける

あまり、人には会いたくないので

俯きながら早歩きで

エレベーターまで向かい

1階の裏口から

駐輪場にでて

最寄りの駅まで自転車で向かい

駅の近くの駐輪場で

ラックに、自転車をいれる

清算機で、お金をいれようとするが

なかなか、小銭が見つからず

手間取っていると

スーツを着た

おじさんに舌打ちをされて

嫌な気持ちになりながら

改札にむかった

最近は、自転車を止めるだけでも

お金を取られる

この世界は、お金がないと

ほとんどの、権利が奪われる

毎日が、同じ繰り返し

朝の6時には起床して

8時から仕事が始まり

残業が続き23時頃家につく

そんなに、多くの時間を働いていても

少ない給料から


健康保険 税金 所得税 年金 

住民税など、様々な理由をつけて

お金が奪われていき

そこから

家賃や生活費なんかを引いたら

ほとんど手元には残らない……

休みの日も疲れ切ってしまい

なにもやる気が起きず

1日が過ぎていく

最近は、長年いっしょにいる彼女ですら 

会う時間も余裕もなくなっていた

こんな日々が、ずっと続くのかと思うと

だんだん生きることの意味が

わからなくなってくる………。

ホームに降りて

電車を待っている間

このまま、飛び込んでしまったら  

楽になるかなんて考えるが

結局、勇気が出ず

今日も、同じように

電車に乗り込み職場に向かう。

席に座り

なにも考えたくないので

ツ○○ターで、どうでもいい情報に触れて

ほとんどの呟きを、ただ眺めスクロールしていく

すると

たまたま、あるツイートをタッチしてしまったようで

画面には、若者の間で処方薬の

過剰摂取(OD)が急増中

というニュース記事のリンクに

大量の処方薬の写真と

日本終わってんなwwという

ツイートした人のメッセージも添えられていた。

オーバードーズか……

なんとなく気になって

記事を読んでみると

どうやら

処方薬をSNSを通して、大量に購入して

一度に過剰摂取することで

合法的に多幸感を得ている

10代や20代の若者が急増しているようだ。

処方薬ではあるが

大量に摂取すると

気を失ってしまったり

嘔吐などが止まらなくなり

病院に搬送され

最悪の場合、死んでしまうようなことも

あるらしく

社会問題になっているようだ。

とても暗いニュースだが

もともと、自殺願望があった人からしたら

自殺方法の紹介にも捉えられ

さらに、ニュース記事ではご丁寧に買い方や 

薬の名称まで伏せ字ではあるが公開していた

世間に、やめてほしいのか

宣伝しているのかはわからないが

ツ○○ターを使い

売っている人探してみると

すぐに

売買している人たちが見つかり

家の近所でも売人はいたので

本当に死にたくなったら

この人に、頼もうと思いスマホをしまった。

職場の最寄り駅につき

駅から徒歩15分の距離にある

ファミレスに向かう

ここが俺の職場だ。

高校を卒業して

元々の高校の近くだった

バイト先のファミレスで

そのまま働くことになり

気がつくと

もう、5年ほど働いていた。

ある日のこと店長から呼び出され

副店長にならないかという誘いを受けた

給料があがることや

生活がより安定することなど

様々なメリットを挙げられ

始めてみたものの

今までの、立場とは違うからなのか

副店長になった瞬間

店長からの当たりは強くなり

業務は、倍以上に増えて

それを、完璧にこなさないと

怒鳴られ罵倒され続けた。

給料も、大して上がるわけでもないのだが

お金の発生しない業務は増え続け

店長は、ほとんどお店に顔を出すことは無くなった。

8時には、まだ誰もいない職場に出勤して

事務作業を終わらせ

9時から、出勤してくる

パートさんと一緒に仕込みを始める。

仕込みが終わると

ホールと店舗回りの掃除をして

11時のオープンに間に合うように

準備を進める

11時前から

すでに、人が並んでいて

オープンすると同時に

お店は満席になり

注文が殺到する

ホールとキッチンの両方を手伝い

バックレたバイトの穴を埋めるために   

休憩もまともにとれず

閉店まで働き

学生バイトの人達と片付けを終わらせ

バイトの人が帰宅した時間に合わせ

タイムカードを切り

俺だけしかいないお店で

売上報告などの作業を続ける。

時刻は23時をまわり

やっとの思いで電車に乗り込むと

今日に限って電車が止まり

一駅前から歩いて帰ることに

駅をでて

フラフラになりながら

ゆっくりと歩いていると

遠くに、彼女らしき人の後ろ姿が見えた

今は、彼女ですら

話す余裕も気力も残っていないので

距離を取りながら歩いていると

知らない男と合流し

手を繋ぎ

2人は、そのまま楽しそうに歩いていった。



え……




見たことの無い服だったので

一瞬、他人かと思ったが

歩き方や話す仕草で

彼女だと、確信した。


頭が真っ白になった……

その場に立ち止まり

ただ、呆然としていたのだが

だんだんと、腹が立ってきて


気がつくと

彼女のもとに向かい

彼女の腕をつかんでいた。


「え……!! ○○君!?

なんでここにいるの!?」


「誰だよ!! そいつ!!」


「だれって……」

彼女がなにも言わないのが

答えだった

もう、嘘もついてくれないのか……


手を離し

なにも言わずに、早足で家にもどった。


部屋につき

ドアを開けて

荷物を投げて

ツイ○○ーを開き


秘匿性の高いメッセージアプリを通して

連絡を取った。

[こんばんは。

初めまして

○○15シート

手押しでお願いできますか?]


[明日でよければいけますよ。

交通費含めて

18,000円になります。]


[今日は厳しいですか?]


[今日は、出先なので厳しいです。

明日の朝でよろしければ対応できます]


[わかりました。それでお願いします。]

[ありがとうございます

9時頃に指定の場所にお願いします]


