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No.27



 No.27




 ガラッ!


 「ーーッ!?」


 先程まで静かだった採掘場に音を立てる何か。

 音のする方へ目を向けるとそこに居たのは。


 「があっ」


 トカゲである。いやもうトカゲって言うかイグアナで良いのか? そんな感じのピンクサル達と同じような土色? にも見えるヌイグルミみたいな奴が、そこには居た。


 (ここの奴はなんでこんなファンシーな存在なんだろ?)


 自分もピンクサル達で大分慣れたと思う。

 警戒はしつつも、トカゲ…………土トカゲで良いかな、に声をかけた。


 「ええっとトカゲのお前さんは、ここに住んでる奴か?」


 そう聞くと何か気にさわったのか。ファンシーな顔から、お怒りの世紀末覇者のような顔付きになり、吼えた。


 「があっ!」

 「おあッ!? え!? なに!?」


 いきなり吠えられたことでビックリしたが。土トカゲは自分の頭の辺りを器用に尻尾で指して、何かを示していた。

 その事に気がつき、その辺りを良く見ると。角のような突起物が2本突き出ていた。


 「あっ! もしかしてドラゴン? 竜って言いたいのか?」

 「があっ」


 自分の言葉に深く頷く土トカゲは駄目だから、土竜。これだとモグラだな。何か良いのは直ぐに思い付かないし面倒だから、土竜でいこう。


 「そいつは大変失礼した。竜って言うのは初めて見るから分からなかった」


 こちらが謝罪すると土竜は「分かればえぇよ」といった感じに尻尾を振っていた。


 「自分はここより南の場所から来た。来た理由はこの辺りに何が在るのかの確認だな」

 「ぐあっ」


 何となくだが「そうか。何もないところだが、よう来なすった」と言ってる気がする。


 「ここを少し調べさせて貰っても良いか?」

 「ぐあっ」


 「好きにせい」と言った気がしたので。こちらも「ありがとう」と言っておいた。


 「あっそうだ。これはお近づきの印に、どうぞお納めください」


 そう言って背負っていたバックから取り出したのはメロンだ。うん。贈り物と言ったらメロンだろう。一緒に法外な金額が書かれた請求書とかは無いぞ。

 これは本来おやつとして持ってきたんだが。まあ友好関係を結ぶためだ。メロンは帰りにまた採ってこよう。

 土竜のそばにメロンを置く。

 しげしげと見ている土竜。自分は「食べ物ですからどうぞ」と進めると。大きく口を開けバクンッと、メロンに噛みついた。

 メロン半分は土竜の口の消え。モシャモシャと食べる。その食べる姿に、存在がヌイグルミみたいな姿とは言え、少しチビりそうになった。


 「ははは……体長一メートルは有るよな。あんなのに襲われたら勝てる気せんわ」


 冷や汗を流しながら、これで友好関係は結べただろうかと心配していた。

























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