No.35
本日7連チャン投稿、最後です。7/7
No.35
「ウキキィ♪」「ウキ♪」
川の中に浸けた籠を永遠と見続けるんじゃないかと、心配するほど見ているピンクサル達。
「お前ら見ているのは良いけど、夕飯まではそのままだからな」
「「「「ウキキ♪」」」」
あの様子じゃ何か手伝って貰うのは気の毒だから、あとは自由にさせておこう。
それじゃあ自分は今日渡す籠を作ってから、さっき採ってきた野草を薬に変えるか。
再び家に戻り。竹や野草を持って作業に入る。
竹を使った製作はさっきやったような感じだ。
薬作りの場合は薬となる部分を取り分けていく。それを【調薬加工】で生成していく。【調薬加工】を取る前は手で千切ったり、揉み解したりと色々やてみたんだよな。
生成し終わるとドロッとした緑色の液体が出来る。それを竹で作った容器に移し変える。そして出来上がったものがこれです。
【回復薬(小)】:飲んで良し、塗って良しの回復薬だよ。でも飲む場合はすごく苦いから気を付けてね。
「ポーションと、思えば良いのかね。これは」
薬作りが終われば、それ以外の野草を別の物に変える。例えばこれだ。
【油種の実】:さらさらの食用にも適した油が取れるよ。スシ、テンプラ、フジヤマだね。
突っ込む気も起きん。それでも油と言うのはありがたい。色々使い道があるからな。
これは【抽出加工】を使い油を取る。取った油を器に入れ保管する。
他の物もこうやって変えていき。それも終わると手持ち無沙汰になる。
「家の掃除をしてから夕食の準備をするか」
それほど片付ける物がないのですぐ終わる。
思った時に思った行動をする。無理の無い余裕の有る生活。
「ふふ~ふ~ん♪ ん? これは?」
片付けている最中、自分で見覚えのない。レモンイエローの色をした、石のような珠があるのに気がついた。
はて、これは何だろうと思ったが、すぐに思い出した。
「ああ、これはあれか。一番最初に竹籠をやったピンクサルがお礼か何かで置いていった」
そのまま放置して置いてあったので、すっかり忘れていた。
そして何の気なしに何をくれたんだろうと、万物の瞳を使って見てみた。
【??の神秘石】
四尾猿の????『?????』の魂が宿りし神秘石。四尾猿が貴方に信頼の証しとして贈ったもの。
「………………………………自分は何も見なかった」
そっと、誰にも分からないような場所へとしまった。
「せっかくほのぼのライフを送っているのに、今さらバトル展開はご遠慮願いたい」
だが口でどれだけ否定していても、近い内に必ず来るんだろうなと、心の中では思っていた。
「ウキキィ~!」
そんな考えを吹き払うかのように、元気の良い声が聞こえてきた。
「おう、お前らどうした? 遊びに来たのか?」
「ウキィ~♪」
遊びに来たピンクサル達を招き入れ。来る時が来るまでは、いつもと同じ生活をして行こうと決めたのだった。




