No.26
No.26
まだ日が高いので、今日は何かを作る事はせずに。新たな場所を探しながら周囲探査をすることにした。
「そうと決まれば準備だ」
こう言う時のために色々と装備品を作っておいた。
木のヘルメット、木の胸当て、木の手甲、木のすね当て、木の靴、木の円盾、竹布から作ったバック、竹で作ったポシェット、竹の水筒。これに石槍と鉈サイズの石斧。
「見た目だけならもろに初心者冒険者だな。スライムぐらいなら倒せるだろうか?」
何故だろう? 今、自分で余計なフラグを立てた気がする。気のせいだよな?
「じゃあ自分はちょっと出掛けてくるからな。留守番、はしても余り意味はないか。お前ら居ても良いが家だけは壊すなよ」
ピンクサル達へ出掛けることを伝えると、元気の良い返事が帰ってきた。
「分かってんのか、あいつら?」
疑問は感じながらも、何処へ行くかと悩む。
まだまだこの辺の地理は詳しくはない。
大きな木を中心とすれば南は果樹園。東には竹林に穀倉地帯。西は直ぐに渓谷があるため川を渡るためには、浅瀬からか橋や船を作るしかない。
「となると北か」
決まれば後は行くのみ。
だけどその前に新しい習得技を。
「特技【地図記録】」
本当に口で言う必要性はないんだが。こう言うのは何故か言いたくなる。何故だろう?
因みに【地図記録】は今まで習得してきた工技とは違い初めての別物となる。
これを習得した時はこの辺の周囲はどうなっているんだろうと。頭で考えていたら、いつの間にか習得していた。
これの能力としてはゲームにあるマップ機能と同じだ。使用中は透明ディスプレイが現れる。
そしてこいつは自分で探索した場所しか表示しない。それ以外の場所は真っ黒な影としてしか表示してくれない。この辺は不便だ。改善を要求したい。
その代わり立体的に見たり、タグを貼って何があったかなどを記しておける。他にもあるが大体こんな感じだ。
「じゃあ行きますか」
森の中を歩き進んでいく。時たまピンクサルが現れたりするけど。他の獣は一切見当たらない。まあ虫ぐらいはいるけど。
「楽っちゃあ楽なんだけど」
時に邪魔な草木を切り落とし。古木が倒れて要るのを回避しながら進んでいくと、森の植物が変わってきたのが分かる。
「おっ、もしかして別な場所へ行けるか?」
植物が少しずつ少なくなっていき。その代わりにゴツゴツとした石や岩が多くなってきた。
「なんだかまた変わった場所だな。特撮ヒーロの『いつもの場所』みたいだな」
表現の方法は人それぞれなのでスルーしていただいて。
採石場のような場所へとたどり着いた。
辺りを見回しても石と岩ぐらいしか見あたらず。今のところ人はおろか、獣すら居ないのではないかと思えるほど静かな場所だった。
ガラッ!
しかしそんな考えもつかの間、静かな場所に音を立てる何かが現れた。
「ーーッ!?」




