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ステージ2(はじまり)

 レンゲ・ハイネとともに『自分』を探す旅に出たコクメ

 彼らはついに雪原を抜けた


コ:それで、レンゲ。ここから近場の町まであとどれくらい?


レ:やっぱり気になるか?


コ:まあね。頼れるのはレンゲくらいだし


ハ:ごめんね、わたしに記憶がないばかりに


コ:謝らないで。記憶がないのはボクもだし、それを見つけるための旅だからさ


ハ:……うん


コ:それで、レンゲさん?


レ:わかりません


コ:――――は?


レ:皆目検討もつきません


コ:おまっ、この、馬鹿レンゲ! なんでそういうことを先に言わないのさ! ボクたちはどこに向かって歩いてるの!


レ:目的地のない旅。言葉だけでもロマンが溢れてるだろう?


コ:こ、このっ。服を調達したいんでしょうが!


レ:お前から借りたマント、着心地よすぎてさ。お前が悪い


コ:理不尽にもほどがある!


レ:それにオレ、肌に合う布じゃないとすぐにひび割れるんだよ


コ:あー、言われてみれば乾燥肌だよね


ハ:ぱっくり割れて痛そう。わたしが治そうか?


レ:いや、慣れてるから大丈夫。オレのアイデンティティーみたいなものだし


ハ:そうなんだ


コ:結局、これからボクたちはどこを目指して歩けばいいのかな?


レ:ノープラン。気ままに行こうぜ?


コ:お前、ハ……ハっちゃんもいるのに


ハ:わたしもレンゲくんに賛成だよ。急いで記憶が戻るわけじゃないし、こうやって二人とのんびり時間を過ごしたいな。ほら、コーくん見てみて、すごい! 緑がこんなにたくさん!


コ:そ、そうだね。ハッちゃん……


ハ:雪もすごく好きだけど、緑いっぱいの草原も負けないくらい好き。たくさんのいのちがはずんでるような気がして、わたしまで踊りたくなっちゃう。向こうまで一緒に競争しよっか、コーくん!


コ:そ、そうだね……ハッちゃん


ハ:どうかした、コーくん? 


コ:今更なんだけどさ……やっぱり違う気がするんだ、ハッちゃんって呼ぶの


ハ:あ、そうだよね……。ごめんね、馴れ馴れしくて


コ:あ、そうじゃなくて! あだ名で呼んでくれるのはすっごい嬉しいんだ。ただ、ハッちゃんって呼ぶのがどうもしっくりこなくて……


ハ:しっくりこないの?


コ:ボクにもいまいちわからないんだけどねえ


レ:男っぽいんじゃないか、ハッちゃんって


コ:うーん。なんとなくわかる気もするけど……じゃあ、なんて呼べばいいんだろう


レ:イッちゃんってのはどうだ?


コ:イッちゃん……?


レ:ハイネの『ハ』がダメだから『イ』で呼ぶ。単純だろ?


コ:まあ、たしかにイッちゃんのほうが女の子らしくてぴったりかも


ハ:イッちゃん……うん、わたしもいいと思う!


コ:それじゃあ改めてよろしくね、イッちゃん!


イ:こちらこそよろしくね、コーくんっ


 二人の間にやわらかなそよ風が吹き込む

 なんともすがすがしい天気だ


レ:オレ、なんでここにいるんだろうな


コ:え、レンゲも突然記憶喪失?


レ:んなわけあるか。オレはお前にみたいに脳細胞が死んでないんだよ


コ:なんだと! ボクの脳細胞のことを知らないくせに、よくそんなことを言えたな! シナプスくんはクラスで一番頭がいいんだぞ!


レ:意味わからんことをまじめな顔で言うなこっちが間違ってるか不安になるだろ


イ:あはは、二人とも仲いいね


二人:よくない……ッ‼


コ:(くそう、このままだとレンゲと同類の馬鹿だと思われてしまう。それだけは避けなくちゃいけない!)


イ:コーくん?


コ:(ここは名誉挽回を狙って、イっちゃんにかっこいいところを見せないと!)


 ぐぐぐと、屈伸するコクメ

 彼は今、国を背負った選手のような気分だった


コ:(レンゲがいなきゃ、イッちゃんとはいい感じなんだ。成功すれば好感度がうなぎのぼりのうなぎパイでパイパイなはず! ぐふ、ぐふふ……パイパイ……)


レ:コクメ、お前ろくでもないこと考えてるな?


コ:はっはっは、気のせいだよ。それより見ててね、イッちゃん


イ:う、うん


 コクメは今、スポーツマンシップにのっとり!

 正々堂々、華麗なる一撃を繰り出そうとする!


コ:いくぞおー‼


 コクメの中に二つの選択肢が浮かび上がる


 3ステップロンダートッ‼ ……ステージ2(A)へ

 超強力走り幅跳びッ‼ ……ステージ2(B)へ


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