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アルマ  作者: のぶ
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4 神学書院

 聖書暗唱が特技だった。特技と言っていいのか疑問と言えるようなものだったが、アイルはコーランを暗唱するのに対して、アルマは聖書を暗唱した。

 アイルの願いで皇帝の間に立ち入った日を、アルマは今でも覚えている。1558年9月21日聖マタイの日、神聖ローマ皇帝カール5世が息を引き取った。ブリュッセルにあるセント=ギュデュル教会で息子のフェリペ2世が葬儀を執り行った。

 人よ、地の子よ、精霊たちがハープを奏でてアルマは夢と希望を知ったのだ。アルマは聖書を読んで礼拝堂に行っては司教から祈りを授けられた。エノク書を持って行ったことがあるが、司教は「偽の聖典は読まないように」とだけ言っていた。パウロのように祈り働く、それを知る古代ローマの神々がSPQRという標語を掲げていた。そこにはウェルギリウスが案内してきた冥府の音が死者を弔うのだろう。

 アイルはアルマをベツレヘムの神学書院に案内した。

 アルマが取ったのは一冊の手帳だった。始まりの地を記載したひとつの本。それを知ることがない、アルマの夢はいつまで経っても死を知った朝に来た花嫁がアルマに従うのだろうか?


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