メッセージのやり取りがおわり

そのまま、布団に倒れこみ

ほとんど、一睡もできぬまま

絶望的な気分で

朝を迎えた。


約束の時間に近づいてきたので

指定された、近くの大型スーパーの

駐車場へ向かい

予定していた時間の5分前にはついて

待っていると

約束の時間から15分ほど遅れて

電話がきて

こちらの服装などを聞かれ

最後に、車の特徴を伝えられた。

車をみつけ

フロントガラス越しに中をみると

短髪で目つきがするどく

和彫りの刺青が首と腕にはいった

男性が座っていた

そして、こちらに気付くと

鼻の下を親指でこすった

おそらく合図だと思い

会釈をすると

助手席の方に回るように合図されたので

助手席側の方にまわると

音を立てて鍵があいた。


かなり緊張していたが

ドアを開けて中にはいり

椅子に座ると同時に

ロックをかけられ

ガチャッという音だけが車内に響いた。


「どうも

ネタは、そこの箱にはいっているので

確認してください。」

と落ち着いた声で

お菓子の箱を指しながら彼は言った。


見慣れたお菓子の

未開封の箱を手に取り

ペリペリと外側に開けると

お菓子が入っているであろう

白い袋が見えた

その、袋も開けてみると

大量のシートの薬がつまっていた

驚きつつも

一応15シートあることを確認して

「大丈夫です」

と伝えお金を渡した。


元のスーパーに戻るか

家まで送るか聞かれたが

少し怖かったので

そのまま、スーパーでおろしてもらうことに

スーパーにつき

すぐにでも、家に戻ろうと

ドアに手を伸ばすと

「死のうとしてるんすか?」

と、彼がたばこに火をつけながらいった。


いきなりのことだったんで

戸惑い言葉を濁していると

「○○15シート一気にいっても

死ぬほど辛いだけで死ねないっすよ

どうせ死ぬなら、1本吸ってからでも

いいじゃないすか?」

そういって、彼はカーオーディオを外し隙間から

巻き煙草のようなもの取り出して

俺に、渡してくれた

「たばこ……?ですか?」

「いや、ジョイン○…

あ、大○っす。」

「え、いやいやいや……いらないですよ

大○なんて、違法だし。」

「でも、死んだら法律なんて関係ないっすよね」

「ん……。

まあ…そうですけど……

いや…でも……。」

「いいから、持ってけよ」

そういって、大○を差し出した

彼の目は、真っ直ぐにこちらを見て

綺麗な目をしていた。

部屋に戻ると

様々な嫌な記憶が甦り

すぐにでも、薬を飲んで死のうと思ったのだが

彼の言葉と、表情が頭に浮かび

○麻を吸ってみることにした。

ライタ-は、無かったので

コンロの火で大○に火をつけることに

軽く吸い込むと

タバコとは全く違った味と

吸い心地の煙が流れてきて

反射的に咳き込んでしまい

少し喉が痛くなった

肺にすら到達してないと思うので

もう一度、深く吸い込み

数秒間貯めて吐き出すと

果物のような爽やかさと

土っぽい味を混ぜたような後味が口に残った。


もう一服、深く吸い込んで

一度、火を消して5分ほど待機していたが

何も変化は感じられず

半分くらいまで大○を吸いこみ

机のはしに置いて

少し待っていたのだが

特に変化はなく

スマホを見るとすでに30分ほど経過していた。


騙されたのかなぁ……

時間の無駄だったな……

そんなことを思いながら

処方薬のはいった

お菓子の箱に手を伸ばすと

なにか、違和感を感じた

具体的に、表現するのは難しいが

時間の流れが、少し遅くなり始めているような

腕も、普通に動くのだが

なんだが、脳への信号がほんの少しだけ遅れるというか……


すると、だんだんと効いてきたのか

五感が敏感になり始め

聞こえる音が、段々と深く聞こえるようになり

冷蔵庫の音や住人が廊下を歩く音などの

普段、あまり気にならない

生活音がはっきりと聞こえ始め

視覚も、少しずつ明るくなり始め

細部までくっきりと見えるようになり

色合いもすこし濃く感じられた

皮膚も薄くなったような気がするくらい

繊細に触感を感じられた


うわぁ、すげぇ……


感情も影響を受けやすいのか

初めての体験に動揺してしまい

少し布団に横になると

心も落ち着き始め

目をつぶり

この感覚を楽しんでいると

なんだか、涙が出てきた

凝り固まっていた

硬い思考がほぐされて

子供の頃の、何にも縛られていない状態に

戻ったような感覚になり

いろいろな、やりたいことが見えてきて

死ぬのが、心からバカバカしくなった。


彼から買った処方薬は

高い金を出したが勉強代だと思い

全部捨てることに

彼に、戻してもよかったのだが

俺みたいな使い方をする人に

わたって欲しく無かったので

そのまま、ゴミ箱に捨てた。

ボーッと椅子に座っていると

なんだか、お腹が空いてきて

なにか食べたくなってきたのだが

家には食べ物がなかったので

外へ食べに行くことに

支度を整え

残りの○麻を吸って

扉を開けると

いつもは、色彩の薄い

どんよりとした空気の世界だったのだが

町は、カラフルな彩りを取り戻し

町の人々の楽しそうな会話や

鳥の声など

今まで気にも留めていなかった

音や景色がいつもよりも輝いて見えた。

大麻の影響なのか

心の変化なのかはわからないが

以前の、心身ともに健康だったころに少し戻り始めているのを感じ


「生きてるっていいな」


そんな言葉を呟き

さっきまで、死のうとしてたことを思いだし

ふっと笑った。


昔、よく通っていた

近所の定食屋さんに入り

食券機で

豚のしょうが焼き定食を選び

漫画を取って席につき

読みながら待っていると

定食が運ばれてきた

お味噌汁からは、きれいな湯気が宙を漂い

やさしく鼻に触ると

鰹だしとお味噌のいい匂いがして

つやつやとしたお米は茶碗に大盛りで盛られ

ご飯の上をふわふわと湯気がゆらいでいた

メインの豚の生姜焼は

大きな豚のお肉が3枚と

千切りのきゃべつが添えられ

生姜の食欲をそそる匂いが箸を走らせた。

「いただきます」

お肉をご飯の上にのせて

タレを絡ませたご飯とともに

食べると

もう、箸が止まることはなかった

最近は、何を食べても

味を感じづらくなっていたので

こんなに、おいしくたべられたのは

久しぶりだった

「美味しい……おいしぃ……」


あまりの、美味しさと鬱から抜け出せたような

嬉しさから

また、涙がこぼれそうだった。


「ごちそうさまでした」

お腹も満たされたので

少し街を歩いて

マンションに戻った。


部屋に戻り

少しほっとしていると

休みの日だと言うのに

店長から連絡が来た

どうやら、人が足りないようで

今から、出勤することに

この生活を続けていたら

きっと、また同じことの繰り返しになる

生活を見直す必要があると思い

まず、一番のストレスの元凶である

仕事を辞めることに

退職届をパパっと書き終えお店に行き

辞めたい事を伝えると

とてもお怒りになっていて

どうしても、やめられなさそうなので

そっと退職届を置いて店を出た。


翌日

命を救ってくれた

P(プッシャー)にきちんとお礼が言いたかったので

もう一度、Pの方に大○の注文と

一緒に連絡を取った。

その日の夕方には会えることになり

お金とお礼の品を持って向かうと

彼の車が止まっていた

「あ、どうも~!」


「どうもどうも、よかったです!

また会えて」

彼の優しい言葉に

グッとなりながら

「本当に、ありがとうございました。

あの時、大麻を吸ってなかったら確実に

そのまま死んでました」

と伝えると

「いや、俺じゃないっすから

大○っすから、すごいのは!」

そういって、少し恥ずかしそうに笑った。


「これ、中に入ってるんで

確認してもらってもいいですし

そのままでも、いいですし」

彼には、信用があったので

そのまま箱を受け取り

大○2g分の13,000円を払った。


「ありがとうございます。

そういえば

もう、今日は営業終わったんで

この後、1本吸うんすけど

よかったら、一緒にどうすか?」


「え、あ…」

想像もしていなかったお誘いに

言葉をつまらせていると


「あ、全然忙しかったらいいですよ。」

「あ、いや行きたいです

あ、いや、吸いたいです!」


「行きましょう!

近くに、良い公園あんすよ」


「あ、そうなんですね!」

10分ほど走り

彼は、公園ではなくコンビニに立ち寄った。


車をとめると

鍵をぬいて

「なんか、いります??」

と聞いてくれた?

