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No.67





 No.67




 爽やかな日の光の下。汗水たらし野良仕事に勤しむ自分。

 雑草取りに中腰だった体勢から体を直し伸びをして体の凝りを取ってから、首に掛けたタオルで流れる汗を拭き。腰にぶら下げた竹筒で一息つく。


 「ぷはぁ~。あーもうちょい掛かるな」

 「「「「ウィキィイ~」」」」


 自分に課せられた範囲部分を見てそう言うと。ピンクサル達から「がんばれ~」と声援が掛かる。


 「お前らも手伝えや! お前らが仕出かしたことだろうが!」

 「ウキ~」「ウィキ~」「ウィキキ~♪」


 それぞれ「それムリ~」「おなかいっぱい~」「もうくえぬ~♪」と、丸くなった腹と自分達の側には食い散らかしてある野菜の数々。

 そんな態度のピンクサル達に殺意も沸いたが。それより先に、自分に渇を入れるように体当たりをしてくる存在がいた。


 「っあた!? あ! すいません。ちょっと休んでいただけです。すぐ始めますんで、あたっ!? ほんとマジすんません!」


 体当たりをしてきた存在に頭を下げ。再び作業を開始する。

 これだけで何があったかなんて、予想がつくだろうが。事の始まりから話させてくれ。あれはそう、数時間前の話だ。




 「ここがこうだろ。それでここに、これがあった。とするとこっちには、この系統がないとおかしいよな?」


 【地図記録】(マップログ)を開きながら森の植物分布などを確認していた。

 この森をある程度歩き回り観察していたことで気がついたことなのだが。北に行けば鉱物系。東に行けば穀物系。西は川をまだどうにかしてないからあれだけど。植物系の物が多くあった。そして南は果樹園、果物系があることが多いことが分かった。

 まあつまりここで何が言いたいかと言うと。


 「南東か南西方角に行けば、もしかしたら野菜があるかもしれないと言うことだ」

 「「「「ウキキ?」」」」


 ピンクサル達が「どうしたの?」と言って集まり出す。


 「ああお前らちょうど良かった。南東、つまり、あっちの方向か。こっちの方向に野菜、は見たことなかったんだよな。変わった植物とか無かったか?」


 指を指した方向を見て考えるピンクサル達。しばらく考えていて、これはダメかと足で探すようかなと思い始めた時に。一匹のピンクサルが何か思い当たることが有ったようだ。


 「ウキ。ウキー」

 「おっ何か思い出したか? それって何処にあったとか覚えているか?」

 「ウキ!」


 自信満々に頷くピンクサル。ならばと出掛ける用意をしてその場所に向かうことにした。

 向かった先は南西方向。ピンクサル達に道案内を頼みながら散策をし続けること、約一時間ちょい。

 西は薬草などを探しに来たことはあっても、ここまで深くは来たことがなかったので分からなかったが。ここまで来ると分かる。明らかに植物が変わってきた。

 どこが変わったと言われても答えに詰まるのだが。う~んそうだな。あっ、あれなんか分かりやすいか。あれなんかどう見ても里芋の葉にしか見えないもんな。田舎でよく見たから分かるわー。


 「ってサトイモ!?」

 「「「「ウキ!?」」」」


 自分の大声に驚くピンクサル達。自分はそんなことにはお構い無しに、里芋らしき物に近よりその根を掘っていく。

 掘り進めていくと石とは違うごろっとした()が、幾つも付いた物を発見した。


 「おおっ間違いなく里芋だ、これ」

 「ウキキ?」

 「ん? ああ食えるものだけど、これは生では食べられn「ぱくっ」っておい!? 人の話聞けよ!」


 地面から掘り起こしたばかりの里芋をピンクサルがパクリと食べてしまった。

 もきゅもきゅと食べ続けるピンクサルを心配すが。


 「……ウキ」


 「……いまいち」などと言う返答が帰ってきた。

 その言葉を聞いて他の奴らは「そっか……」などと落胆していた。


 「いやそうじゃないだろう! 腹とか平気なのか?」


 何で自分がこんな突っ込みを入れなければいけないだ?

 その上ピンクサル達(こいつら)「この程度で自分達の腹がどうにか為るとでも?」と、ドヤ顔でこちらを見てきた。 

 更に「これが野菜? 聞いてた話となんか違う」とか言い出した。


 「当たり前だ! ありゃ生で食うもんじゃねえ! 生で食える物の方が多いかもしれないが、今のは煮たり焼いたりした方が旨いんだよ」

 「「「「ウィキ~♪」」」」


 その言葉を聞いて「じゃあ生で食べられるやつを探しに行こう~♪」と歩き出していった。

 それを慌てて追う自分。


 「ちょ、待てお前ら」


 ピンクサル達を追いながら、何となくこの辺が獣道に為っている事に気がついた。


 (この辺に住まうファンシー動物か?)


 土竜が言っていたこの地区を管理する動物の通り道なのかもと思い。野菜の事に頭がいっぱいになっているピンクサル達が、何かトラブルを起こさないようにしなくてはと足を早めた。

 そして獣道の途切れた先は、大きな野菜畑へと続いていたのだった。


 「すげえな。見事な野菜畑だ」


 一面に広がるは種類ごとに区画整理された野菜畑。明らかに誰かしらの手が入っているのが分かるほどの手入れがされていた。

 これだけの広さの所を機械も使わず手入れをしたのかと感心していた。


 「ウキキ?」

 「あ、ああ、確かにここに有るのも野菜だな。しかも見た感じ生で食べられるものが多い「「「「ウィキィイ~♪」」」」だから人の話を聞けやぁああおまえらぁあああああ!!」


 ピンクサル達は「野菜に向かい突撃~♪」と、野菜畑に突っ込んでいった。

 そしてピンクサル達は思うがままに野菜にかじりついては違う野菜にと食い漁っていった。

 そんなピンクサル達の暴挙を慌てて止めにはいるーーー


 「アホかお前ら! どう考えてもこの地区を管理してる動物が手入れしてる畑だろうが。他所様の畑でそんな事をすれば「ヒヒーーーン!」……ってな具合に誰かしらがいらっしゃるのは目に見えてるだろうがよ……」


 ーーーが、結局間に合うことはなかった。

 そして『ドドドドドド!』と、後ろから迫る存在に。「ああどうせ、ピンクサル達(こいつら)の仕出かした後始末は自分がするんだろうなぁ」とか、何やら達観した気持ちに為っていた。






















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