真神聖……ブリブリ王国 -2-
「……」
横を向いて、視界の端に少女を捉える。
少女は俺の背中に指を立て、スライドする。触れられてる感触はしない。
すると、俺の背中が青く発光した。
「——え?」
呆けた声。視界の端に映る表情は呆然と表現するのが正しい。
それから十秒ほどして、固まっていた少女がハッとする。
「すみません、もう大丈夫です」
ステータス、というなら高い低いがあると思うけど、今の反応からだと分からないな。
「あれ? なんでだろう。ステータス確認は間違っていないはずなのに」
「……あの?」
「はい! すみません、私のステータス確認もお願いします」
小さい声でブツブツと呟く少女。声をかけると、少女も後ろを向いて服を捲し上げ、綺麗な背中を晒した。
「……」
思わず言葉を失う。
いや、だって。浮き出ている肩甲骨や理想的なくびれ、柔らかそうな肌に——白色の下着。言葉を失わない方がおかしい。
邪な考えは捨てろ、俺。ステータス確認だ、ステータス確認。
かといって、ステータス確認のやり方は知らない。
「……?」
宙で指をスライドさせても青く発光するとはなく、ステータスも表示されない。
俺は思い切って背中に触れ、スライドした。
「ひんっ!?」
「っ!?」
喘ぎ声に近いそれに思わず俺もビックリ。
少女はバッと距離を取って胸元を隠し、赤面しながら俺を睨みつけてくる。
「な、なななな何をするんですかっ!」
「す、すいません! ステータスの出し方分からなくて見様見真似で!!」
青く発光しないし、ステータスも表示されないからと焦って背中に触れてしまった俺が悪い。
相手は女の子だ。三十路におっさんに背中を見せるのでさえ嫌だろうに、触れられるなんて以ての外だろう。
「あ、いえ……そうですよね、異世界から来たならステータス確認の仕方なんて知らないですよね。ごめんなさい、大きい声を出してしまって」
そこで俺は少女の口調が若干崩れたのを感じ取った。
さっきまでは王国の王女様といった口調。今は謝罪の言葉がすみませんからごめんなさいに変わったり、年相応の口調。
そっちの方が俺としては嬉しい。もちろん強制することはないけど、気を張っていると疲れるだろうから。
「口頭で伝えますね」
口頭で教えてもらったステータスを俺風にすると、
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名前:ソフィア・リ・ブリフィリス
性別:女 種族:人間 年齢:十六
物理攻撃力:52 魔法攻撃力:92
物理防御力:62 魔法防御力:88
魔 力 量:128 精 神 力:82
命 中 率:48 俊 敏 性:62
運 力:82
『スキル』:
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若いだろうとは思ってたけど十六歳か。