喉が、渇いてたので

「あ、じゃあお水を…」

と言うと

「了解っす~」

と言って


彼はコンビニにはいっていき

15分ほどしてコンビニから出てきて

袋をもって運転席に座り

袋からお水を出すと

「はい、これ水」

といって、お水をしてくれた


「あ、ありがとうございます

これお金」

といってお金を渡そうとすると

「いや、いいすよ

水ぐらい」

といって、受け取ってはくれなかった。


そして、コンビニを出て

裏の公園の、駐車場にはいり

車をでて

袋を持って

小さな子供もちらほらいる

芝生の広場の真ん中で

コンビニの袋をどがっど置いて

二人で芝生の上に座った。

袋の中には

6本ケースの缶ビ○ルと

つまみがはいっていて

ビ○ル缶を取り出すと

「とりあえず、飲みます?」

といって

キンキンに冷えたビ○ル缶を渡してくれた

「ありがとうございます!」

「うい、じゃあ乾杯!」

冷たいビ○ルを

口元につけて

ビ○ルを流し込む

ゴクっゴクっ

真っ昼間の芝生の上で飲むビ○ルは

格別に美味しかった

半分ほど、ビ○ルを飲み

ボーッとしていると

Pさんから、大○がまわってきた。

「あ、大○

ありがとうございます。」

「巻いてある状態のことは

ジョイン○っていうんすよ」

「あ、そうなんすね

あ、ジョイン○いただきます!」

初めて、外で吸った大麻だったのだが

味はもちろんのこと

風を良く感じられて

気持ちよかった

すこし、周りを気にしながら

Pさんに、ジョイン○を渡すと

「大丈夫っすよ

そんな、コソコソしなくても

逆に怪しいすから」

といって、笑っていた。


長めのジョイン○を吸い終わり

ビールも頂き

かーなーり、良い感じになり

ずっと、気になっていた

質問をPさんにしてみた

「あのー、すごい今更なんですけど

結局、大麻ってなんなんですかね?」


「うーん……。

おれは、ただの植物だと思ってるっすね。」


「あー、そこはなんとなく分かるんですけど

なんかいろいろ種類あるじゃないですか?」


「あー、はいはい

サティバ インディカ

ハイブリッドっていう

3種類に分けられるんだけど

サティバっていうのが、

頭の回転がはやくなったり

おしゃべりになったり

活動的になったりっていう効果があるらしくて

インディカは、どっちかっていうと

ゆったり過ごしたい時に

ちょうど良くて

リラックス効果ましたり

眠たくなったりってかんじかなぁ

ハイブリッドは、そのミックスって感じかなぁ」


「なるほど、基本3種に分けられるんですね。」

「そうそう、でも最近は

そういう、分け方じゃなくて

眠るときに良いものとか

集中したいときに良いものとかっていう風に

分けられてるらしいっすよ」


「へぇー、なんかすごい奥が深そうっすね」


「そうだねぇ、いくらでも新しい品種も作れるしね」


「なるほど……

あ、そういえば

1人で吸うときに気を付けた方が

いいことってあります?」

「うーん、まあ

セットとセッティングかなぁ」


「セットとセッティングですか?」


「うん。

その場所と自分の気持ちよ

落ち着ける場所で、心も落ち着いていることかな

やっぱ、影響されやすいからね」


「なるほど、セットとセッティングっすね。」

そんな会話をしながら

いろいろと、聞かせて頂き

ビ○ルとジョイン○を味わいながら

公園で気持ちのよい時間を過ごした。

車に戻り

「いやー、ありがとうございました。

すごい、楽しかったです。」

とお礼を伝えると


「いえいえ!

また、いつでも連絡ください!」

とニコやかに返してくれて

少し距離感が近くなれた気がした。


「家まで送ります?」

「あ、じゃあお願いします。」

マンションの前につき

しつこいぐらいお礼を伝え

部屋に戻り

さっそくお菓子の箱をあけて

パケを1つ手に取り

チャックを開けて中をみると

白い粉につつまれた

ふわふわとした緑色の植物の塊がいくつか

はいっていた。


パケをもち

鼻を近づけ匂いを嗅ぐと

果物のようなフルーティーな匂いと

植物の濃い匂いを混ぜたような不思議な匂いが

強く匂った。


塊を取り出して

適量手でとって

手とハサミをつかい

細かくしていくと

いつの間にか、手はベトベトになっていて

指の匂いを嗅ぐと強い大○の匂いがした

もらったペーパーと

お菓子の箱の紙を使い4cm×1cmほどの長方形

(クラッチ 口をつける部分)を作り

ヘタクソながら

人生で初めてジョイン○をまいた。

pさんからもらったジョイントとは

比べ物にならないぐらいものだが

ライターで火をつけて吸ってみると

なんとか吸うことが出来た

ネタが強かったのか疲れがたまっていたのか

咳き込みながら

半分ほどを吸うと

少し眠くなり始めベッドに寝転がっていると

気がつくと寝てしまっていた。

翌朝

とても、スッキリとした気分で起床して

携帯をみると

すでに、9時を過ぎていた

ヤバい!!

お店開けなきゃ!!

すぐに、ベットから出ようと思ったが

数秒して

仕事を止めた事を思い出し

なんだか、心が軽くなり

笑ってしまった。

机の上に

昨日の、残りのジョイン○が置いてあったので

手に取り、火をつけると

しけもくなので

味と香りは落ちるが

飛びは変わらず

久しぶりに朝から気分がよかった

いつもは、仕事のことで憂鬱な気分で

1日が始まっていたが

今日は、まるで違っていた。


朝食は、いつも食欲がわかないので

食べない日が多かったのだが

今日は、なぜか食欲が戻ってきたので

トーストと紅茶のシンプルな朝食を用意して

まずは、紅茶から頂いた

口の中で、紅茶の温かさがひろがり

飲み込むと

ふわっと香り高い紅茶の香りが

口一杯に広がる

「ああ…おいしい」

トーストに手を伸ばすと

トーストの上のバターはすでに溶け始め

バターを全体的にひろげ

いちごジャムを塗って食べていく

「いただきます」

サクッとした音を始まりに

イチゴジャムのイチゴの甘い香りと味が広がり

少し酸味も感じられ

覆い被さるように

バターの濃厚な味が主張してくる

さらに噛んでいくと

パンの小麦の味も感じてくる

ああ、こんなに

幸せな朝食が身近にあったのか……

「ごちそうさまでした」

時間を見ると

10時15分だった。


時間はあるのだが

やることもないので一本巻くことに

昨日よりかは

少しはマシにはなった気がするが

やはり巻くのは難しい

昨日は普通にリビングで吸っていたのだが

さすがに、禁煙の部屋なので

風呂場で吸うことに。

外で吸ってみたい気持ちはあったのだが

やはり、捕まるのは嫌なので

コンロで火をつけて

ユニットバスの風呂場に入り

浴槽に腰掛け

シャワーを流しながら

ジョイン○を吸った

ジョイン○を吸い終え

喉が乾いたので

冷蔵庫から、お水をとりだして飲み込むと

冷たいお水が口から喉にかけて

そして胃までながれていき

体に吸収されていくのがはっきりとわかる

○麻を吸うと

日常も小さな幸せで溢れているのだなぁと

気づかせてくれる。

布団で横になり

ヘッドフォンでお気に入りのアーティストの

曲をかけると

普段よりも鮮明に音の一つ一つが

聞こえるようになり

音に深く入りこむ事ができて

まるで、耳元で演奏を聞いているかのような

気分になる。

気がつくと

1時間ほど経っていて

多少、落ち着いてきたので

もう、1本巻いて

一服して座っていると

特に、家の中でやることもなくなり

無性に外へ出たくなり

サイクリングをすることにした。

部屋を出て

駐輪場へ行き

自転車に乗り走り出すと

流れる風が全身を包みこみ

まるで水中にいるような感覚になる

宛もなく

景色を楽しみながら

どこまでも、気ままに走っていくと

公園が見えたので立ち寄り

自販機で、ミルクティーを買い

ベンチに座り

一息ついて

また、自転車をこぎ出す

だんだんと日は暮れていき

真っ赤な夕陽が辺りをオレンジ色に変えていく。


日が落ちると

少し寒くなってきたので

コンビニで夕飯を買って

家に戻った

部屋につき

まだ、暖かいコンビニ弁当を食べて

ジョイン○を吸い

ハイな時に見るのを薦められた

映画を見ることに

大○をテーマにした海外の映画で

映像が流れ始まると

音が体を包み込まれるようにハッキリと聞こえ

映像も、色合いが濃く細かいところまで

深く見えて

まるで映画のスクリーンに入り込めるような

没入感があり

登場人物の心情も深く理解することができ

普段よりも深く作品を感じることができた。


映画を見終わり

すこし、ボーッとして

寝る前にもう1本吸って、深い眠りについた。

そんな生活が

気がつくと、1か月ほど続いたが

今まで忙しく動いてきたんだ

少しぐらい良いだろうと自分に言い聞かせ

自分の欲を満たすだけの、生活を送っていた。


ある日、学生時代の友人から

久しぶりに連絡があり

一緒に、ご飯に行くことに

久しぶりに見た、同級生は俺とは違い

ブランド物の服を着ており

高そうな時計をしていて

どこか、遠いところに

行ってしまった気がした

彼とは、長いこと会っていなかったので

見た目は違っていたが

中身は学生の頃とそこまで変わらず

学生時代の話しや彼の仕事の話しで盛り上がり

何度か飯に行くような関係になった。


いつものように、金曜の夜に彼から連絡があり

また、飲みに行くことになり

その日は、時間もあったので

一服してから行くことに

友達と会う前なので

テンションを上げていこうと思い

大○の量を多くして

太巻きを巻いて吸いきると

量が多かったのか

すこし、クラクラとしてきたので

少し布団の上に横になった

次の瞬間、目を開けると

天井が広がっていた

ん……?

寝てたのか……??


あ!!!!


ヤバイ!!!


携帯で時間を確認すると

時間はすでに待ち合わせの時間を 

1時間ほど遅れていた。


やっちゃったー……。

連絡が何件もきていたので

[ごめん、ちょっと寝坊してしまった。

今すぐ行くわ!!]

