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6話)ダブルデートって……男子受け悪いよね

「それではこれで解散とする。」


僕達は一旦中庭に集められ、部活動一覧表を配られ、注意事項等簡単な説明を聞き、いよいよ部活動見学のスタートである。


この見学は5時間ほど続き、逃げることは出来ない。

と言っても、もう今日ここで入部届を出せば今すぐにでも帰って良いらしい。




「よし。じゃあ僕は帰宅部に入部届出してくるけど……」

みんなどーするの?という顔を作る。

あれから、さすがに僕一人で時雨しぐれ林檎りんご を連れて歩くと、僕の身が持たない気がするので、時貞ときさだを引っ張ってきた。

形は林檎の時と同様、僕達が気まずくないようにだ。

いや。誤解を招かないように言っておくが、彼は凄い。

ものすごーーい楽しそうだ。


「えーーー!さすがにそれはねぇんじゃねぇーか?暦-!折角学校が体験できる時間作ってくれてんのにさー!」

一番に時貞が口を開く。

「そうだそうだー!こよみん?それは愚行というものだぞ!」

「わ!わたしもそう……思い。ます。せっせめて。いまか、ら見に行く。べきかと……」

時貞の意見に、時雨と林檎が乗ってくる。


おわかり頂けたことと思う。

時貞は敵である。


きっと彼には、至る所から僕達に送られる、羨望の嫉妬の視線を受信する能力に大きな欠点を抱えているようだ。

今日の昼休み。今から30分くらい前には機能してたのに………

僕はこの視線から逃れるべく……一分一秒でも早く、ここから抜け出したいというのに。


「じゃあ逆に二人はどの部活に入りたいんだい?時雨、林檎」

僕が疑問を投げかける。もうこの際、時貞は居ないものとして扱うことにする。裏切り者には何とやらだ。


「あれー?いってなかったっけー?私達はこよみんが入る部活に入るよー!」

「「えっ!?」」時雨の衝撃発言により、僕の思惑は一瞬にして崩れ去り、時貞とお互い見合いながら目をぱちくりさせてしまった。


「あっ!じゃあ俺もそうしようかな!!やりたいことねーし」

先に息を吹き返した時貞が何のためらいもなく、僕の敵へと舞い戻る。


…………いや。学校でも凄絶な人気を誇る女子二人と確定で同じ部活に入れると考えると案外悪いことではない………

僕だけでなく、時貞も一緒に入ってくれるなら視線攻撃も的が二つに為るのだから、僕が受けるダメージも二分の一になる……ハズダ



僕達は一旦教室へ戻る。

教室には僕達以外居なかった。心の底から安心できる。被ダメージ最高!!


そして僕達は机を四つ、くっつけて、それぞれ部活動一覧表を広げる。

うちの学校は、その校風も愛まり、色々な部活動がある。少人数でも部活動として認められるため、多種多様なものがある。

帰宅部は勿論。バービー人形部やトラック同好部など。エトセトラだ。


「みてみて!こよみん!これがこよみんが入ろうとしてた部活だよ?」

そう言って表の一点を指差していた。見ると……

【帰宅部:活動日は平日毎日:君も学校警備員ニートになろう!】

いやいやいや。果たしてこれは帰宅部と言うのだろうか。平日週5で直帰しないなんて。がっつりすぎるだろ。。。せめて家を守ってくれ。いや、切実に。

こんな部活だったとは……さすがに入る気は無くなった。

週一なら喜んで入るが。


そんな風に誰かが、これは?と提案すれば誰かが難色を示すような問答が続き……


!!!

僕の目を引く部活が漸く見つかる。


「僕これに決めた」

僕の一言で皆が一斉に覗き込む。





「「「お笑い部!?」」」

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