街中での出会い 2
ひとまず、夜叉丸とスケとパーティーを組んで、あいらんは冒険者ギルドにやってきた。
冒険者ギルドは道端のNPCに聞くと、行き方を教えてくれる仕様だった。
「おう、いらっしゃい! ギルド登録かい?」
「あぁ。なぁ、おっさん。冒険者ギルドに登録すると、どういうメリットがあるんだ?」
「よし!じゃあ、ちょっと説明してやるよ」
要約すると。
①ギルドに登録した冒険者は、冒険者ギルドの依頼を受けられるようになる。
②ギルドの口座やアイテム預かりサービスを使用できるようになる。
③依頼料を払い、戦闘訓練や魔法訓練を受けることができる。
④冒険者ギルド地下の演習場で、スキルの練習などができる。
などなど。冒険をする上ではかなり楽になりそうだった。
「後は、まだお前さんたちには早いだろうが、依頼をどんどん達成すると、冒険者のランク上げができるぞ」
「まぁ、俺たちはのんびりやるつもりだから、今はそんなに焦らねぇかな。三人登録で頼む」
「そうか。じゃあ、これが登録用紙だ」
渡された登録用紙に名前やスキルなどを書いて、提出する。
すると、冒険ギルドのギルド証がもらえた。
アイテムは、各自のインベントリの中に入れられる仕様で、重要アイテムは死亡してもなくさないように、インベントリの重要アイテムの中に入るようだ。
トントン、と肩を叩かれて、あいらんは再び受付のおっちゃんの方を向いた。
「ところで一つ耳寄りな情報があるんだが・・・聞くかい?」
「耳寄りな情報? 聞けるなら聞きたいけど」
「じゃあ、教えてやるよ。ここから北にある、ボンツネガ平原に行ってみな。おもしろいことが起きるぜ」
「ボンツネガ平原? どんな魔物が出るとか、教えてもらえる?」
「それなら、あっちの売店で地図を買うといい。そしたら、ついでに出てくる魔物も教えてくれるぜ!」
「ありがとう!」
「おう!採取依頼は後でもいいが、討伐依頼は行く前に受注しねぇと二度手間になるからな! 気をつけろよ!」
と、いうわけでお薦めされた通り、冒険者ギルドの売店で地図を購入し、ボンツネガ平原に出てくる魔物の情報も教えてもらった。
ボンツネガ平原に出てくる魔物は五種類で、ホーンラビット、スライム、シルバーフォックス、アイアンボア、ポイズンヴァイパーであり、ボス魔物はシルバーウルフとのことだった。
「じゃあ、ひとまず初めての冒険だし、スライムとホーンラビットの討伐だけ受けとこうか。あいらんちゃんもそれでいいかな?」
「大丈夫です」
「・・・ぐっ。かわ・・・」
夜叉丸はあいらんが頷く姿に身悶えする。
「それより、あいらんちゃんは装備、着けてないの?」
「あ、そうですね。着けてるのですが、スケルトン化をオンにしてます」
「スケルトン化なんてあるんだ。オフにするとどんな感じ?」
あいらんがスケルトン機能をオフにすると、布の服に、布のズボンといった、どちらかといえばダサい格好のハムスターが出来上がる。
「スケルトン機能は、オンにしておいた方が良さそうだね。って、あれ? 夜叉丸? なんか目が据わってない?」
「・・・・・・・・・。なんでもない。とりあえず、出発するか」
あいらんは再びスケルトン機能をオンにして、夜叉丸とスケについていくのだった。