と連絡をして

すぐに、準備をして居酒屋へ向かった。


店の近くまで行くと

店の外で、電子タバコを吸いながら

携帯をいじっている友人を見つけ

駆け足で向かった。


「いやぁ、本当ごめん! お待たせ!」

「おっせーよ!

とりあえず、お前ビールおごれよ」

「いや、もちろん ごめんごめん。」

「まあ、いいよ。中はいろうぜ。」

出だしは悪かったが

お酒も進み

様々な話しが膨らみ

電子タバコをすいながら

彼が、最近少し落ち込んでいることを

話してくれた

「もう、最近仕事ばっかでさ……

毎日毎日、知らんやつに頭下げて

上司に頭下げてさ…

もう、やってらんねぇよ……」

もともと、学生時代はヤンチャをしていた

やつだったので

彼が、人にペコペコしてるのは

想像もできなかったし

ここまで、凹んでいる姿も

みたことは無かった。

「まあ、みんな大変だよな……」

そういうと、彼はすこし残った

ビールを飲み干した。

俺は、お酒で少し気が

大きくなってしまったのと

彼に少しでもマシになって欲しかったので

鬱だったことや

大○に救われたこと

今も、大○を吸ってることについて話した

「え、待って待って。

おまえ、大○吸ってんの?」

「うん、そうだけど

ホントに、大○にす」

すると彼は遮るように

「今日は、帰るわ

もう、連絡してくんなよ」

といって

彼は店を出た。


俺は、わからなかった…

○麻に救われて

それを、薦めただけなのに…

法律って、なんなんだろ……

友達ってなんなんだろ………

友達を失った悲しみと

法律に対する怒りのような複雑な

心境で心の整理がつかなかった。

悶々とした気持ちで日々を送り

彼と別れた

1ヶ月ほど経ったある日

彼から、唐突にメッセージが来た。

[いきなり、ごめん。

今日の夜 いつもの店であえないか?]

全く想像のつかなかった展開に驚いたが

文章に、どこか暖かさを感じたので

その日の夜

また、居酒屋で会うことになった。


「おう…」

「おう」

そこからは、無言で席につき

ビールを頼み

一口飲むと

「ごめんな、勝手に決めつけて…」

と、語りだした。


「え?」

「いや、大○のことさ

あの後、少し調べたのよ

そしたら、全然知らない情報ばっかでさ…」


「あ、うん……。」

「海外では全然普通に吸われてるし

医療にも使われてるって…

しかも、もともと日本は普通だったんでしょ?」


「あ、そうなの……?

すげぇな! 全然知らんかったわ」

「ははっ!

そんなのも知らずにやってたのかよ」

「うん、全然

それどころじゃ無かったし。」

「そっか……

確かに、法律では禁じられてるし

お前には、捕まって欲しくなかったからさ

大○も覚醒○とかと同じようなものだと思ってたし……」


「いや、でもよかったよ

わかってもらえて!」

その日からもとの関係に戻り

何度か一緒に吸うようになり

pも紹介して

彼自身も個人的にも吸うようになっていった。


そして、そんな幸せな日々が続いた

ある日

いつも通り、休みの日に電話を掛けると

連絡は繋がらなかった。

1週間ほどたっても、既読もつかず

実家にお邪魔すると

お母さんが、玄関のちょうど掃除をしていたので

「こんにちは。

○○君の友達の○○なんですけど…」

と、挨拶をすると

お母さんはこちらを睨みつけながら

「息子は捕まりました。」

とだけ言って作業を続けていた。

え………。

意味が、わからなかった…………

軽く会釈だけして

とぼとぼと家に歩きだした

あいつが捕まった……?

なんで……

捕まるなら、俺が先だろうよ……

徐々に、現実が追い付いてきて

涙が溢れてきた

家に戻り

自分が、やってしまった事の大きさを

深く反省した

だが、すぐに自分の身も気になり

彼が、俺のことを話すのではないかと思い

草と吸引具はすべて捨てた

結局、自分の身が大事なのだ。

しばらくして、彼の事件は大々的に報道され

大手の会社に勤務していたこともあってか

インパクトが強く

実名報道で、テレビでながされ

ネットでは、彼を批判する声が相次いだ。

執行猶予で、外にでてきたようなのだが

会社はクビになり

恋人とも別れ

両親からも見放されたらしく

彼は、どこか地方へ消えてしまった

前科者を雇ってくれる企業は、ほとんどなく

エリートの順風満杯だった人生は崩れ落ちてしまった。

それが、わかって以来責任を感じ

深く落ち込み

人と会うのが嫌になってしまい

現実逃避するように

段々と吸う頻度はあがっていき

1日に2gは、消費するようになっていた

1日で2g吸うと

1日で1万円は、草だけで消えていく

普通に生活していれば

半年は生活できる程の

蓄えがあったが、もうほとんど無くなっていた。


お金もなくなってきたので

大麻を吸わない日を作ると

食事も、あまり食べられなくなり

日中は、どんよりした気分が続き

夜は、なかなか寝付けず、眠りも浅くなり

お金が減っていくごとに

心の余裕もなくなっていき

段々と

また元の状態に、戻ってしまう気がした。


色々な、不安が押し寄せてきて

外に散歩へ出かける

お金もないので

公園で、ベンチに座りボーッとしていると

ベンチの下に財布が落ちていることに気づいた。

周りを確認して

指紋がつかないように服越しにつかみ

中身を確認すると

諭吉が3枚こちらを見ていた

まるで、俺の行動を見透かして

冷たい目で見つめられているような気がしたが

すぐに諭吉を取り

財布を元の場所に置いてその場を離れた。


2万は、すぐに草で消えて

1万はなけなしの生活費にまわした

人の金を使っているという

罪悪感からなのか

ジョイン○は、全く美味しく感じられず

生活費も底をつきそうだった

お金も友人も失くし

良心すらも失い初めている

さすがに、これは人間的に良くないと思い

少しでも働こうと決心し

派遣会社を通しバイトをすることにした。

派遣会社の登録会にいき

必要書類などを記入すると

すぐに、職場が決まり

翌日から工場での仕事が始ることに

翌朝の6時に起床して

準備を済ませ、7時には家を出た

久しぶりの早起きで

なかなか大変だったが

ジョイン○を吸い

気を紛らわして職場へ向かった。

職場につき

簡単な受付を済ますと

さっそく仕事がはじまった

俺の仕事は、文房具メーカーの商品の

仕分けを行うもので

段ボールを運ぶのが

主な仕事なのだが

服装も自由で

暇なときは、喋ってても良かったので

前職よりも、かなりいい環境だった。

1日の作業が終わるころには

かなり疲れていたが

ファミレスのころの疲れとは違った気持ちのよい疲れだった

体を動かし

汗をかき

人とコミュニケーションをとる

シンプルなことだが

草とは違った充実感を感じていた。

家に戻り

シャワーを浴びて

一服すると

疲れた体に草が染み渡り

草も、今までには無いぐらい

美味しく味わうことができた

あまり仕事の良さをわかっていなかったが

生きていく上で

「仕事」というより

体を動かし

人と話し

なにか人のために動くというのは

自分の幸せに繋がるのだなと感じた。


仕事が始まると

ほとんどの時間は家にいないので

草の消費も減り

少しずつ草との距離感というものが

つかめて来た。


季節が変わり

気温も少し温かくなってきたが

鬱から完全に抜け出せた状態ではなく

まだ、不安定な気分が続き

大○があるときは、ある程度の気分はマシだったのだが

素面で、過ごす日々は気持ちの揺らぎが激しく

勝手に涙が出てきたり

喉に違和感を感じ喋りづらかったりと

変わらず体にも影響が出ていた。

だが、仕事には大分慣れてきて

職場の顔見知りも増え

その中でも、茶髪とシルバーが混ざった

ロングヘアーでスラッとした体型の

ギャルっぽいメイクの整った顔立ちで

恐らく20代半ばぐらいの女の子と 

よく話すような関係になっていた。


「おつかれ~

やっと終わったねぇ!! 

まじ疲れたー!」

「お疲れ~。

いやぁ、今日は疲れたね!」


「ねえ、○○??」

「ん?」

「この後、なにしてんの?

飲み行こーよ!」

「えー、飲み?

ま~いいよ 行くか~」

と実は内心かなり舞い上がっているが

なるべく落ち着いて余裕のある返事をした。

「いいね! 行こ行こ!!

