初めての冒険①
「ほうとゼクがみんなの言うこと聞かないからマスターに凄く怒られたじゃん」
会議から帰ってきたギルドマスターにこっぴどく怒られた。
「・・・」
「・・・」
ほうもゼクも無言だったが何か言いたそうにこっちを見た。
なるほどね、(よけいなことはいうなと)
二人ともそんな感じのことを思っているのだろうと感じた。
まあ二人の意見も分からなくはないのでこれ以上は何も言わないことにした。
(外野もうるさかったし、連帯責任でもあるからね)
そして俺達は依頼書が沢山貼ってある場所、クエスト場へと来た。
もっと専門的かもっと難易度が高いのは専用の場所へと行くのだがここは最初の依頼をこなす場所だ。
「えっと、フムフムこれなんかいいんじゃないかな?」
沢山貼ってあったもののうちの一つを俺は取り皆に見せた。
「まあ、最初だしいいんじゃねえの?」
「俺もそれに賛成」
「私達もそれでいいです」
ほう・ゼク・らてぃ・パルはそう言った。
そしてふりぃはというと、もっと難易度の低いものをと言ってきたのだ。
「スライム討伐なんて危ない、アンこれがいい」
指をさしたふりぃだったが残念・・・。
リーダーが一度取った依頼書はやめることが出来ないのだ。
それにふりぃが指したやつってそれ、まだ冒険者じゃない人がする奴だからね?
ここの板にはない筈だよね?
「ふりぃ、それはもっと小さな子供が受けるものだよ、僕達にはそれ受けれないよ」
「・・・」
黙ってふりぃはその書類を受付場へと持って行った。
「皆、わりい最近ふりぃとちょっとあってな」
俺がそういうと皆理解してくれた。
とくに
ほうとゼクはより一層理解してくれたんだ。
そんな事があったが俺達は無事に最初の依頼であるスライム退治へと行くことになった。
※※※
街に近い草原にて俺達は最初の依頼をしていた。
ここにはスライムが数多く出現し、色によって強さが異なるのだ。
そしてやっかいなことにここにはスライム以外のモンスターも出現する。
スライムは属性を持っていて例えばだが
赤なら炎属性
青なら水属性
緑なら風属性
黒なら闇属性
黄なら光属性
白の場合は属性がない代わりにかなりの攻撃力と防御力を誇るモンスターだ。
俺たちのノルマは、
赤・青・緑が30
黒・黄が10
白が5といった感じだ。
最初に見つけたスライムは赤、つまり炎属性だった。
それをパルが水の剣で切裂く
するとスライムは小さくなりそして二つに分解しようとするところをさらにパルが剣で切裂いていく
皆最初の冒険のため慣れてないがそれでもパルの剣さばきはすごかった。
試しにほうが赤のスライムを剣で切ってもスライムが炎属性でほうも炎属性なためダメージが通りにくく反撃されていたがほうもまた炎属性なためスライムからの反撃はそこまでのダメージはなかった。
ちなみにだが依頼には最初のスライムが反映されるらしい
だからさっきパルが倒したのは分裂したといえど最初は一体だったため一体倒したことになった。
「皆下がって」
ふりぃが短くそう言った。
そして何かを唱えている。
どうやら魔法の呪文らしい。
「雹華」
雹が空から降り注ぐその雹の形が華みたいだった。
そしてその攻撃はその場にいるスライム全体へと的確に命中した。
命中したところから凍結し、分解もできない。
それを他のパーティメンバーが倒していくのだが、赤の炎属性と白色のスライムは別だ。
赤色のスライムとふりぃの相性は最悪だ。氷と炎なのだから。
そして白色のスライムは防御力はずば抜けて高い、なのでふりぃの攻撃も通らなかった。
だがそれを差し引いてもさっきの一撃は凄まじくサポートがあったとはいえ
赤29・青0・緑0
黒0・黄0
白が5といった感じだ。
経験値が入り皆魔力が上がったようで装備も少しだがバージョンupしていた。
「アン、どうするあの白いの」
ほうに聞かれて俺は迷った。
そして迷った挙句の答えがこれだった。
「そうだな、放置はできないがまずはあの赤いやつから倒さないとどうしようもできないと思う」
戦場で迷うのは命取りだ、これがまだ序盤のスライムだからいいもののもっとつよい敵が現れたらこうはいかないだろうななどと思った。
「それなら私とパルがどうにかするよ」
らてぃとパルがそういった。
らてぃは風属性、パルは水属性
パルはいいがらてぃはどう考えても無理がある
静止しようと思った瞬間に
「私達には、とっておきのコンビネーションがあるんだから!」
そう言われ俺は何も言うことが出来なかった。
何故ならこの二人を俺は知らなさすぎるからだ。
「いくよ、パル」
「うん」
らてぃは風を起こす
パルは水玉を作った。
そしてらてぃは風を操りパルが作り出した水玉を次々に赤のスライムに当てていく。
弱ったところをパルが剣で倒していく。
先ほどよりもスピードが上がったように感じたのはらてぃの風の魔法を応用しているのだとか、まあ難しいことはよくわからない。
あっという間に赤のスライムの数を倒し終わたった。
あとは白いののスライムだけだ。