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ロスト・ライフ~女の子に食べられる前夜~【ロールプレイングゲーム型小説】  作者: 空超未来一
【ステージ0】: 始まりの森はありのままの姿で
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ステージ0(はじまり)


 暗い洞窟の中。

 彼の意識が戻る。


主:いたたた……っ。あれ、ここは?


主:さっきまでボク……――――ん? 今しがたまで覚えてたはずなんだけどな……


 手のひらを見つめても何も変わらない


主:ダメだ、何も思い出せない


 ピチョンと滴


主:くさあっ⁉


 体を起こして騒ぎ立てる

 カチャリと足元のナニかに触れた


主:なにこれ、氷でできた剣? すごい綺麗だけど……


 念のため腰に差しておく


主:とにかく、まずは状況を知るところからかな。ここは真っ暗で何も見えないし、岩壁に沿って歩いてみよう


 壁は苔で生い茂っており粘り気があった


主:うう……臭いし気持ち悪いし、早く抜け出せないかな……ん、あれは光?


 うっすらと視界の先の色合いが違う


主:出口だ!


 彼は一目散になってに駆け出す

 洞窟から出ると、そこは森の中だった


主:静かだ。ボク以外に誰かいる気配もなさそう……


 大きな進展は期待できないが、視界を確保したことにより自身の姿が確認できる


主:質素な布服に真っ暗なマントを着てるけど……旅人だったのかな、ボク?


 首をかしげる

 ポンと手を打って、


主:まあ、悩んでても仕方ないよね。とにかく森を抜けて人里を探そう。どうせ一人なんだ。気ままに旅を楽しんだ者勝ちだよね!


 透明な剣を地面に突き立て、倒れた方向へと進むことにする

 ころんっと、運命が示すほうは洞窟の入り口とは反対の方角だった


主:よし、これからボクを待ち受けるのはワクワクドキドキの冒険だ! 楽しんでいくぞう!


 そう偽っていないと心の均衡が崩れてしまうからね、と

 彼は言葉で偽り、失われた自身の記憶を探す冒険へと一歩踏み出した


主:――――


 開始三秒で幕が閉じる

 全裸の男が尻を突き出して倒れているではないか


主:なんで? 今からワクワクドキドキの冒険が始まるんじゃないの?


尻:…………


主:た、助けたほうがいいのかな。実はどでかい王国の王子さまだったりして


尻:…………っ


主:え、っと……大丈夫ですか?


尻:……ぉ


主:お?


尻:お……ぱんつ


主:さあて、人里はあっちかな


尻:待ってお願い見捨てないで!


主:うーん、それにしてもこんな小汚い身なりで人前に出ても大丈夫なんだろうか


尻:身なりすら心配できない満身創痍の人が目の前にいるんだから助けてよ!


主:……


尻:露骨に嫌そうな顔するな!


主:ええっと……どうかされたんですか?


尻:よくぞ聞いてくれた。実はそこの崖の上で足を滑らせて服がビリビリに破けたんだよ。ちょっとした布でもいいから誰か恵んでくれないか待ちわびてたとこなんだ


主:ちょっと待って。今膨大な情報量を整理するのに必死だから


尻:いやあ、ホント災難だわ。まさか崖の下にいばらの園があるなんてよ。おかげでお気に入りのジーンズがボロボロじゃないか


主:これ以上余計なこと言わないでもらえます?


尻:ここで会ったのも何かの縁だ。ここはひとつ、あんたのそのマントを譲ってくれないか?


主:いや、まあ……これ以上ブラブラされるのも目に毒だからいいけどさ


尻:おお! サンキューだぜっ‼


 青年、全裸男にマントを渡す


尻:はああん。これこれ、このぬくもりだよ。生きててよかったあ


主:あの、マントをあげた代わりといってはなんだけどさ、ボクを人里まで案内してくれないかな?


尻:ん? これまたどうして?


主:ボク……記憶がなくてさ


尻:記憶がない?


主:うん。これ以上何かを伝えることができないくらいには何も覚えてないんだ


尻:ふうん……? んで、とりあえず人里に行っておきたいと


主:もしかしたら、何かを思い出すと思ってね


尻:……わかった、いいぜ。オレが案内してやるよ


主:ほんと? ありがとう、助かるよ……ええっと


尻:あ、名前か? オレはレンゲ。のうのうと気ままに冒険してるただの旅人だ


主:そっか。旅人なんだ


レ:んで、お前の名前は?


主:ボクは、その……


レ:なるほど。名前も覚えてないと


主:うん


レ:なら、コクメって呼んでいいか?


主:え、コクメ?


レ:お前の黒い目、すごい印象的だからさ。クロメ、だったらなんか女っぽいし


主:コクメ、か。うん、わかった。ボクはコクメだ


レ:よろしくな、コクメ


コ:こちらこそ、レンゲ


レ:んじゃ、さっそく出るとするか。オレも服とか欲しいし


コ:道案内、お願いね


レ:おう、オレにどんと任せとけ! とはいっても、ここを道なりに進んでいけば大丈夫なんだがな


コ:そっか。それはわかりやすいね


レ:おうよ


 三十秒後のお話。


コ:――――で、これどっちにいけばいいの?


 直進の道は途絶え、道は左右に開いている。


レ:おかしいな。植物の成長が早いのかな?


コ:そんな急に森は変わらないから。はあ……、レンゲに頼ろうとしたボクが馬鹿だった


レ:ひどい言われようだな


コ:信じられるのは己のみ。よおし、任せてよ!


レ:へえ、あてでもあると?


コ:ここはボクの勘の見せ所だ!


レ:勘かよ


 左へ進む場合……ステージ0(A)へ

 右へ進む場合……ステージ0(B)へ


 目次から該当の箇所へ飛べます。

 コクメを導いてあげてください。


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