うち、いいとこ知ってるからさ~」

そう言うと

俺ではない、後ろの誰かを目で追い始め

「おーい、アンヘル!!」

と男性に声をかけると

男性はこちらに気づき

「おおー!! ギャルじゃん!」

といって男性がこちらに近づいてきた。

男性は、ぱっと見

ショートカットのハーフっぽい顔立ちの爽やかなイケメンなのだが

全体的に筋肉質で腕と足には

和彫りの刺青がはいり

近くで見るとかなり迫力のある人だった

ギャルとアンヘルさんの会話が一段落つくと

ギャルが、俺に紹介してくれた。

彼は、全く見えないが

俺の、一個下のようで

やはり、メキシコと日本人の

ハーフの方のようだった

表面上は、コワそうなイメージだが

少し話してみると

意外と優しそうな人で話しも盛り上がり

どうせならということで

多少不本意ながら

3人で、飲みに行くことになった。

居酒屋での飲み会が始まり

2時間ほど経ち

一通り話し終えると

ギャルは、数本目のタバコに火をつけて

アンヘルに

「ねえ、野菜って今ないの?」

と聞いた。

「あるけど高いよ。」

「やった!  いくら?」

「45かな。まとめてだったらすこし安くなるけど」

「45! え、全然いいよ!

インポート?」

「いや、今回は友達が持ってるやつ」

「ふーん…。 なんてやつ?」

「ク○ティカル」

「あ、ク○ティカル○ッシュ?」

「そうそう! バチバチだよ。」

「いいね! 明日3つひける?」

「いいよ」

「じゃあ、明日。」

ほとんど、意味がわからない会話だったのだが

「あの、そのクリティカルって

もしかして、大○??」

と恐る恐る二人に聞いてみた。

「うん? そうだよ。何個かいる?」

とアンヘルから恐ろしいぐらい   当たり前のように返事が帰ってきた

「うん!ほしい!」

「おっけー! ○○も草とか吸うんだね!」

「いや、本当最近吸い始めてさ…」

と俺は、今までの経緯を話した

誰かに、話したこともなかったし

話せることでもないと思っていたので

誰かに本当のことを言えたのが嬉しかった。


話が終わると

「わかるよ、その気持ち

俺も、ずいぶんと助けられてるよ」

とアンヘルがタバコの灰を落としながら言った。


「私も……」

ギャルも続いた

そこからは、○麻の話がメインになり

3人とも、口に出さずとも

一緒に回したいなぁという気持ちに

なっていたのだが

アンヘルの友達や後輩に聞いても

今日はどうしても難しいらしく

翌日用意してまた遊ぶことになった。


翌日

朝から、俺の家に集まり

アンヘルが、ギャルの注文と共に 

いくつか野菜を持ってきてくれた

「これ、ギャルので

これ○○のね」

そういって

渡してくれたパケのなかには

白い粉につつまれた

キラキラとした薄い緑色の塊が入っていた

さっそく、巻こうかなと思い

パケを開けて

巻こうとすると

「あ、俺持ってきかたらいいよ」

といって、アンヘルがジョイン○に

火をつけてくれた。


本当は、禁煙の部屋だったので

風呂場で吸いたかったのだが

彼の男前な性格になにも言えず

リビングで吸うことに

2本吸って(1本は風呂場)

部屋で、話していたのだが

特に、やることもなかったので

アンヘルの軽自動車に乗り込み

近くの山に行くことに。


アンヘルの選曲のレゲエとヒップホップを

中心としたプレイリストを流し

まわりを気にしながら

火をつけた

30分ほど走り、山にはいった

山にはいれば

ほとんど、警○も来ないらしいので

アンヘルは、よくここに吸いに

来ているようだった。


山に入ると

アンヘルはボリュームを下げて

音を止めた

すると、鳥の声が聞こえ始め

森の木々が、風で揺れている音が

耳に優しく届いてきた

15分ほど山道を登り

車を止めて

森の中に入っていき

誰もいない森の中で

ジョイン○を取り出して

3人でまわすことに

山の中で吸うジョイン○は格別だった

僕らの声の他には

鳥の声や風で揺らぐ

葉っぱや木々のささやきしか聞こえず

木漏れ日が、優しく俺らを照らしてくれる。


何度も訪れているこの山だが

新たな発見ばかりで

初めてきたような気分で楽しむことが出来た。


大きな倒木に腰かけ

2本ほどジョイン○を吸って話していると

「いやぁ、ブリブリだねぇー」

とアンヘルが、いきなり小学生が好きそうな

下ネタにも聞こえるような発言をして

「ね、めちゃブリってる」

とギャルもつづいた。

全く意味がわからないし

めちゃくちゃ、気になるので

「あの、そのブリブリってなに?」

と少し恥ずかしがりながらアンヘルに聞くと

「あー、ブリブリ??

うーん、なんだろうなぁ

ハイなときにブリブリって言うんだよね」

とアンヘルがいった。

「へぇー、ブリブリかぁ……

なんかおもしろいな」

その後

気が済むまで山を楽しみ

次は、山の裏側にある滝にブリブリで

向かうことに。


車に乗り込み

山道を進む

最初は、整備された道が続くのだが

滝が近づくにつれ

道は、悪くなっていき

ガタガタと揺れながら

慎重に車を走らせた。

「ねえ! 本当にこれ大丈夫なのー??

もう、進めなくないー?」

と、心配そうなギャル

「うーん、そろそろヤバそうだなぁ」

アンヘルは、いつも通り他人事のような

余裕な返事をかえすが

ガタガタの道のうえに

道幅も狭くなっていたので

そこからは

3人で歩いていくことに

「いやぁ、ブリってるねぇー」

とアンヘルがいうと

「ね! めちゃくちゃいいね~ 今回のやつ」

とギャルもつづいた

「いやぁ、これは食らうねぇ…、」

と俺だけあまり耐性がないので

特にふらふらになり

何度も、転けかけながら

慎重に歩き

なんとか無事に滝にたどり着いた。

滝は、離れた場所からでも

見えるほどの大きさがあり

近づいてみるとかなりの迫力で

水は滝壺に向かって

ごうごうと流れ

水しぶきが

こちらに激しく飛んでくる

聞こえる音は、水が滝壺に流れる音だけだった。


滝から少し離れた場所に

大きな大木が、倒れていたので

3人で大木に腰掛け

ジョイン○に火をつけると

滝の細かい飛沫が

風に乗って流れてきて

全身を優しくつつみこむ

もし死んでたら

ここにも、いられなかったし

みんなにも、会えていなかったんだな

そんなことを思い

改めて、Pのお兄さんや

みんなに感謝した。


その後、ギャルは用事があるようなので

先に、ギャルを家に返し

アンヘルと2人になった

ギャルを降ろし

少し走ると

「まあ、吸おうぜ 最後の一本」といって

ジョイン○をジャケットの

内ポケットから取り出し

火をつけると窓を少しあけて

俺に、ジョイン○を渡してくれた

外は、雨が降り始め

ジョイン○を吸い終わるころには

雨は、本格的にふりだしてきた。

特に、なにもしゃべらず

窓の外をみて

雨の音を楽しんでいると

「このあと、ひま?

ちょっと、付き合ってよ。

飯、おごるからさ。」

と、アンヘルが切り出した

「ん…まあ、暇だけど」

「よっしゃ!

