No.45
No.45
喜んでみたところ。ちゃんとした米として食べられるようになるには、二週間ぐらい乾燥させなきゃいけないと聞いた事がある。
まあそれ以前にやれなんだとしなきゃいけない事も沢山ある。
米の字が八十八と書くのも、八十八回以上もの手間をかけて作るからと言われている。
もっともこれは俗説とも聞いたことがあるが。兎に角それぐらい手間と時間がかかると言うことだ。
「……ここはあれをやるか」
何をやるかと言うと習得技の力を借りるのだ。
いままでも習得したものも、失敗しても取れることは良くあった。
「くっくっくっ、ああ、この際手段は問わなくても良いだろう」
「「「「……ウキ」」」」
ピンクサル達が引くぐらいの悪どい顔を、この時はしていたらしい。
早速稲穂から一粒をを採取。乾燥を待たずに籾殻を取る。それを持ってきていた鍋に入れ、水少々を加え煮る。
一粒だけの上、炊くのでは無く煮ているので多分大丈夫。
しばらくしてから何となぁく、米が柔らかくふっくらしてきた様なので、それを箸で取り口に入れる。
「…………………………ありがとうございます」
稲穂に向かい土下座した。もうそれは心の底から土下座しました。こんな美味しいお米をありがとう。
白米のような美味しさはない。しかしプチプチとした食感から多彩な味が舌の上に広がったのが分かる。
がばっと顔を上げると涙が出ていた。
「おおぉぉおおおお!! お米、バンザーイ!!」
「ウキ」「ウキキ?」「ウィキィ~」
後ろの方で見ていたピンクサル達が「おい、何だあれ」「おかしくなったか?」「元からあんな感じじゃない」と言った感じにヒソヒソと話しているのが聞こえた。お前ら後で覚えていろよ。
しかしこれはやばい。ちゃんとした手順を踏んでいないで、この旨さ。ここにある食べ物は大概旨い事は知っていたがこれは……。
「乾燥させて食べられるようにしてから食べたら、どんだけ旨いんだ」
おっとそうだ。習得技はっと、ある! 在るぞ新しい習得技が!
名前:酒匂統一郎
性別:男 年齢:15
種族:人間 固有特性:渡界者
状態:喜びに咽び泣いております。
Lv:1
基本能力値
筋力:10
耐久:11
知力:14
精神:13
敏捷:10
器用:12
魔力: 3
幸運:17
習得技
戦技: 4【弓術】Lv:1New!【投擲術】Lv:1New!【隠蔽】(戦)Lv:1New!【追跡】(戦)Lv:1New!
魔技: 0
工技: 14 【生存技術】Lv:3(↑1)【工作技術】Lv:5(↑3)【接合加工】Lv:4(↑2)【石材加工】Lv:5(↑3)【木材加工】Lv:5(↑3)【建築技術】Lv:3(↑2)【繊維加工】Lv:2(↑1)【織物加工】Lv:2(↑1)【抽出加工】Lv:2(↑1)【調薬加工】Lv:2(↑1)【武器加工】Lv:2(↑1)【防具加工】Lv:2(↑1)【道具加工】Lv:2(↑1)【短縮加工】Lv:1New!
教技:3 【セフィリア言語】Lv:1【教育】Lv:2(↑1)【礼節】Lv:2(↑1)
特技: 8【万物の瞳】【採取師】Lv:3(↑2)【罠師】Lv:3(↑2)【地図記録】【操獣術】Lv:3(↑2)【釣り師】Lv:3(↑2)【料理人】Lv:3(↑2)【生産者】Lv:2(↑1)
装備品
竹編みの帽子 薄手の作業服モドキ 下着(上下) 丈夫そうな手袋 靴下 木の靴 肩掛けタオル
おお! 久しぶりに見るステータス。相変わらず基本値のレベルは上がってない。
しかしやった。ついに戦技にも習得技が。
戦技に関しては実はカツヲの一件で習得したらしく。その後幾ら練習で槍とか斧とかを振り回していても、それらの習得技は覚えることはなかった。何故だろう?
それより今は工技だ!
【短縮加工】いったいどんなのかなぁ♪
【短縮加工】Lv:1
作業行程を自動で行うことが可能な技能。
自動で行う? どう言うことだ、ちょっくら試すか。
【短縮加工】を使うと『短縮する物、作業項目を選んでください』の文字が。今回は目の前に在る米を、精米までするを選んでみよう。選ぶと『短縮する作業時間レベルを選んでください』と出てきた。一から十まで在り。レベルは最大の十まで選ぶことが出来たので今回はお試しなので十を選ぶ。次に出てきたのが『終了時間、三週間後』となっていた。
「待てるかい! 短縮してないじゃん!」
だがまあ大体わかった。この習得技は自分でやる筈だったことを、代わりにやってくれる習得技だと言うことだろう。
今回はレベルが低いこともあるだろうが。これは手が足りなかったりする時には便利かもしれない。
最も今のレベルじゃ自分でやった方が早いかもしれないけど。
う~ん、これは早急にレベル上げ案件のものだな。
「ウキ、ウキキ」「ウキ、キキィ!?」「ウィキィ」
「おいおい、何かブツブツ言い始めたぞ」「やべぇな、ついに頭が!?」「いやそれは元からだろ」なんて感じのヒソヒソ話が自分の耳に届く。そろそろ怒っても言いと思うんだ。どうだろう。
「ははは(にっこり笑顔)、お前たちぃ~。さっきから何を喋っているんだい? 自分にも聞かせておくれよ~♪」
「「「「ウィキィー!?」」」」
ピンクサル達が震えているように見えるけど気にしない~♪
後ずさりしてるようだけど何でかなぁ~♪
「どこに行こうと言うのかなぁ~♪ ただ少し、OHANASHI。するだけじゃないか」
「「「「ヴギギギギィィィイイイ!!」」」」
最後まで聞くこと無くピンクサル達は一目散に森の方へと走り逃げていった。
「まてやぁおら! 誰の頭がおかしいだ!」
「「「「ウキキー!」」」」
「そんなことは言ってないー!」と叫んでいるのか、止まること無く走るピンクサル達を追いかけていったのだった。
【弓術】Lv:1
弓と矢を扱う知識と技術を扱う術を持つ。
【投擲術】Lv:1
遠くへ投げるための知識と技術を扱う術を持つ。
【隠蔽】(戦)Lv:1
知識と技術を駆使して対象物の存在を隠す術を持つ。
【追跡】(戦)Lv:1
知識と技術を駆使して対象物を追う術を持つ