初めての冒険②
白いスライムとの戦いが始まった。
依頼完了までの数は残り5だがスライムはそれとは関係なくうじゃうじゃわいてくる。
「くそ、どんだけいるんだよ。魔力尽きるっての」
「ほう、ポーション飲んでますか?」
ゼクの問いにほうは飲んでないと答えた。
なんでもこんなところで手こずっていたらこれから先はないとのことだ。
だが、まずは
「ほう、現実を見ろ」
俺達はまだ新米の冒険者だ
将来の素質があるにせよ最初はまだ難しいなので俺もポーションを飲むように説得した。
ほうはしぶしぶポーションを飲んで回復した。
「雹華」
ふりぃの範囲魔法で赤色と白色以外のスライムを蹴散らす
だがこれほどの魔法、新米の冒険者であるふりぃが連発しても大丈夫なのだろうか・・・。
一抹の不安を覚えながら俺は白色のスライムとの戦闘に専念していた。
「くそ、なんだよ。こいつ全然切れねぇ」
小刀とはいえ二刀流で絶え間なく攻撃しているのに全くダメージを与えているようには思えない。
白いスライムは俺の攻撃をかわすと地面につきそして思いっきり俺の腕へと攻撃する。
「ぐぎゃゃゃゃ」
変な音とともに俺の腕へと激痛が走る
打撲じゃなく明らかに骨が折れている。
右腕がだめになった。
そして左腕しかない。
痛みがあり俺は冷静な判断が出来なく左腕も折れてしまった。
「ぐぎゃゃゃゃゃ」
痛みがあったものの力をぬき肩を使って辛うじて動かせる。
だがそれも思うようには動かせない。
後使えるのは両足ぐらいだ。
俺は魔力を足にめいっぱい込めた
何の属性だか分からない俺の魔力だがそれでも魔力が全くないということではないなので全魔力を俺は足に込めた。
限界を超えた事柄には必ず反動がくる、俺の足自体自分の魔力でボロボロになっていた
それでも目の前のこいつを倒せるなら・・・
「おりゃゃぁゃゃ」
白いスライムに向かって攻撃した。
だが、白いスライムには、ぽよんといった感触で俺の攻撃は全く聞いていなかった。
これで右足もダメになった。
右腕は駄目になり左腕も駄目になりそして右足も使い物にならなくなった。
俺は立っているのもやっとの状態である一つの賭けを思いつく。
ほうはたしか剣先から自分の属性の魔法弾を出せたのなら俺もできる筈だ、もっとも何の属性かは分からないけど。
MPポーションをすべて飲み俺は今の限界量をはるかに超えた魔力で自分の前に魔法弾を出した。
動きが速い敵だからギリギリまで引き付けてそして自爆覚悟で俺はそいつにそれを放った。
「魔爆発」
そしてやっと白いスライムは一匹消し飛んだ。
だがあと四匹もこれと同等の強さを持ったスライムが居る。
撤退も考えたが俺のせいでそれもかなわない、どうすればいいか痛さも相まって分からずにいた。
「どうするんだ、アン」
ほうから言われたが答えられなかった。
リーダー失格と言われればそれまでだが正直打開策が見つからなかったんだ。
「分かんねえ・・・」
俺がそう答えると、ほう・ゼク・らてぃ・パルは各々先ほどとは違う装備を展開させていた。
「まあ、これに頼りたくはなかったんだけどな」
ほうがそういうと先ほどとは全く違う装備をほう・ゼク・らてぃ・パルは纏っていた。
おそらく親から受け継いだものだろう。
「ほう、今の俺達じゃこれは扱いが難しい
数倒したら速攻で引くぞ」
ゼクの声とともに、ほう・ゼク・らてぃ・パルが動く。
「炎帝剣」
「雷帝剣」
「風王剣」
「水王剣」
各々がそう叫ぶと装備が出現する。
だがそれはまだ強すぎる力みたいで皆には扱いきれないらしい。
それでも、白いスライムを倒すには十分だったんだ。