じゃあ、ちょっとナビやってよ」

「あー…いいよ。」

スマホに、指定された住所を打ち込んだ

「こっから1時間か。結構、遠いなぁ…」

「うん、先輩のとこなんだけど

野菜受け取る約束してて

そこの、駐車場で約束してるんだよね。」

「そうことか、なるほどね!」

1時間後

大きなショッピングモールの駐車場に到着した

適当な場所に止め

連絡をすると

どうやら遅れているようで

車の中で待つことに

アンヘルが、はまっているバイクの話しを

永遠と話してくれるのだが

全く興味がもてず

ふんふんと相槌だけ打ちつづけていると

ネタが尽きたのか

携帯をいじり始めた

どれくらいの時間が経ったのだろう……

アンヘルのスマホのゲームの音のみが 

聞こえる車内で

外をながめながら

アンヘルのタバコを吸っていた。

すると、黒いワンボックスの

それらしき車が

こちらに向かってきて

斜め前に止まった

すると、アンヘルは

「ちょっと待ってて」といい

黒いワンボックスに乗り込んでいった

最初は、スマホをみていたのだが

警○が来ていないか気になり

なんとなく、外に目を向けていると

1台のパトカーが

引き寄せたかのように

こちらに、向かってきた

パトカーは、一直線に、こちらに向かってきて

パトロールという感じではなかった

動悸が激しくなり

心臓がばくばくと動いるのがわかる

本当に緊張すると

こんなに、バクバクするのかと少し驚いた

直接的には、関わっていないが

間違いなくめんどくさい事になるだろうと

考えていると

いろいろな、悪いイメージがわいてくる

ヤバいヤバいヤバい

パトカーは

どんどんこちらに近づいてくる

ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい

ドクドクドクドクドク

心臓が、先程よりも

激しく動いているのがわかる

足まで、震え始め

最悪の状況を覚悟して

携帯のカバーを外し

SIMカードを取りだそうとしていると

いきなりワンボックスの扉が開いて

アンヘルが、運転席に乗った

「いくぞ!」

そう言うと

アンヘルが手に持っていたバックを

俺に渡してきた。

チャックが空いていたので

中をのぞくと

サランラップに包まれた

ノートパソコンサイズの塊の大○がはいっていた

まじかよ……

アンヘルが車を発進すると同時に

黒いワゴンも走りだした

僕らの車と黒いワゴンが

反対方向に同時に走り出し

パトカーのよこを通り過ぎた

パトカーは、サイレンを鳴らし

赤灯をまわし始めた

どちらにくる?

助手席から、バックミラーで後ろを見ながら

どうか、こっちに来ないでくれと

バックを持ちながら祈っていた

祈りが通じたのか

ワンボックスのほうにパトカーはそのまま走っていき

こちらには、目もくれなかった。

「よっしゃぁ~!」

「ざまぁ~みやがれカスがぁ!!」

俺と、アンヘルは精一杯よろこび

警○を罵った。

「でも、あっちの車大丈夫かなぁ?」

と心配を声にだすと


「大丈夫だよ。

○○さんは、なんも持ってないから。」

と、アンヘルがヘラヘラと言った

「そうか……」

多少、心配は残ったが

自分達がかなり危険な状況から

逃れられたことの安心感が勝り

近くの公園でタバコを吸っていると

数十分後

○○さんから、アンヘルに連絡があり

結局、止められたが

証拠も物もなにも無かったので

その場で、解放されたようで

僕らのことを聞かれたが

知らぬ存ぜずで通したという。


お互いの無事がわかったので

アンヘルの家に戻り

部屋で、サランラップに包まれた

○麻の塊をだした。


「すごい量だなぁ

これ、どんなもんあるの?」

「うーん、100ちょいかな。」

○麻の塊は

サランラップが何重にも包まれているが近くで 匂いを嗅ぐと

大麻の甘い匂いが漂ってきた。


g5000円で捌くとしたら

100gで50万

目の前にある塊が50万

仕入れ30万で仕入れたというので

全部、捌けば20万が手元に残る…… のか?


始めてみた

まとまった量の大○と

身近にあった

全く知らなかった世界に不思議と興奮していた。


さっそく、アンヘルはサランラップを外し

机の上のスケール(計り)を取った

スケールをセットして

1円玉を乗せて

きっち1gなことを確認すると

大きな塊から

適量つまみ

スケールにのせ

細かい

1gきっちりに重さ調整した

「じゃあ、○○はパケにどんどんいれてって

もらっていい?」

となぜか、手伝うことになり

パケを触ろうとすると

「あ、前に指紋とかとられたことある?」

と、アンヘルが当たり前のように聞いてきた

「いや、ないけど……」

「おっけー! じゃあそのまま素手で

パケにいれていいよ~」

「え!!大丈夫なの!?

手袋とか、あるならつけたいんだけど!!」

「いや、大丈夫だよ

指紋とられてないから」

「いや、取られて無いけどさ〜!?

全然そういう知識ないから

まじで、頼むよ~。」

とぶつくさいいながらも

一応、作業は手伝い

10g程度草を残し

アンヘルの手が止まった。

「残りはそのままでいいの?」

「うん。

これは、俺の吸い口(吸う分)

とりあえず、1本吸おうぜ!」

キラキラのバッズを一つとって

小さなパケにいれると

パケのなかで、ハサミをつかい

器用に細かくし始めた

全体的に細かくなったので

クラッチをつくり

ペーパーに、パケから直接ふりかけ

1本のジョイン○を巻き終えた

「よっしゃ、吸うか!」

ライターで先端をあぶり

大きく煙を吸い込んで天井へと煙を走らせた。

「うん、うまい。腕あげたなぁ~」

満足そうな表情で

俺に、渡してくれた。

「いただきます。」

クラッチに口をつけて

優しく、煙を吸い込む

濃い煙が

口一杯にひろがり

吐き出すと華やかな後味が口に残った。

「うっわ! これめちゃくちゃうまいね!!」

「だろぉ、今回はアタリだな!」

続けて2本目のジョイン○を吸い終わり

二人とも、かなりいい感じになり始め

1時間ほど、2人で話して

その日は、解散した。

家に戻ると

初めての本格的に捕まるかもしれなかった

恐怖がじわじわと湧いてきて

一度草を辞めようかと思い

パケを隠したが

翌日には、アンヘルと一緒に吸っていて

その日以降、何度か3人で遊ぶようになった。

アンヘルからは、週に一度はかならず

草を買うような関係になり

大○がかなり身近にある生活になり始め

気がつくと

いつの間にか2ヶ月ほどの時間が経っていた。

ある日、アンヘルの家に草を引きに行って

ジョイン○を吸い終わった後

アンヘルが、草の入った

ジップロックに手を伸ばし

真剣な表情で

「なあ、○○

一緒に、プッシャーやんねえか?」

と、聞いてきた

「………。

うーん、なかなか怖いよね。」

「うーん、まあそうだよな…。

でも、金稼げるし

自分の吸う分はこまらないぜ」

「うーん……。

まあ、でもなぁー」

「一緒にやろうぜぇ~

俺も、一人よりか誰かと一緒にやりたいのよ」

「うーん

そんな、部活の勧誘みたいなノリで……」

「とりあえず、俺のネタ使っていいし

元値だけくれれば

利益は全部持ってっていいからさ。」

「え、まじで!?

うーん、そうなってくると

やりやすいな……。」

「だろ

まあ、いろいろ教えてやっからさ」

「うーん。

まあ、一回だけやってみるか……」

「いいね!じゃあ、これ

とりあえず20gでいいかな?」

「うん、いくつでも!」

「おっけ」

そういって、アンヘルは20個のパケを取り出し

大きなジップロックに移して

俺に渡してくれた。

商品とは言えど

20gの○麻

およそ10万相当の違法なものが

手元にあると思うと

ずっしりとした重みを感じた。

その後、細かいやり方などを話し合い

いろいろな事を教えてもらい

その日は、結局

アンヘルの家に泊まることに

大量にネタがあるので

余裕があるのか

アンヘルは、極太のジョイン○を  数本巻いて

2本目を吸い終わった頃辺りから

その日の夜の記憶は残念ながらない。


翌朝

二日酔いとも違う

まだ、少しブリっていて

あまり、頭が回らないような

不思議な気分で目覚めた。


アンヘルも起きて

さっそく、ジョイン○を吸うと

朝からとんでもないぐらいブリってしまい

そのまま、2度寝してしまった。

2度寝から覚めると

頭はさっきよりかはスッキリとしていて

もう、昼前だったので

近くのコンビニまで散歩することに。

適当な弁当を買って

部屋に戻り

テレビに繋げてある

ネットフリ○○○で映画を見て

夕方ごろには

俺の家まで、送ってもらった

家につき

ジョイン○吸って

ボーッとしていると

ギャルからの通話がきた。

「ねえ、聞いたよぉ~

pやるんだって~ いいじゃん!!

ウチも引ける人増えて嬉しいよ~」

「うん、そうだけど

本格的にやるかは、まだわかんないよ。

今回も20個預かっただけだし。」

「へえ、いいじゃん!

