初めての報酬
俺がそれを聞いたのは自室のベットの上でだった。
ほう、ゼク、らてぃ、パルも自分の装備ではないまだ使えない装備を使った反動のせいでまだ見ていない。
ふりぃだけは所々擦り傷があったがそれでも普通に過ごしていた。
「だから言ったでしょ、アンにはまだ早いって」
気を使ってくれたのだろう。
俺の怪我が若干癒えてからそう言ってきた。
「俺達なら行けると思って・・・」
歯切れが悪くそう言った。
ふりぃの視線が痛いので俺は思わず下を向く。
「・・・」
「・・・」
俺の真横にはふりぃが居て、自らがつけたあだ名を思い出した。
氷面のふりぃ・・・
・・・
・・・
・・・
いいや、今回は俺が悪いか・・・
などと思っているとおもむろに果物が置かれた。
「これ、どうしたの?」
「この街で一番栄養のある果物、アンがやっとまともに手とか動かせるようになってきたから」
そこにはこの街で一番栄養がある代わりに一番高価な果物があった。
「もしかしてこれって・・・」
「・・・」
コクコクと無言でふりぃが頭を上下に振るう
おそれくだがこれは、今回の報酬で貰うはずだったお金で買ったものだろう
俺の分だけじゃ足りないから、おそらくふりぃもお金出してくれたのかもしてない
「アンには悪いと思ったけどお金借りたよ、私の分だけじゃ足りなくて・・・
あ、でも心配しないでね、いつかちゃんと返すから」
「・・・いいよ、それよりごめんな」
「・・・なんかそれ流されると私許さないと駄目みたいじゃん」
「あ、わかった!?」
「それとこれとは話が別です!」
そう話すうちに少しずつだけど気まづさも薄れてきて
「一緒に食べようよ、ふりぃ」
「うん」
果物の皮を剥こうとやってみけど・・・
無理ぽかった、それもその筈
やっと手が動かせるぐらには回復したがそれでも動かしにくかったからだ
「悪い、ふりぃ」
俺は果物をふりぃに渡すとふりぃも分かったらしく
果物を剥き始めたんだ
「甘いな」
「そうだね・・・
アン、果汁飛んでるよ」
「気を付ける、てかふりぃも気をつけろよ」
「私は大丈夫」
ちゃんとした初めての依頼の報酬はとっても甘くそしてそれは確かに次に繋げるための力となったんだ。