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No.44





 No.44




 「いやー早起きして食う飯って言うのも良いもんだな」

 「「「「ウキキィ♪」」」」


 今朝はもうすぐ開通する竹林で、生タケノコの朝食をとっていた。


 「生タケノコって旨い旨いって聞くけど、アクが強くてあまり旨いって感じがしないよな」

 「ウキィ?」


 「そう? 美味しいよ」と言った感じに、生をポリポリと食べているピンクサル達。

 自分は生より少し焼いて塩味でいただいている。しかし塩だけじゃ飽きる、レモンでも持ってくれば良かった。


 「しかし感慨深いもんだな」


 切り拓いた竹林を見る。

 幅五メートルほど、長さは百メートルはあるだろうか。それを最初は一人で。その後すぐにピンクサル達と一緒に。

 竹を切り採った後、竹は一日に一メートルぐらい伸びると言うのを思いだし。これは掘り返して根を潰さなきゃ無理か考えた時もあったが。どう言うわけか、自分が道として作り出したところからは、竹が生えてくることがなかった。それを見て相変わらずこの場所の不思議現象は謎だっと思った。


 「後はあれを切り取れば開通だな。まあその後、家までの道を整地したりと色々あるけど」


 反対側を見ればもうそこには稲穂と麦畑が広がっている。

 そして残すところは道の真ん中に一本の竹が生えているだけだった。


 「んじゃ、最後の一本切っちまうか」


 朝食をの後片付けをして、石斧を手に取り竹に当てる。


 「せーの」


 コンッ! と音を立てて竹が伐れていく。

 まだ地面から突き出ている部分の処理とかあるが、取り合えず。


 「おーし、開通~!」

 「「「「ウキキィ~♪」」」」


 伐った竹を処理して竹林を抜けていく。


 「舞い戻って来たぞー!」

 「「「「ウィキィー!」」」」


 両手を上げ吠える。一緒になってピンクサル達も吠える。


 「これで米が食えるぞー!」

 「「「「ウキィ?」」」」


 自分の更なる叫びには付いて来ず、『米って何?』って感じで首を傾げた。


 「うおお! 味噌と醤油も欲しいぞー!」


 日本食が、いや塩以外の調味料が欲しくて堪らない、今日この頃です。
















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