20個かぁ、すぐ捌けるでしょ

○○なら~」

「いやぁ、どうだろうなぁ……」

「よし、じゃあお祝いに10個引いたあげるよ

夜の給料でたから!!」

「え、まじで!

うわぁ、ありがとう。」

「いいよ~いいよ~

どうせなら、一緒に吸う?

○○の家、行っていい?」

「いいけど、なんもねえよ」

「全然、いいよ~。」

「おっけ!じゃあ、まってるね!」

「うん。また~」

30分後

警○を意識してか

いつもより、ナチュラルな化粧に

普段履かなそうな落ち着いた色のズボンをはき

黒縁のメガネをかけたギャルが

家に遊びに来た

「おまた~!

これなら、ばれないっしょ」

「うん、まあいつもよりは」

と含み笑いで伝えると

「なにそれー!」

と、いってギャルは笑った。

「とりあえず、ネタみる??

いいかんじだよ」

「見たいみたい!」

大きなジップロックから

10個のパケを取り出し

机の上におくと

ギャルは、パケを一つとった。

「え!? ちょー!いい感じじゃん!」

そういって

スマホのライトで照らして、満足げに見ていた

パケをあけて中の匂いをかぐと

「うーわ! さいこぉー!」

と言ってニコニコして

「あ、これお金ね!」

と言って

かわいい、ポチ袋を渡された。

厚みから、お金がはいっていそうなことは

わかったし

ギャルを信用していたので

中はあえて確認せず、ポチ袋を財布へ忍ばせた。

「ありがとう」

「こちらこそだよー

まあ、とりあえず吸おうよ!」

ギャルは

ネタを取り出して

自分の、小さなトレーを鞄からだして        長い爪を器用につかいながら

ネタを細かくしだした。

あっという間に

細長いきれいなジョイン○を作りあげ

年代物のジッポで火をつけた。

1本吸い終わり

気になっていたジッポのことを聞いた。

「いつも思ってたけど

かっこいいライターつかってるのよな。」

「うん? あ、これ?

うん、いいでしょ。前のカレのなんだ」

ジッポを手に取り見つめながらいった

「あ、そうなんだ……

未練とかあるの?」

「ううん、バイクで死んじゃったからさ

持ってるんだ。」

「あ、そんなんだ。

ごめんな、なんか……」

「ううん。○○が、気にすることじゃないよ

まあ、吸お!」

「そっか、ありがとう。」

その後2gほど吸って

ギャルは残りの大○を持って家に帰ることに。


「ありがとうね。

ちょー楽しかった! また、連絡するね!」

「うん、また!」

ギャルを途中まで送り

部屋に戻ると

大○の匂いとギャルの香水の残り香がフワッと香った

前回の彼女の浮気で

恋愛は、こりごりだと思っていたが

ギャルのことを知るごとに彼女に惹かれていった。

トレーには、まだジョイン○1本分ぐらいの

砕いた大○が残っていたので

1本巻いて

一人、音楽を聴きながら火をつけた。


翌日

疲れからか、昼の12時頃に起床すると

Sig○alの通知がきており

確認すると

ギャルからの、メッセージが届いていた

[昨日の野菜

すごいよかったよぉ~

先輩も、欲しがってるんだけど

紹介してもいいかな??]

[よかったよー

もちろん、ありがとう~]

とすぐに返信をすると

ギャルから

すぐに、返信が帰ってきた。

少しすると、ギャルの先輩からも、メッセージが届き

なんと、10個も欲しいというので

近所のスーパーの駐車場まで来てもらうことに

スーパーは歩いて5分ほどの距離にあり

少し警戒しながら自転車で向かった。

約束の時間を、すでに5分ほど過ぎていたので

自転車を止めて

特徴を伝えられたシルバーの車に近づいていった

ギャルの先輩なので

タトゥーびっしりの厳つい人かと思っていたら

メガネをかけ白いシャツを着た

色白で真面目そうな人が座っていた。

助手席の方にまわり

中を覗くと

こちらに、気づいたようだが

なぜか不可解な顔をしてこちらをみている。

「あのー、ギャルの~…」

と窓越しに伝えようとすると

近くに、止まっていた

車から

タトゥーがびっしりとはいった

金チェーンのネックレスをつけた輩が

こちらに向かってきた。

なるべく

そちらを見ないようにしていたのだが

なぜか、こちらに話しかけてきた

「あのー、もしかして

○○さんですか? ギャルの~?」

「え!! あ!?

もしかして、先輩さんですか?」

「あ、はい。」

「あ、そうだったんですね!   

全く知らない人に売っちゃうとこでした」

と笑いながら返事をして

運転手さんに窓越しに謝り

先輩の車に乗り込んだ。

中にはいると

ココナッツの甘い匂いが充満していて

スピーカーからは、爆音で英語のヒップホップの音楽が流れていた。

「すいません、ありがとうございます。

わざわざ、来てもらちゃって…」

「いやいや、全然、全然!!

あ、これお金です!」

そういって、

裸の諭吉が5枚渡された

5枚きちんとあることを確認して

物を渡した。

「ありがとうございます。

おおー、いいかんじですね!」

ネタを渡すと

彼は、軽く見て

すぐに、車の秘密の場所に忍ばせた。

「じゃあ、またいつでも連絡ください!」

「はい、ありがとうございます

またまた!」

取引現場に長くいる必要は全くないので

最低限の会話をして車をでた。

車を降りると

違法性があるものは所持しておらず

5万円がジャケットに代わりに入っていた

今までに、感じたことのない高揚感を感じながら家へと戻った。

さっそく、アンヘルに

全部、捌けたことを連絡して

アンヘルの家にむかった

20個分の元値の6万を渡した。


「いやぁ、すごいな

○○、ぜってぇー才能あるよ。」

「いやぁ、たまたま運がよかったよ」

「運もpやってる奴には

めちゃくちゃ、重要だぜ。」

「まあ、確かになぁ~」

「で、どうする?

昨日、また100gはいったから

また、持ってく?」

「うーん、ちょっと迷うなぁ……

ぶっちゃけ、リスクもあるしなぁ……」

「まあ、無理にとは言わないけどさ…」

「うーん、まあちょっと今日は

戻って考えるわ。」

「あいよ。

まあ、また連絡ちょうだいよ」

「おっけー、じゃあまたな!」

家に戻り

机に、財布を確認すると

裸の諭吉が4人こちらを見ていた。

2人に渡しただけで

4万円かぁ…

実際、金もないしなぁ…

結局1時間ほど悩み

これで最後という条件を自分で決め

アンヘルに連絡をして



翌日の仕事のあとに50発受け取ることになった。


翌日、職場について

中にはいろうとすると

なぜか、アンヘルの車がとまっていた

「え、なんでここにいるの?」

「いやぁ、ちょっとこの後

予定はいっちゃったからさぁ~これ50個ね。」

といって白いビニール袋を渡され

中をみると大きなジップロックに 

パンパンに大○がはいっていた。

「えー、いやいや!!

無理だよこれからバイトだし!!」

「俺も、これから用事があるから。

ヤだよ持ってるの!」

じゃあ、なんで持ってきたの?

といいそうになったが、

余計な話しをしている時間はないので

やむなく受け取った。

とりあえず、バックにしまい

ロッカーの中にいれて

普通通りに仕事にむかった

いつもなら、ぼけぇーっっと

過ごしている職場だが

今日は、ロッカーに50gはいっているという

非常に、スリリングな状況で

いつもとは違い

草のことが気になりすぎて

より仕事に身がはいらなくなっていた。

拘束時間の出入りは

トイレ休憩であれば自由なので

トイレにいくがてら

420番のロッカーを確認しにいくと

400番あたりから

フワッと、あれっぽい匂いが漂ってきた

420に近づくにつれ

匂いは強くなっていき

420の目の前は

確実に、物の匂いが漂っていた


これは……

やばいな……

一応、ロッカーをあけて確認してみると

ロッカーを開けると同時に

本来なら幸せなぐらいの強烈な匂いが漂ってきた。

うーん……

なるほど

なるほど

バックを開けて状況を確認すると

なんと、ジップロックのチャックが少し空いていた

ものすごい、梵ミスに気付き

すぐに、バックの中でチャックを閉めた。

すると、先程の強烈な匂いは

大分落ち着き

ロッカーを開けなければ

そこまで、わからないレベルの匂いまでには落ちついてくれた。


一つ、心配が消えたので

いつも通り、ぼけぇーっっと    仕事をしていると

作業場所がかわるようで

場所を移動して2人組で作業することになった。

俺と一緒に作業するのは

hiphopが好きそうなダボダボの服を着た年下のりくという男の子で

所々にタトゥーはあるが

アンヘルに見慣れてしまっているので

あまり、驚かなくなった。

仕事内容は

段ボールを解体するという

半ば遊びのような仕事なので

駄弁りながら作業していると

度々、大○を匂わせる発言をしていたので

「野菜好きなの?」とストレートに聞くと

「え、めちゃくちゃ好きっす!」

と、待ってましたとばかりに食いついてきた

「あー、だよね!?

