No.69
No.69
「あったたた、死んでなかったのは幸いだけど。メチャクチャいてぇ……」
蹴られた部分を擦りながら菜園から野菜を集めていた。
気絶事態はそれほど長くはなかったようだ。
ピンクサル達にペシペシと頬を叩かれ起こされたからな! あいつらめ、起こすならもっと丁寧に起こせよ。
で、いまは痛みに耐えながら食べられなかった食事の準備中。
「しかしこっちにもやっぱりスイカって有るんだな。あれも野菜だったり果物だったり言うし、本当はどっちなんだろうな?」
何を作ろうかと物色していると、途中から根野菜系統の菜園に入った。
「おっ根物まで作ってるのか。よく育つ時期とかバラバラな……あーこの世界の不思議だろうな、きっと」
疑問に思ったが、この世界じゃよく有ることだろうと、考えるのをやめた。
ある程度集まると元いた場所まで戻る。そこにはどう言うわけか、食事の準備を始めてるピンクサル達がいた。
「……お前ら何してんの?」
「「「「ウキ!」」」」
「食事の準備!」と、元気の良い返事が帰ってくる。
いやそうじゃなくてお前らあれだけ食べた癖に、まだ食べる気かと聞くと。
「「「「ウィキ。ウィキイ?」」」」
「愚問だな。自分達があの程度で満足するとでも?」と、何やらカッコいい台詞を言ってきた。
なので自分もそれらしい台詞で返してみた。
「だがな、自分は一人分の材料しか持ってこなかったぞ」
「「「「ウキ? ウキキ……」」」」
「なに? なら仕方がない自分達が取りに……」なんて言い始めたので慌てて止めた。
こいつらに行かせたら。また畑を荒らしてユニ子に怒られるだろうが。
面倒臭いが自分がピンクサル達の分まで取ってくることにした。
「良いかお前らは、絶っ対に畑に入るなよ! 絶対だぞ! ネタ振りじゃないからな!」
「「「「ウキ。ウキィ」」」」
ピンクサル達が「わかってるわかってる。やれってことだよね」的に頷いているので。もしやったら飯は食わさんとキツく言っておいたら。怯えながら敬礼していたので多分大丈夫だと思う。
「塩、こしょう、魚醤で野菜料理か。やっぱり砂糖お酢味噌もほしいな。ああでもそうなってくると、鰹節とか昆布や味醂もほしい」
基本の『さしすせそ』の調味料は早く作りたいなと、考えながら野菜を集めていく。
手や籠に持ちきらなくなったので、ピンクサル達の所に戻る。
ピンクサル達は脅しが効いていたのか大人しくしていた。
「待たせた」
「「「「ウキ」」」」
「悪かったよ遅くなって。野菜貰っといてすまないんだが、何処かに水場はあるか?」
遠巻きに見ていたユニ子聞いてみると、右の方に顔を指し示したのでそちらの方に行ってみると。綺麗な小川があった。
そこで野菜を一旦洗い。必要な分の水を汲んでから、ピンクサル達が作ったかま焚き場まで戻る。
「凝った物は出来ないからな、簡単な野菜炒めにするぞ」
「「「「ウキキ」」」」
「……お前らな」
「旨ければ何でも良い」と、ピンクサル達の声。
呆れつつも手伝えよと声は掛けておく。まあ手伝わせたら味見と称して、バクバク食い始めるから結局手伝わせないが。
洗った野菜を一旦置き。バックパックからミスリルを取りだす。
料理に必要かと思うかもしれないが、こいつが以外と役に立つ。
【武器加工】と【道具加工】を使い、包丁とフライパンを作る。
少し重いけど現地で石探して作るより簡単だから重宝する。
それで持ってきた野菜。ニンジン、ピーマン、玉ねぎ、ジャガイモ、ブロッコリー、キャベツ等を下ごしらえしていく。
「いやー切っていくだけでも、これは旨いだろうって言うのがわかるなぁ~♪」
「「「「ウィキィイ♪」」」」
どれも取れ立て新鮮。シャッキとした切り口から青臭い野菜の臭いが漂ってくる。
ユニ子に向かい親指を立てて「グッジョブ!」と言うと、顔を真っ赤にして野菜畑に隠れるユニ子。
(誉められるのが慣れてないのかね。まあ余り言うのもかわいそうか)
などと思っているが実際は先程のように誉めすぎて蹴られるのが嫌なだけだ。
切り終えた野菜を油種の実の油を引いたミスリルフライパンの中へ投入。
ジュジュジュゥウウ! と野菜の焼ける音がする。
野菜が焦げ付かないよう菜箸で混ぜていき。塩、こしょう、魚醤、更に粉末にした香草類を少し加えていく。
「「「「ウィキ~~♪」」」」
調味料や野菜の焼ける臭いがピンクサル達の鼻を刺激して、ヨダレを垂らさんばかりにこっちを見てくる。
「もうちょい待てお前ら。それからバックパックからパンと小鉢を出しといてくれ。もちろんユニ子の分もな」
ユニ子の方にも目を向けて言う。ピンクサル達は「了解~♪」と言った感じに準備をしていく。
出し終えたところで良い感じに出来上がったので盛り付けていく。
「よし『簡単野菜炒め』の完成」
「「「「ウィキ~~♪」」」」
よーし。これでやっと飯にありつける。自分で言うのもなんだが楽しみだなあ。あ、そうだ。次いでだからフライパンを鍋に変えて、余った野菜で出し汁でも作っとこう。
さて、それではいただきましょうか。




