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No.57




 No.57




 この場所がどう言う風に為ったのかを聞こうとしたが。ピンクサル達が腹が減ったと騒ぎ出すので、朝食を取りながら聞くことにした。


 「それでこの場所が正常に為ったとか、先程言ってましたが、どう言うことで?」

 「トウイチロウ殿は前に来た時に、我がこの地は多くの星力(プラーナ)が集まる場所だと言ったのを覚えておいでか?」

 「ええっと、はい。確か以前こちらが襲った時にそんな話を」


 以前カツヲがこの地に来た時、その姿からモンスターと勘違いして襲った時があった。


 「うむ、その時にも少し話したが。この地は膨大な星力(プラーナ)が存在しておる。この地に住まうことの出来るトウイチロウ殿やそこに居る四尾猿(しびえん)の者でもなければ、己の持つ精気(マイン)が侵食され気がおかしく為るほどにな」


 何それ!? 聞いてないんですけどそんなこと。ここってそんな物騒な所なの!?

 あと何気に新しい単語が出てきたな。なに精力(マイン)って? 星力(プラーナ)とは違うの? えっ? 星力(プラーナ)って魔力って意味じゃないの?

 そんな自分の疑問を他所にカツヲは話を続ける。


 「そう言った場所に立ち入るには、大きな力を持つ方の力を借り。一時的にその地にある星力(プラーナ)を中和するか。今回我が持ってきた晶石の力を使い自身の体を守ると言った手しか無いのだ」

 「ええっと、先ほど言った加護とかは。それに加護は見れば分かるものなのですか?」

 「加護はおいそれと頂けぬ。また頂ける相手に認められなければ為らぬし。しかもその相手が加護を与えられるだけの力量を持っていなければ、また話に為らぬ」


 口を少し湿らす為に差し出したトウモロコシのお茶を一口飲み、ふぅと息を吐き。「少し変わった味だが旨い」と、言ってからこちらを見るカツヲ。


 「我も余り詳しくはないが、加護を与えられた者は、体が変化したりして見れば分かると言う。そして落ち着けば自らの意思で加護の力を現したりも出来るようになると聞く。うむ。今の姿を見るに、トウイチロウ殿は四尾猿(しびえん)の守護者辺りから加護を頂いたのだな」

 「は、はいそうみたいですけど。み、見た目変わっているんですか?」


 恐る恐る。聞きたいような聞きたくないような感じでカツヲに訪ねる。


 「何と!? 自身でまだ気付いておらんのか? ならば水面(みなも)にて己の顔を確認してみると良い。ああそれと後ろもな」


 顔を洗った時は何ともなかった、あいや水面なんて見てなかったな。それに後ろ? とりあえず顔を見ろって事だしそっちから。

 失礼して立ち上がり。川へと向かう。流れる水面をじぃーと見つめると、ゆらゆらと黄色い何かが見えてくる。


 (黄色? 何か黄色っぽいものでも持っていたかな?)


 更に見ていると人の顔がはっきりと分かるように為り。そこに映って居たのは、黒髪であった筈の自分ではなく金髪頭の自分が映っていた。


 「はぁあ!? ちょ、はぁはあああああ!?」


 余りの混乱ぷりに言葉がでない。

 この金髪頭はどう考えてもあの男と同じものだ。

 ペアルックならぬペアヘアーだっと、ふざけんな!!

 あ、これ抜いてみたら根本から変わってんじゃねえか! くそっ今まで染めたりとかしたこと無かったのが自慢だったのに。………………それと後ろっていてたよな。後ろなんて背中なら見えないぞ。

 体を捻り後ろを確認すると尻の辺り、と言うより腰の辺りだろうか。その辺にぷらぷらとしているものが目の端に映った。


 「ぐぎぎぎ、見えない。何だこれ? 尻尾? おい誰か自分の後ろに居るのか?」


 尻尾みたいのが見えたので、ピンクサルが自分の後ろに遊んでへばり付いて要るのかと思ったが、どうもそうではないらしい。だってピンクサル達が不思議そうな顔をしてこちらを見て居るからな。遊びなら自分も自分もと寄ってくるだろう。

 ではなにか。いやもう薄々分かっている。分かっていても否定したい。

 そんな自分を肯定したいが如く自分の腰辺りに有る物をむんずと掴む。ーーーーーー激痛が走る。


 「痛い痛い痛い痛い痛い!!??」

 「全く何をやっておるのだ。()()()最早トウイチロウ殿の体の一部と為っておる。その様な事をすれば痛いに決まっておろ」


 呆れ顔のカツヲに何が面白いのか爆笑しているピンクサル達。そして思いっきり自分から()()()()()()()を掴み、涙目の自分。

 そう、紛うこと無く。自分の後ろに尻尾が存在していた。


 「加護を与えられた者は体が変化すると聞き及んでおったが。うむ、我が聞いた話しと()()違うような気もするな。だがまあ、加護を得た証として、髪に星力(プラーナ)の素養も満ち出ておるから間違いあるまいて。まあその様に変化した姿であった故、会って直ぐに気付かなんだが。ここに居るのはトウイチロウ殿だけだだと判断し、また加護者だと分かったのだ」


 カツヲが何か言っているが最早聞いちゃい無い。

 金髪に尻尾にその上猿の力、だと。それじゃまるで。


 「何処の超戦士だこらぁあああ!!!!」


 思い入れがある漫画のキャラとは言え、バトル漫画一直線に向かう様な設定(能力)は慎んで貰いたい。いやほんとマジで。のほほんとしたいんだよこっちは!
























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