俺も好きだよ!」

「まじすか!!

って言っても、自分は吸い始めた

ばっかなんすけど」

と少し恥ずかしそうに言った。

「そうなんだ!

でも、おれも全然吸い始めだよ!」

「あ、マジすか!

ってか、よかったら

僕、1本巻いてきたんで

昼飯のときにでも、どうすか?」

と後半にかけてボリュームを下げて後輩君が伝えてきたので

「え、まじで!最高じゃん!」

と、こちらもボリュームを下げて言った。

そこから、二人でうっきうきで仕事をして

昼休みまで

野菜について語り

待ちに待った昼休み

二人で、そそくさと職場を抜け出し

駐車場へむかい

車に乗り込み少し離れた公園の駐車場に止めた。

「いやぁー、とりあえず

先吸います?」

と後輩君がにやけながら言った。

「吸いましょう!!」

すると、彼は後部座席にいき

どこからか、ジョイン○を取り出してきた。

そして、運転席に戻ると

「これっすこれ。」

とヨレヨレの太巻きのジョイン○を見せてくれた

「うわ! めちゃ太巻きだね!

ありがとう。」

「まあ、吸いましょう

吸いましょう!」

彼は、ジョイン○に火をつけて

軽く1服すると俺に渡してくれた。

「いただきます。」

「どうぞどうぞ」

軽く煙を吸い込むと

濃い煙が肺に流れ

ゆっくりと吐き出すと

柑橘類のような爽やかさを感じた

「これ、すごい美味しいね!」

「いいかんじですよね!

スーパーレ○ンヘイズってやつっすね!」

「おおー、なんか

すごい名前だね。」

「けっこう、有名な品種らしいですよ。」

なんて会話をしながら

ジョイン○を吸いおわり

「ごちそうさま。」

「すごい、おいしかった」

と、トローんとした目で

お礼をすると

「いえいえ 全然全然

めちゃくちゃとぶっすね」

彼の目も真っ赤になっていた。

「ちなみに、これ一個いくらくらいで引いてるの?」

「1個75ですね。」

「75かぁ…まじで??」

「はい、結構高いっすよねぇ

でも、押してくれる人あんましらなくて……」

と、彼は残念そうに言った

「ああー、そっかぁ…」

おもむろに自分のバックを取り出し

彼に渡した

「中、あけていいよ。」

「え? あ、じゃあ。」

そう言うと

彼は、慎重にバックを開けて

すぐに、ニヤけだした

「……え!? まじっすか?

もしかしてpやってるんですか?」

「新米pですが‥

よろしくお願いします!

5で売ってるから、いつでも連絡してよ」

「ええ~!?まじすか!?

え、ちょっとネタとか見てもいいですか?」

「いいよいいよ。」

彼は、パケを一個取り出して

見た目や匂いを確認した。

「うわぁ、めちゃくちゃいいっすね。

何てやつですか?」

「バニラってやつだね。」

「バニラっすか。

でも、確かにめちゃくちゃ甘い匂いしますね~。

え、ってか5個ぐらい引けます?」

「もちろん、5個選んでいいよ。」

彼は、軽く探り5個選んで

25,000円を渡してくれた。

「うわぁ、ありがとうございます。

2,500円も安くなったんで

かなり助かります!」

「いえいえ、こちらこそ。

ありがとうございます。」

「ってか、よかったら

僕、巻くんで

もっと、吸っちゃいます?」

「え、いいの?」

「もちろんっすよ

さっそく、巻いちゃいますね。」

そういうと彼は、パケにハサミをつっこみ

1gを全て細かくして

赤マルのたばこを少し混ぜて

r○wのペーパーで巻き

火をつけた

「うわぁ、これもめちゃくちゃおいしいですね。」

「美味しいねぇ~

おれも今日の朝ゲットしたから、吸ったの始めてだわ」と笑いながらいうと

「えーー、まじすか?

よくわかんないすけど

いいっすね」

と、赤目で言った。


その後、後輩君が

巻いてくれたことに気を大きくして

俺も1本巻いて

結局、1時間休憩中に3本も吸ってしまい

かーなーりブリブリになりながら

職場へと戻った。

明らかに、目が開ききっていないのとブリった時   

特有のピンク色に近い赤目だと思うので

帽子を深くかぶり

なるべく、人と目を合わせないようにして

段ボールの廃棄の仕事を続けた

幸い

それからは、二人きりなので

「いやぁ、ブリブリだねぇ~」

「ブリブリっすねぇ~」

と、喋りながらゆっくりと作業を続けた。

ブリブリだったからか

すぐに、仕事の時間は終わり

後輩君と一服して各自家路につくことに

「じゃあ、お疲れ様です~

また、吸いましょう~」

そういって、彼は車で帰っていった

そこから、何度かりくと遊ぶようになり

あまり後輩は得意ではなかったが

りくの、まっすぐな性格にいつも救われていた。

ある日りくの提案で

BBQをすることに

ギャルや、アンヘルも呼んで

近くの川で、BBQをして

肉を食べて

草を吸って楽しんでいると

りくが、派手な模様と色をしたアルミのパケを取り出した。

「あのぉー、今日おもろいの持ってきたんですけど  もしよかったらどうすか?」

「なにそれ?」

とギャル

「なんか、合法の大麻みたいなやつですね」

「へぇー」

興味津々なアンヘルと俺

さっそく、中をあけてみると

大麻とは、全く違う何かの薬品のようなのつんとする 匂いがしたが

一応緑色の、お茶っ葉のような

ものは入っていた。

りくは、パイプに少量いれると

僕たちに

「吸います?」ときいてきた。

「あ、じゃあ」といって

アンヘルが軽くすって

貯めてはくと

「あー、おれは、もういいかな」

といって俺に渡してくれた

興味本意で吸ってみたのだが

味も草とは全く違う

薬品を炙って吸っているような味で

すぐに、はきだすと微かに

大○のような後味がして

すぐに、頭がパーンとなるような衝撃を感じ

多幸感がすごく

手から汗が止まらなくなった。

「あー、これはやばいね」

一応、ギャルの方をみたが

首をふっていたので

りくに返した

すると

りくは、さらにパンパンにネタをいれて

一気に吸い込んだ

すると、最初は

楽しそうに、目をつぶってうなずいているのだが

いきなり目を開けて

見えない何かに怯えはじめ

謝り始めた。

俺らは、バットに入ったのだろうと

ねかせたり

水を飲ませたりとすすめたのだが

効果はなく

りくの暴走はとまらず

裸足で、石の上を走り回っていた。

なにかに、とりつかれているのではないかというぐらい

こっちの言うことにも耳を貸さず

何かから逃げまわっていた

さすがに、大声で暴れだし

人が来てもあれなので

車にのせようとするが、車にも乗らず

最終的には、俺らまで怖がり初めていた。

4時間ほど、りくを抑えていたが

治る兆候はなく

仕方がないので

両親に連絡をして迎えに来てもらい

父親が、申し訳なさそうにりくを引き取り

車で帰っていった。

俺らは、後片付けをして

なんとも言えない感情で

ジョイン○を吸って家に戻った。

その日以来、りくは仕事をやめて

連絡は帰ってこない

バッドに入るなんて

誰にでもあるのに…

いつか、またりくとジョイン○をまわしたいな。



最後まで、ご覧いただきありがとうございます。

こちら、8章まで続きますので

気になったかは、ぜひプロフィールのURLから

とんで、頂ければご覧いただけますので

どうぞ、よろしくお願い致します。

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