No.97
No.97
住むことに関しては、これでよしとしておこう。
ここから先はさらに自分の精神を削る行為になるのだから。余力を残したい。
「ピンクサル達、また火はあるよな?」
「「「「ウキ」」」」
「ならそれで風呂の準備を頼む」
「「「「ウィキィ~」」」」
敬礼ぽく無い敬礼ポーズを取ってから、お風呂の準備を始めるピンクサル達。
「ねえねえトウイチロウ。ここにお風呂在るの?」
「トウカは風呂がなんなのか知っているのか?」
「うん! あのね、お風呂はね、暖かくて気持ちいいんだよ。かあさまがね、お風呂のない生活は考えられないって言って。それまでなかったお風呂を作ったんだって言ってた」
「ほーそうなのか」
トウカの黒髪や顔立ちを見てもしやと思っていたが。トウカの母親は自分と同じ地球出身者かもしれないな。
しかし男尊女卑の強かった鬼の国に風呂を作るか。どれだけの才女だったんだ? 自分なら途中で諦めてるなきっと。
まあその話を聞くのはまたの機会にして。とりあえずトウカの事だ。
これまでトウカの姿はあまり描写されてなかったが、意味がある。何故かって?
先ずトウカは黒に一房分に朱色が混じったようなロングな髪。
顔立ちも、今は精神に引っ張られてか。幼く日本人受けする顔をしている。
体型に至っては自分が一七〇センチちょい在るのに対して。トウカは一八〇センチは確実に在る。
そんな長身な体に巨乳なロケットおっぱい。女性ですら羨む腰のくびれ。見よ! あれが美尻だと言わんばかりの張りのある尻。
この辺ですら女性との付き合いが薄かった自分にはもう辛いのに。着ている服と言えば、もうあれだ。
元はキチンとした服だったんだろうが。それをビキニのように胸当て腰当てにして。南国遭難者が陥ったときのような格好をしているんだよ! 目のやり場に困るわ!
動く度にチラチラチラチラと、どないせいちゅうねぇんんんん!!
わかるか? わかってもらえるか? 自分がトウカと一緒に住むのに困っている理由が! 無防備過ぎるんだよ!
あ″ぁん? 服作ってやれ。作りますよ、作りますがね。採寸はどうするって話になんだよ! 自分がこの手で図るのか? できるか! んなこと!
「うぉおおお、いったいどうすれば良いんだぁあああ……!」
_| ̄|●のように崩れ落ちる。そんな自分に一匹のピンクサルが。
「ウキ?」
「あっ、いやな。トウカのって、あれ? そう言えばトウカは?」
「ウキキ」
いつの間に……。それほど考えていたかな?
「あっそうだ。お前採寸とかできる?」
「ウキ?」
ですよね~。わかっていたさ。ああでもほんとどうするかな。
「ウキキィ?」
「あ、いやな。トウカの服装を作るのに採寸とかしなきゃいけないんだけど。ヘタレな自分には無理です。勘弁してください」
「ウィキキィ~?」
「! おま、おま、天才!?」
そうだよ! 別にピッタリな服を作らなくても良いんだよ。デカティーとか在るんだからそれを作れば。
天啓を得た自分は、早速服を作ることにした。
そして天才と言われたピンクサルは、自分が天才と言われた事で、いつもの劇画調の顔となり。何やらものすごいやる気を出していた。
因みにこの後。このピンクサルがとんでもないことをやるのだが、それはまた別の話だ。
「うぉおおお! この際デザインとかは無視だ! あの凶悪なわがままボディを隠す服を作らねば! 習得技発動。【繊維加工】【織物加工】【防具加工】の三連コンボ! ぬぅおおおお! 見さらせぇえええ!!」
いまだかつて無いほどの速さで衣服を作り上げていく。
そして出来上がったと同時に入り口からトウカの声が聞こえた。
「むうぅう! トウイチロウなんでお風呂来ないの! トウカ待ってるのに!」
「すまないトウカ。今トウカの服を作って、ブハァアア!?」
出来上がった服を見せようとトウカの方を振り向けば。そこには風呂上がりのトウカ。つまり真っ裸なトウカがそこには居た。
「え? トウカの服作ってくれたの!? ありがとう、トウイチロウ」
「おぉうわばぁあ!?」
真っ裸で抱きついてくるトウカ。
背中に伝わる柔らかなおっぱいを感じて、じゃなくて!
「と、トウカ、とりあえず体を拭きなさい! そのまんまじゃ風邪を引くだろう。あ、あと拭き終わったらこの服を着ること、いいね!」
そう言って出来上がったばかりの服を手渡し。喜んでいるトウカからヨロヨロと離れていき。近くにいたピンクサルに。
「あ、あとは頼んだ……。自分にあれは刺激が強すぎる。ブブッ!」
抱きつかれたことでのぼせ上がった顔から鼻血を出し、そのままベットに倒れ込んだ。
そしてそんな遺言みたいな言葉を残されたピンクサルは。
「ウキ? ウキキ?」
倒れ込んだ自分にそう聞いたそうな。




