No.20
でも私は傷付きやすいガラスのハート、お手柔らかにお願いしますね。 4/6
No.20
「うーん大分家らしくなった」
竹製品で溢れている。製作した竹ベットに枕。タンスにテーブル、椅子と食器類。歯ブラシなんかも作った。
それから地面のままでは格好も悪いと、竹製の簀を作ってみた。
しかし相変わらず家としての物は簡易テントのままである。
「しかし中身は充実したな」
大分作ったので今はどれくらいの時間だろうと外を見てみると。日が大分陰っている気がした。
「そろそろ風呂の準備をするか」
透明な石と薪用の木などを持ち川原まで行く。
石を使い火を起こし、焚き火をする。その間風呂の水は入れ替わったかどうかを確認する。
「う~ん、まだちょい汚いが大丈夫かな」
入れ替わりが余り上手く行かなかったようだが、少し濁っている程度なので十分としよう。
水の入れ替わりをしていた給水口と排水口の場所を板で止める。
焚き火の方に向かい火の中に手頃な石を放り込み焼いていく。十分に暖まったところで。これまた竹で作ったトングを使い、石を挟み風呂に投げ込む。
ジュワーとした音共に湯気が立ち込める。それを幾度か繰り返すと風呂の完成である。
「では風呂に入ろうか」
脱ぐものと言っても腰簑ひとつ。
それを脱ぎ去り風呂に入る。
「あちちっ」
多少熱いがじわぁとした温かさが体全体に広がる。
「ふひぃ~いい湯だ」
体を洗うための物がないのでただ浸かるだけだが。それでも汗を洗い流すことができ満足している。
「出来れば石鹸なんかも作りたいな。おおっとそうだ」
薪何かと一緒に果物も持ってきていた。それを手に取りかじりつく。
「飲み物じゃないって点がちと不満だけど。ああ最高な瞬間だなあ」
風呂の中でひとつ伸びをし。地球で忙しく、何かに追われるような生活とは違い。のんびりと何かをしながら生活していく、その充実感を味わっていた。




