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No.47





 No.47




 「ウモ、ウモー」


 二本足で立つ牛に現在説教されています。

 良く理由が分からないが。「命を大事に」とか「自殺ダメ絶対!」とか言われているようだ。


 「ウモ、ウモ」

 「はい、はい、言いたいことは分かりませんが。とにかく、申し訳ありませんでした」


 牛に対して深々と頭を下げる。

 それに対し牛は、「分かれば良いんだ」的に頷いた。

 何故説教されたのかは分からないが、多分この牛は自分を助けてくれたのだろう。そう思えば謝罪をしといた方が良いに決まっている。

 深々と下げていた頭を上げ。目の前の牛に目をやる。

 ファンシーさは相変わらず。姿は白と黒の模様を持つ、ホルスタイン種のような姿をしている。

 何と言うかここまで見てきたピンクサルや土竜、魚人に比べて余りにもまともな姿だ。二本足で立って要ることぐらい何でもないと感じてしまう。


 「ウモ」


 手を上げて「もうこんなことするなよ」的に去っていこうとする牛を止め。あの穴は何なのかを聞いた。


 「ーーーつまりあれは大昔に何かが切り取ってしまった部分だと」

 「ウモ」


 ジェスチャー混じりでの意思疏通で何とか聞き出せた。

 本来は大地は続いていたそうだが。今聞いたように何者かによって切り取られ、あの先へ行こうとすればさっき投げた石のように光となって消えていくとの事だ。何故消えていくのかは知らないらしい。

 ところで話は変わるがこの牛。

 この牛にも何かあだ名をつけようと思う。何がいいか…………うん、ランボにしよう。

 命名の理由としては。ある漫画に出てくるキャラに、牛っぽいのがいたなぁと思い出したのでそこからだ。

 で、このランボ。この辺に住んでいるらしく。たまにこうして警備しながら、自分のような興味本意で近づく存在に警告を与えているみたいだ。

 最もそんな奴はこれまで居なかったらしく。ランボも警備をしていて。初めてこの穴に近づいてきた存在が居て、ビックリしているみたいだ。


 「それは重ね重ね、申し訳ないことをした」

 「ウモ」


 改めて謝罪をすると、「気にするなそれが仕事だ」的な答えが帰ってきた。


 「それとあそこに生えてる稲とか麦とか貰っていって良いですか?」

 「ウモ」


 ここに住んでるみたいだから確認しておかないと。勝手に持ってくなと言われたくないしな

 だけどランボは「持っていって良い」と、頷いてくれた。

 「じゃあこれで帰るからな」的にな感じに手を振って、近くの洞窟っぽい所へと向かっていた。


 「あそこが家なのかな?」


 回り道などをすれば他の場所へも行けるだろうが。そんな気分ではなくなったので、ここで帰ることにした。

 ランボが帰っていった洞窟を見て。

 「助けてもらったお礼に今度果物でも持って来よう」、そう心に決め。来た道を引き返していったのだった。


















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