No.17
調子が良いのでまたも連投です。1/6
No.17
「よいしょ! ほらしょ! あ、どこいしょう!」
掛け声はおっさん臭いが、リズムを取りながら竹を伐採していく。
ピンクサルが帰った後。採取先として向かったのが竹林だった。
竹は色々と加工しやすい上、何処かの国では竹だけで家を建てたとか。橋を建てたとか聞いたことがあるぐらい、幅広い用途に使える。
竹で出来た家かぁ、なかなか良いかもしれない。頑張って作ってみようかな。
「ふぅ、竹林の向こう側にある穀倉地帯の場所までは、道のりがまだまだだな」
竹を採りながら道を作っているのだが、これがなかなか。
竹を切るスピードが遅いっと言うのもあるかもしれないが。竹もまた多い多い。
幾ら異世界とはいえ、切ったそばから生えてくるってことはないだろう。もしそんなことが起きたら心が折れる。そりゃもうポッキリと。ポッキリと竹を採ってるだけにってか、はははは。ごめん悪かった。
「どれくらい採ったかな? 五十は越えてると思うんだが」
額から流れる汗を拭う。その時体から少しすえた様な臭いがしてきた。
「くんくん。あー大分汗かいたからな。その上風呂にも入ってない………………よし、竹の伐採取り止め。今日は風呂に入ろう」
そうと決まれば大きな木まで戻ろう。
幾つか持てる竹は持って行き、大きな木まで戻ることにした。
「さてこれから風呂作りを開始します。わー! パチパチパチ」
一人で歓声と拍手をする。
話し相手がいないと独り言が多くなると言うが、これがそうかもしれない。
風呂作りに関しては川原で行う。まあ水場はここしかないからな。
風呂作りを開始するためには場所を決め。その場所の大きめの石を退かし、穴を掘る。穴を掘る道具は昨日作った中にシャベルがあるのでそれを使う。
途中で壊れてもいいようにシャベルは二つ。一つは全部が木で出来たシャベル。もう一つは掬う部分。さじ部分を鋭角にした石で作ったシャベル。
それでは早速掘ってみましょう。
「そいゃっ! そいゃっ! そいゃっ! そいゃっ!」
掘り進めること、どれくらいだ? 時間が分からんから、とにかく大分経った。
掘った穴は人が一人分くらい座って入れるくらいの大きさになった。後は泥が出てきた部分を石で敷き詰め。給水口として作った場所から川の水を流し入れる。初めの内は掘ったせいもあり濁っているが。排水口として作った場所からは、濁った水が耐えず出てるから問題ないだろう。
「後は夕方ぐらいには水が入れ替わってるだろうから。その時に焼き石入れて水を暖めれば風呂の完成だ」
手作りの露天風呂。風呂に入るのが楽しみになる。